スペックよりも中身で勝負か
それでは、電動SUVに形を変えた新型インサイトがどれほどのコスト競争力を有しているのか、直接の競合となるトヨタbZ4Xと日産リーフを中心に比較していきましょう。
まずEV性能について、インサイトが競合するのはエントリーグレードである「bZ4X G」および「リーフ e+(※60kWh級と推測し調整)」です。というのも、たしかにインサイトには68.8kWhが搭載されているものの、e:Nシリーズ第1弾と同じバッテリー制御を行っている場合、ネット容量(実用容量)は61.9kWhとバッファーがかなり多く設定されており、さらに電費で劣ることから、航続距離はbZ4X G等と同等となる見通しだからです。また急速充電は最大78kWに留まっており、bZ4Xやリーフと比較しても大きく差をつけられています。

更なる懸念点は、中国市場におけるe:Nシリーズ第2弾および欧州仕様「e:Ny1」には、ヒートポンプシステムやバッテリーのプレコンディショニングシステムが非搭載であるという点です。これらはミッドサイズSUVをファーストカーとして使う上ではマスト機能であり、日本仕様での搭載を期待するしかなさそうです。価格設定についても、インサイトはリーフやbZ4X Gよりも高額となることは間違いなさそうです。とくに550万円程度となると、コスト競争力で見劣りすることになりそうです。

ただし、インサイトに期待できるのが「装備内容」という観点です。とくに以下の部分は注目です。
・18インチアルミホイール
・12.8インチセンタースクリーン
・11.5インチヘッドアップディスプレイ
・最大20W対応のワイヤレス充電器
・メモリー、ハンズフリー対応電動テールゲート
・本革シート
・運転席8方向電動調整、シートメモリー、シートヒーター、シートベンチレーション機能
・リヤシートヒーター
・アンビエントライト
・全面の二重ガラス化
・1列目頭上の電動開閉式ガラスルーフ
・Honda SENSING
・最大1.5kWのV2L機能
・BOSE製12スピーカーシステム
・7エアバッグシステム
・フレグランスシステム
・内蔵ドライブレコーダー
このように、装備内容はbZ4Xやリーフと比較しても競争力があります。ホンダとしては、EV性能で競合に劣るぶん、装備の充実を前面に押し出すことでユーザーに訴求する戦略なのかもしれません。
いずれにしても、ホンダが日本国内へ中国製EVを逆輸入することが決定しました。背景には、中国国内で販売が低迷しているe:Nシリーズの生産工場稼働率を、海外展開によって向上させたいという狙いがあることも間違いありません。

はたして中国で売れなかったEV3000台が、どれほどのスピードで日本で売り切れるのか。とくにヒートポンプやバッテリープレコンディショニングシステムが日本仕様で実装されているかは、ホンダの「インサイト」に対する本気度を測る上でも注目すべきポイントだと言えます。
















































