日本メーカーが苦戦中
それでは、2025年10月に中国国内でどのようなEVが人気であったのかを確認しましょう。まず10月に限った内燃機関車も含めたすべての人気車種ランキングトップ30を見てみると、NEVは18車種を占めています。とくに1位からHong Guang Mini EV、Galaxy Xingyuan、BYD Qin Plus、日産シルフィ、シャオミYU7と中国で人気のクルマが軒並みNEVです。

続いて、NEVに絞った販売ランキングトップ30を見てみると、海外メーカー勢はテスラ・モデルYの1車種しかランクインできずに、残りはすべて中国勢が席巻しています。「NEV=中国製」であると、中国市場では広く認知されてしまっており、これを日本勢やドイツ勢がひっくり返すのは至難の業となりつつあります。

また、ここからさらにBEVに絞った販売ランキングをソートして注目してみると、最新BEVが続々ランクインしているという点が目立ちます。並べると以下のようになります。
・39位:ファーウェイLuxeed R7
・38位: Fang Cheng Bao Tai 3
・36位:日産N7
・35位:NIO ES8
・32位:Leapmotor B10
・30位:ファーウェイAITO M8 EV
・27位:BYD Seal 06 EV
・22位:トヨタbZ3X
・20位:MG4
・19位:Onvo L90
・17位:Leapmotor B01
・13位:Arcfox T1
・9位:BYD Sealion 06 EV
・3位:シャオミYU7
このように、発売開始半年程度という最新モデルが続々と人気モデルとして上位に食い込んでおり、競争の熾烈さが見て取れます。

次に注目したいのが日本メーカー勢の販売動向です。
まず日本勢とBYDの月間販売台数の変遷を見てみると、トヨタが前年比-7.6%と苦戦するなか、日産は前年比+14.9%を達成しました。その一方でホンダは前年比-21.7%と大幅減少となっており、EV販売が伸び悩んでいることが要因と考えられます。
そしてBYDの失速も10月は続いています。数字上ではBYDブランド単体で25.6万台とトップは維持しているものの、前年比-38.2%と、ホンダをも上まわる販売急減速が記録されています。BYDは10月以降、既存モデルに対するモデルチェンジを矢継ぎ早で実施しており、11月以降の反転攻勢によって、どれほど販売減少に歯止めをかけられるのかに注目が集まっています。

次に日本勢のEV動向をもう少し詳しく見てみましょう。
まずマツダから。マツダではEZ-6が2312台、そして9月中にローンチしたSUVバージョンのEZ-60は4565台と好調であり、マツダ全体の販売台数も前年比+60.8%と急上昇しています。新車販売全体に占めるNEVシェア率も60.5%と、すでに中国市場で展開されているマツダ車の過半数がNEV販売にシフトしており、なかでもにEZ-60の初期需要は順調のように見えます。

先述のトヨタについてもう少し詳しく見てみると、bZ3が852台と失速するものの、最新のbZ3Xは1万13台を販売し、好調といえる結果に。なお、最新のbZ5は2005台と停滞しており、トヨタのBEV販売とひと口にいっても、車種によって明暗がわかれているようにも見えます。12月中に投入予定のbZ7が、トヨタ全体のEV販売にこれからどれだけ貢献できるのかに注目です。

そして日産について。こちらはアリアの販売台数は2台だったものの、N7は6540台を販売しました。確かに8月単体の1万台超からは低下したものの、月間生産能力5000台という供給能力に対して、しっかりと需要が追いついている様子が見て取れます。
また日産は、12月中にN6というPHEVの発売を予定していたり、2026年前半にも中大型SUVセグメントとなる、NX7を投入見込みです。さらに11月末にローンチしたFrontier ProやN7の海外展開を含めて、今後の日産のEV投入ラッシュには期待できるでしょう。

最後にホンダについて。ホンダは以下のような結果でした。
・eNシリーズ第1弾:0台
・eNシリーズ第2弾:260台
・Lingxi L:947台
・イエシリーズ第1弾(P7/S7):643台
このとおり、中国国内で7車種のBEVを展開して、月間2000台も売れていないという現状であり、トヨタや日産と比較すると苦しい状況です。ホンダは2025年末までにイエシリーズからクーペセダンであるGTを投入する予定だったものの、すでに発売を延期する予定です。じつは中国市場のBEV販売不振は、アメリカにおけるトランプ関税問題を超える、ホンダ最大の懸案事項になり得るのかもしれません。

2026年以降、日本メーカーの最新EVであるトヨタbZ7、日産N6、NX7などの存在によって、日本勢がどこまで中国EVシフトで反転攻勢を仕掛けることができるのか、引き続き注目していきたいと思います。





















































