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たった「25日」の差で40万円の補助金を逃した! テスラモデルYから新型モデルYに買い替えたオーナーの悲劇


TEXT:琴條孝詩 PHOTO:琴條孝詩/一般社団法人次世代自動車復興センター/TET編集部
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EVを買うタイミングは難しい

念願のテスラ新型モデルY「ジュニパー」が納車され、浮かれ気分でハンドルを握っていたのも束の間、私の背筋を凍らせるニュースが飛び込んできたのは12月17日のことだった。

政府からの発表によると、CEV補助金がなんと「40万円」も増額されるという。ただし、その適用条件は「2026年1月以降の登録・納車」であること。

……待ってくれ。私のモデルYが納車されたのは12月6日だ。つまり、たった1カ月納車を遅らせるだけで、補助金を40万円も多くもらえたということになる。

CEV補助金の案内ページ

※画像はイメージ

40万円だぞ?  手取りでこれだけの金額を稼ぐのがどれだけ大変か……。いまは小さな大学のしがないイチ教員だが、フリーランスも経験したこともある私はその大変さをよく知っている。正直、膝から崩れ落ちそうになった。「仕方ない」と諦めるには、あまりにも金額が大きすぎる。

しばらくは悶々とした時間を過ごした。「なぜあのとき、納車を急いでしまったのか」「あのときに在庫さえなければ……」と自問自答を繰り返す日々。だが、テスラ界隈には古くから伝わる格言がある。「テスラは欲しいときが買いどきだ」

そうだ、私は1日でも早くこのジュニパーに乗りたかったのだ。この体験をいち早く手に入れた代償だと思えば……いや、やっぱり悔しいけれど、こればかりは運とタイミングだ。泣く泣く諦めることにした。

テスラ・モデルY(ジェニファー)

さて、やっとの想いで心の整理がついた矢先、追い打ちをかけるようなニュースが飛び込んできた。EV乗りにとっての聖地、スーパー「イオン」に設置されている急速充電器の料金改定だ。これまで1分10円、30分充電してもたったの300円という、いまのガソリン価格を考えれば「タダ同然」のような破格値で利用できていたのだが、これが2026年1月から値上げされるという。

新料金は49.5円/分。計算してみて驚いた。いままで300円で済んでいた30分充電が、約1500円になる計算だ。これまでは安さに甘えて自宅充電をサボり、買い物がてらイオンで継ぎ足していたが、これからはそうもいかない。運用を根本から見直す必要がある。

商業施設の充電設備

「これからは家充電メインだ」

そう決意したものの、我が家の充電環境は貧弱そのもの。屋外コンセントから取る100V充電で、出力はわずか1kWh程度しかない。これでは一晩充電しっぱなしにしても、バッテリーの充電量はわずか。12時間で12kWh、電費を考えると約60km分になる。ただ、じつは現在の我が家の電気プランは、深夜1時から5時までの4時間、電気料金が4割ほど安くなる設定になっている。経済性を考えれば、この「ゴールデンタイム」に充電を終えたい。1kWhのチョロチョロ充電ではその時間帯以外でも充電することになり話にならない。

頭を抱えていた時、友人から救いの手が差し伸べられた。「東京都なら、既存の戸建住宅にもEV充電器の補助金が出るらしいよ」

調べてみると、確かに東京都には太っ腹な制度があった。条件を満たせば、設置工事費を含めて上限30万円まで助成してくれるというのだ。これを使わない手はない。ここにも補助金があったのだ!

真っ先に私の脳裏に浮かんだのはテスラ純正の「ウォールコネクター」。あの近未来的なデザイン、そして最大9.6kW(48A)というハイパワー。本体価格は7万9200円。工事費を含めても30万円でお釣りが来るだろう。

自宅充電のイメージ

「これで決まりだ!」と色めき立ったのには理由がある。以前、自宅ガレージに200Vコンセントを増設しようと近所の電気工事士に見積もりを頼んだことがあった。金額は10万円強と悪くなかったのだが、問題は配線ルートだった。「外壁に電線用のモール(配管)を這わせるしかない」と言われたのだ。しかも正面の玄関脇を通すしかない、という。さすがに我が家の顔ともいえる正面外壁に無骨なプラスチックの配管が走るのには踏ん切りが付かなかった。美観を損ねるくらいなら……と、そのときは工事をペンディングにした経緯がある。

だが、今回は30万円の予算がある。多少工事費が嵩んでも、ウォールコネクターがつくなら! 意気揚々と東京都の補助金対象機器リストを開き、細かい文字の羅列を目を皿のようにして探した。……ない。どこを探しても、テスラの「ウォールコネクター」の名前がないのだ。

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