ヒョンデのZEV公用車は「アイオニック 5」に続いて2台目 ヒョンデは2024年8月8日に、同社の水素電気自動車(FCEV)である「NEXO(ネッソ)」1台を、「電動車災害派遣協定」を結んでいる愛知県豊橋市に、新たな公用車として無償貸与したことを発表した。 2023年4月、船舶で輸送されてきた車両を陸揚げ後、全国へ配送する前に日本市場向けの仕上げ作業を行う新車整備センター(PDIセンター)を豊橋市に設置したヒョンデは、翌2024年1月29日に同市と「電動車災害派遣協定」を締結した。この協定は、すでに報じられているとおり、ヒョンデの主力EVである「アイオニック 5」を1台、公用車として寄贈すると同時に、災害発生時は市内のPDIセンターから「アイオニック 5」とEVコンパクトSUVの「コナ」を提供し、移動式の電源として災害現場で活用してもらおうというものだ。 ヒョンデと豊橋市にこのような関わりがあるなかで、豊橋市の脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として、二酸化炭素を排出しないFCEVの「ネッソ」の無償貸与が新たに決まった。豊橋市は「ネッソ」を導入することにより、市民や職員の環境に対する意識を高めていくとともに、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進していく予定だという。 また、貸与車両を用いて、豊橋市の行うさまざまなイベントや公用の際に広く活用されていくことが期待されている。 豊橋市はヒョンデとの「電動車災害派遣協定」以外にも、災害発生時の電源確保としてメルセデス・ベンツから電気自動車の「EQS」が貸与される協定を先ごろ結んだばかりだ。なぜ豊橋市ばかり輸入車メーカーのEVを貸与または派遣提供されるのか。 じつは日本に輸入される輸入車の約半数は豊橋市の三河港で陸揚げされている。それに付随してヒョンデをはじめ、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲングループ、ボルボなどがPDIセンターを豊橋市内に構えている。ゆえに地場産業といえるインポーター各社のPDIセンターと豊橋市の結びつきは強く、このような災害派遣協定が結ばれ、各社のEVが市民生活を支えてくれるというわけだ。 ヒョンデは、今回のネッソの貸与に際し、「PDIセンターの設置と災害時派遣協定、車両の寄贈と無償貸与だけでなく、さらに幅広い提携関係を豊橋市と構築して行きたいと考えております。また、ヒョンデはゼロ・エミッションビークル(ZEV)の普及を通じて、さらに地域社会との連携を強化してまいります」とコメントしている。 アイオニック5にネッソ、コナ、それにEQSも。ここまで最新のEV、ZEVが市民生活を支援してくれる市町村が他にあるのだろうか。豊橋市民がうらやましい限りだ。