#サクラ
TEXT:福田 雅敏
[THE視点]現役エンジニアが見抜いた「日産サクラ」JNCAPファイブスター獲得の要因

「衝突安全性能評価」「予防安全性能評価」の最高評価に加えて、「事故自動緊急通報装置」を備える必要がある「ファイブスター賞」 日産自動車株式会社は1月24日、自動車アセスメント(JNCAP)で、「衝突安全性能」と「予防安全性能」等を統合して評価する総合評価「自動車安全性能2022」において、「サクラ」が最高評価「ファイブスター賞」を獲得したと発表した。兄弟車の「三菱eKクロスEV」も同様に獲得した。 「サクラ」の「ファイブスター賞」獲得は、「デイズ」(2020年度)、「ルークス」(2021年度)に続き軽自動車として3車種目で、軽自動車EVとしては初の受賞である。ガソリン車も含めて日産の軽自動車の安全性の高さを改めて示したことになる。 JNCAPは、国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)により自動車の安全性能を評価・公表するもの。最高評価となる「ファイブスター賞」は、「衝突安全性能評価」と「予防安全性能評価」の両評価で最高ランクを獲得し、かつ「事故自動緊急通報装置」を備えた車両のみに与えられ、審査は大変厳しいものとなっている。 「サクラ」は、「高強度安全ボディ(ゾーンボディ)+歩行者傷害軽減ボディ」と「7つのエアバッグ」による普通乗用車にも匹敵する衝突安全性能に加え、検知対象を人が乗車している自転車にも拡大した「インテリジェント・エマージェンシーブレーキ」などの先進安全装備で構成される「360°セーフティアシスト(全方位運転支援システム)」を採用している。 さらに「リーフ」の開発で培った技術を投入することで「衝突後の感電保護性能評価」もクリアし、軽EVの安全性の高さを実証した。 バッテリーパックの衝突安全基準が「サクラ」を頑丈なボディにしたか 日本の軽自動車は、車体の外寸が限られるなかで室内寸法を最大限に広げるという設計のものが多く、衝撃吸収部分がどうしても少なくなりがち。その中での評価獲得には、重くなりがちなEVでも高い安全性を確保するという日産の軽自動車に対する安全性の取り組み、そして開発陣の高い志があったのだろうと評価できる。

TAG: #eKクロスEV #JNCAP #THE視点 #サクラ #三菱 #日産 #福田雅敏
TEXT:福田 雅敏
モータースポーツの可能性を広げるEV、カスタムの方向性も示唆……EV開発エンジニアのオートサロン探訪[その3]

世界最大級のカスタムカーのイベント「東京オートサロン2023」が1月13日から15日まで幕張メッセにて開催された。今回の「オートサロン」には、多数のEVも出展されると聞いた。そこでEV開発エンジニアであり本媒体のエグゼクティブアドバイザーである福田雅敏が現地に赴いた。その現場をレポートしたい。今回は「その3」をお送りする。 交換式バッテリーを用いてEモビリティの発展性を感じさせたホンダ カーボンニュートラルをテーマにしたブース「オートサロンテック2023」でホンダが展示していたのが、交換式EV用バッテリー「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」と、そのシステムを核とする充電設備「ホンダ・パワー・パック・エクスチェンジャー e:」、ポータブル電源「ホンダ・パワー・ポッド e:」、二輪車「ジャイロ キャノピー e:」と、電動パワーユニット「eGX」搭載のレーシングカートだ。 「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」はその名のとおりバッテリーパックで、1個あたりのスペックは、DC50.26V/26.1Ah=総容量1314Wh(1.314kWh)。連続出力は2.5kWで、1パックの重量は約10kg。大人が片手で持てる重さである。ホンダのバッテリー交換式スクーターのプロジェクト「ガチャコ」で使われているものだ。 「ホンダ・パワー・パック・エクスチェンジャー e:」は「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」の充電器で、12個のバッテリーが同時に充電可能。バッテリーの盗難防止などのために、カードが必要となる。こちらも「ガチャコ」に使用されている。 「ジャイロ キャノピー e:」には「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」2個がシート下に搭載され、航続距離は70km程度だという。充電装置が置かれている場所に行けば、2分程度で充電済みバッテリーに交換が可能で時間を省けるのがメリット。 「ホンダ・パワー・ポッド e:」 はモバイル電源ユニットで、「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」1個を本体に収納して使用する。AC100V/1500Wの出力で電池容量が約1.3kWhなので、100Wの電化製品が十数時間使用可能となる。非常用やアウトドア用にと活用範囲は広い。 このシステムに「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」が使われていたのは今回初めて知った。「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」は近いうちに小型の電動農機などにも使用されるのではないだろうか。そのほかにも様々に応用できそうである。

