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EV転換だけじゃ意味はない! 三菱ふそうが「その先」を見据えた「劣化バッテリー」活用の実験を開始


TEXT:御堀直嗣 PHOTO:日産自動車/TET編集部
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EVトラック普及と同時に循環型ビジネスを構築

三菱ふそうトラック・バスは、EVトラックのeキャンターで使用済みとなったリチウムイオンバッテリーを、充電器と一体化した蓄電池システムに活用する実証実験を、京都府にある日向市役所と川崎製鉄所で行うと2025年に発表した。そして、実用化は2026年内を目指している。

この実証実験は、京都府に本社と研究所を持つCONNEXX SYSTEMと共同で行われた。eキャンターは、2017年に日本初の電気小型トラックとして発売された。車載するリチウムイオンバッテリーの容量は、41kWh・82kWh・124kWhの選択肢がある。基準となるバッテリーパックは41kWhで、これを2個使えば82kWh、3個使えば124kWh(41×3は123だが、電池容量の実際値は124kWh)になる。

三菱ふそうeキャンター

これらバッテリー容量がどれほどかというと、41kWhは、ヒョンデの5ナンバーEVであるインスターの廉価車種カジュアルの42kWhに近い。82kWhは、3代目となる新型リーフの上級車種であるB7の78kWhを上まわる。

身近な乗用EVに近いリチウムイオンバッテリー容量を携え、小型のEVトラックは走る。当然ながら、荷物を積んだときは全負荷に近い走りを求められるトラックは、発進・加速で十分な力が求められ、バッテリー劣化があれば交換などの措置が必要になるだろう。

それに際し、外された使用済みリチウムイオンバッテリーは、なお70%ほどの容量を残している可能性がある。ここは乗用車と変わらないのではないか。あるいはもっと容量を残していても、重い荷物を運ぶには不足気味になるかもしれない。そこで容量を残したリチウムイオンバッテリーの活用が求められる。一例が、この実証実験だ。

三菱ふそうとCONNEXX SYSTEMが共同開発した蓄電池

トラックターミナルなど複数台数が集まる場所で、荷物の積み込みを行いながら充電することを想定すると、一時的に多くの電力消費が生じる。その際、系統電力だけに頼っていては充電能力に不足する可能性が考えられる。そこであらかじめ蓄電装置に充電しておき、そこからも充電電力を利用すれば系統電力の負担を減らすことができる。

なおかつ、再生可能エネルギーなども活用しながら蓄電装置にあらかじめ充電しておけば、環境負荷をそのぶんさらに下げることができるだろう。この実証実験が示すのは、単に小型EVトラックの実用性を上げたり、充電負荷を減らしたりという現実の課題解決だけでなく、小型トラックをEV化し、それを普及させることへの、三菱ふそうの取り組みの本気度を示すことにもなる。

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