BYDのPHEV「Atto 2 DM-i」のコスト競争力
BYDが欧州市場に最安PHEV「Atto 2 DM-i」を追加設定してきました。まず、BYDは欧州市場で急速に販売台数を伸ばしています。とくに8隻もの、自社保有の車両運搬船をグローバル全体で運用することで、需要の高まる欧州向けの車両供給体制を強化しています。

また、ハンガリーとトルコに2026年中に稼働する車両生産工場を建設中であり、ドルフィンサーフをはじめとするEVを現地生産することで、約17%(基本関税10%を含めると約27%)の追加関税を回避しようとしてきているのです。
その一方で現在、追加関税措置が課されているBYDを筆頭とする中国メーカー勢が注力しているのが、PHEVやガソリン車といったEV以外の選択肢です。実質的に完全な抜け穴となっているPHEVやハイブリッド車、ガソリン車の導入を加速しているのです。
そしてBYDが欧州に投入してきたのが、Atto 2 DM-iです。じつはBYDは、ひと足先にAtto 2を導入済みです。中国ではYuan Upとして知られているAtto 2は、コンパクトSUVセグメントのBEVであり、中国だけでなくグローバルサウスでも発売がスタートしています。

そして今回導入したのはPHEVモデルです。中国国内ではYuan UpにはBEVのみをラインアップしており、コンパクトセグメントはすでにBEVで十分と考えているユーザーが多いものの、欧州ではまだまだガソリン車のシェアが大きく、そこにトヨタやルノーを筆頭とする自動車メーカーは、燃費で優れるハイブリッド車を展開することでシェアを拡大。そのためBYDも、コンパクトセグメントのPHEVを投入する必要があったのです。
Atto 2 DM-iは全長4330mm、全幅1830mm、全高1675mm、ホイールベース2620mmのコンパクトSUVセグメントに該当します。7.8kWhと18kWhという2種類のバッテリー容量をラインアップし、EV航続距離は欧州WLTCモードにおいて、それぞれ40km、90kmを確保します。また、45リットルの燃料タンクによって最大航続距離は1000kmに到達し、EVにおける航続距離の長さに対する不安を払拭しています。

ただし、Atto 2 DM-iに搭載されている内燃エンジンは、熱効率43.04%の第四世代のDMシステムです。日本にも導入されている第四世代DMは、中国国内に導入済みの最新の第五世代と比較しても古いシステムです。BYDとしては海外市場には最新世代を投入するよりも、信頼性や費用対効果を重視してきたものと推測できそうです。



















































