市販が期待されるコンセプトモデルも注目
その意味で注目したいのは、ジャパンモビリティショーのスズキ・ブースにおける主役級コンセプトカーの「ビジョン eスカイ」だろう。2トーンボディと大径タイヤを組み合わせたスタイリングは、同社のラインアップでいえばハスラー的な印象だが、ネーミングからもわかるように、これは軽自動車EVのコンセプトカーである。

第一印象は、いかにもコンセプトカー然としたもので、現実味を感じないかもしれないが、ビジョンeスカイは、航続距離270km以上を目指したEVアーキテクチャーを採用、2026年度内の市販を計画しているというから、じつはBYDラッコと同じようなタイミング。2026年の後半は、軽自動車EVが熱いことになりそうだ。
軽自動車やコンパクトカー以外で注目したいブランニューのEVが、KIA PV5シリーズ。商用バンと乗用ミニバンが設定される予定で、「PV5パッセンジャー」と名付けられたミニバン仕様の航続距離は521km(バッテリー総電力量71.2kWh)と、かなり実用的。

ボディサイズも全長4695mm・全幅1895mm・全高1900mmとなっており、ボディ幅こそ広いが、全長は5ナンバー規格に収まるもので、取りまわしも悪くなさそうだ。また、バッテリー総電力量51.5kWh・航続距離377kmのスタンダードグレードも用意されるという。用途や予算によって選択できるグレード構成は、実際に発売が始まったときに評価ポイントとなりそうだ。
ジャパンモビリティショー2025で印象に残ったEVとして最後に紹介したいのは、スバル「パフォーマンスE-STIコンセプト」。ここまで紹介してきた4台のショーモデルは、遠からず量産が始まるものばかりだったが、パフォーマンスE-STIコンセプトは、夢のショーモデルといった1台になっている。

だからといって非現実的なショーモデルというわけではない。その狙いは「五感を揺さぶる感動の走り」というものであり、その実現に向けてスバル独自のEVアーキテクチャーが開発されている。
スバルのアイデンティティであるAWDは前後にモーターを配することで実現。スバルのファンが期待するハンドリングについても低重心化に貢献する独自設計のバッテリーパックや、エンジンをなくしたことで生まれたスペースを活かしたアッパーアームをもつダブルウイッシュボーン的な新しいフロント・サスペンションといった意欲的なメカニズムが投入されている点も注目だ。

日本でも市販へのカウントダウンがはじまったスバルのEV「トレイルシーカー」は、トヨタと共同開発したモデルだが、スバルの工場で生産される。着々と、EVの生産能力を築き上げているスバルだけに、独自アーキテクチャーのスポーツツアラー的EVが登場することは、非常にリアリティのある話といえるのだ。

こうしてジャパンモビリティショー以降の、日本におけるEV投入に関する情報を整理すると、「EVシフトの減速」という主張が、実態を反映していない、一部の希望的観測と感じてしまう。日本においてもEVシフトの熱気は確実に高まっているといえそうだ。





















































