#デンソー
TEXT:烏山 大輔
デンソー、SiCパワー半導体を用いたインバーターを開発。レクサスの新型BEV「RZ」に搭載

デンソーは、SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体を用いたインバーターを初めて開発したと発表。この製品は、株式会社BluE Nexusの電動駆動モジュール「eAxle(イーアクスル)」に組み込まれ、レクサス初の電気自動車(BEV)専用モデルである新型「RZ」に搭載される。 SiCパワー半導体は、シリコンと炭素で構成され、電力損失を大幅に低減する半導体の材料でつくられている。インバーターの駆動素子にSiCパワー半導体を採用することにより、従来のSiパワー半導体を用いたインバーターと比較して、特定の走行条件において電力損失を半分以下にすることができる。このため、BEVの電費が向上し、航続距離の延伸に貢献する。 この開発において、デンソーは独自のトレンチMOS構造を採用したSiCパワー半導体により、高耐圧と低オン抵抗(オン抵抗:電流の流れやすさを示す指標。値が小さいほど電力損失が少ないことを示す)を両立し、発熱による電力損失を低減することで1チップあたりの出力を向上させた。また、デンソーは株式会社豊田中央研究所との共同開発による高品質化技術をもとに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)委託業務による成果を取り込んだSiCエピタキシャルウェハーを活用することで、結晶欠陥を半減させることに成功した。このため欠陥を低減することにより車載品質を確保し、安定的なSiC素子生産を実現することができた。 デンソーはこれまでも、SiC技術を「REVOSIC®(レボシック)」と名付け、ウェハーから素子、パワーカードなどのモジュールに至る総合的な技術開発に取り組んできた。そして、2022年に採択されたグリーンイノベーション基金(GI基金)の助成も活用しながら、車両のより効率的なエネルギーマネジメントを目指した開発を通して、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献することを発表した。デンソーは、環境負荷の低減に向けて積極的な取り組みを進め、今後も持続可能な社会の実現に向けた技術開発を続けていくとしている。

TAG: #エレクトロニクス #デンソー

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
BYDの勢いが止まらない! 新エネルギー車の生産台数が世界初の1000万台を突破
日産からセダンのEVが出るぞ! 中国向け車両「N7」を初公開
過酷なダカールラリーで排気量998㏄の「水素小型エンジン」を鍛える! HySEが2025年の参戦を発表
more
コラム
自宅で充電できないけどEVを買う人が増えている! ただしいまのインフラ状況だと「セカンドカー」で乗るのが正解
充電が無料でできる施設は税金のムダ遣い? 地方自治体の取り組みの是非を考える
EVの走りはむしろ好き! エンジン車も同時に所有! それでもEVライフを終了した理由をオーナーが激白
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
more
イベント
外からもまる見えな全面ガラスドアも高齢化が進む地域のモビリティとして最適!? タジマの超低床グリーンスローモビリティ「NAO2」が斬新すぎた
EVはレアメタルが詰まった都市鉱山! CEATEC2024でBASC展示が提唱するサーキュラーエコノミーというバッテリーとは
畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択