EVが市民権を得つつある
EVシフトの減速が、あたかも事実のように語られているが、果たしてそれは現状分析として正しいのかといえば疑問だ。
たとえば、日本国内の販売実績でいえばバッテリーEVの販売台数は2025年秋から微増が続いている。その原動力といえるのが、大幅なアップデートを実現したトヨタbZ4Xだ。2025年10月の販売台数は1106台、11月は1580台、12月は762台となっている。
おそらく12月に販売が減速したのは、マシマシになるCEV補助金を待ったユーザーが出てきた影響だろうが、国内の登録車販売ランキングでは30~40位あたりがbZ4Xの定位置となりつつある。2025年12月のランキングではスズキ・フロンクスとホンダZR-Vに挟まれたポジション。もはやバッテリーEVの販売規模はハイブリッドを含むエンジン車と同等になってきていると感じる。

ともすれば“アンチEV”のリーダー的ブランドといった印象のあるトヨタが作るEVが、これほどの販売実績として示しているというのは、EVシフトが着実に進んでいる証左といえるのではないだろうか。
ちなみに、同じく2025年12月の販売実績でいえば日産リーフは575台。これはマツダCX-80よりは多く、トヨタGR86よりは少ないといった規模。めちゃくちゃ売れているとはいえないが、だからといってレアな存在ともいえない程度には市場に広がりつつある。

というわけで、日本の自動車市場においてEVがどんどん存在感を増している今、これから数年内に、どんなEVが登場するのかは大いに気になるところだ。そこで、2025年秋に開催されたジャパンモビリティショーに展示されたEVコンセプトカーを振り返りつつ、その市販の可能性について整理してみたい。
最初に紹介するのは、ホンダ・スーパーワン(プロトタイプ)だ。
名前の由来は、軽自動車EVの「N-ONE e:」をベースに、スーパーに仕上げたという意味合いと理解できるが、ベースモデルが量産されているだけに2026年中の市販が期待できる1台となっている。

前後ともオーバーフェンダーのワイドボディとしているのが特徴。そのため軽自動車枠を超えてしまうが、それは47kW(64馬力)という自主規制の最高出力にとらわれずに済むことも意味している。ワイドボディに合わせて、サスペンションアームまで専用設計したというハンドリングへのこだわりも大いに気になるところだ。
さらにいえば、軽自動車ベースということは、そこまで価格が上昇しないことが予想できる。多くのユーザーにとって、手に届く範囲のスポーティEVというのは、じつは貴重な存在であり、できるだけ“良心的”な価格設定となることも期待したい。
同様に、近々の市販が計画されているのがBYDの軽自動車EVである「ラッコ」だ。
ジャパンモビリティショーの時点では、軽自動車サイズのスーパーハイトワゴンEVとしか発表されなかったが、年明けの東京オートサロンではスタンダード(約20kWh・航続距離200km超)と、ロングレンジ(約30kWh・航続距離300km超)という2タイプの設定と、2026年下半期の発売予定が明らかとなった。

スタンダードは日産サクラ/三菱eKクロスEVと同じくらいのバッテリー総電力量で、ロングレンジはホンダ・N-VAN e:/N-ONE e:と同様のバッテリー総電力量となるというわけで、こうしたスペックは軽自動車EVにおける、ひとつのベンチマークとなりそうだ。



















