TAG: #アリア #サクラ #ホンダ #日産 #東京オートサロン2023 #福田雅敏
TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.23]

  日産、「リーフ」と「サクラ」を2月1日より値上げ……原材料費などのコスト高騰を反映、三菱「eKクロス EV」も 【THE 視点】日産自動車は、受注を一時停止していた「サクラ」と「リーフ」について、12月22日に受注の再開と価格の改定を発表した。 「サクラ」は249万7,300円から、「リーフ」は408万1,000円からとなり、「リーフ」の上級グレードの「e+」では、最大100万円以上の値上げとなり500万円を超える。 また、三菱自動車も「ekクロス EV」「アウトランダーPHEV」の価格改定を発表した。 EVは、バッテリーコストが車体の原価の3分の1を占めるとされ、原材料のリチウムやコバルトの高騰が大きく影響し、世界的な原材料費や物流費などの高騰が値上げの理由だとしている。 「サクラ」と「ekクロス EV」は、今年6月に発売されたばかりだが、わずか半年で値上げとなった。 「リーフ」については400万円を超えたことで、リーズナブルな輸入車EVと同じ土俵で争うことになり、購入検討者は日本車か輸入車かで悩むことになる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・三菱、「アウトランダー」と「eKクロス EV」を2月1日より値上げ……「アウトランダー」は現行価格比22万円高の484万1,100円〜、「eK クロス EV」は14万8,500円高の254万6,500円〜 ・ マルチスズキ、「オートエキスポ2023」でSUV型のEVコンセプトモデルを出展 ・アウディ、「Q6 e-tron」を2023年から生産開始……独インゴルシュタットの工場で ・ポルシェ「タイカン・ターボS」の高級カスタマイズカーが「東京オートサロン2023」に出展……「ブラバス」によるカスタマイズモデル ・ステランティス、駆動用モーターの生産を増強……2024年までに100万基以上、「プジョー e-208」や「オペル・モッカエレクトリック」などに搭載 ・ヤマハ、電動モーターの試作を受注……IHIからタグボート用のZ型推進装置向けに ・BASF、トヨタとパナソニックの合弁会社「PPES」のサプライヤーに……ニッケル・コバルト・マンガン系正極材を納入 ・グッドイヤー、「イーグルF1 アシンメトリック5」がメルセデス・ベンツ「EQS」に純正装着……欧州グッドイヤーが開発したスポーツタイヤ ・ビンファスト「VF8」999台がカリフォルニアに到着……米国向けの限定モデル「シティエディション」

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.12]

  ・2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー決定……「日産サクラ」「三菱eKクロスEV」のイヤーカー決定、多数のEVに賞典 【THE 視点】「第43回 2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー」は、「日産サクラ」「三菱eKクロスEV」が大賞を受賞。軽自動車として初めてとなる。両車は「2022-2023 K CAR オブ・ザ・イヤー」のほか、「日本自動車殿堂」、「RJC カー オブ ザ イヤー」も受賞し、合わせて4冠を達成した。 「サクラ」「eKクロスEV」以外にも、「2022-2023 インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」に「ヒョンデ・アイオニック5」、「2022-2023 デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に「BMW iX」が受賞。EV勢が快挙を成し遂げた結果と言える。 「サクラ」「ekクロスEV」が受賞した理由は次のとおり。 「日本独自の軽自動車規格を採用し、現実的な車両価格でEVを所有するハードルを下げ、日本でのEV普及の可能性を高めた。 また本格的な脱炭素時代を前に、減少するガソリンスタンドや公共交通などの衰退も予想される状況で、軽自動車+EVという組み合わせは、高齢者を含めた多くの人の移動の自由を担保するだけでなく、社会的課題解決への可能性を示している。 さらに、走行性能についてもハンドリングと動力性能が従来の軽自動車を凌駕しているという声が多く集まった。 安全装備も高級車並みの運転支援機能を装備している点も評価された」(日本カー・オブ・ザ・イヤー公式WEBより) 筆者も今回受賞したすべてのEVに試乗しているが、どれも納得のいく結果だと思っている。ようやくEVの時代が到来したと実感した。 (福田雅敏-自動車エンジニア・THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・日立金属、フェライト磁石を使用したEV用モーターを開発へ……モーターのレアアース依存低減をはかる ・ヒョンデ、米フロリダ州バートゥにEV用バッテリー工場を設立……約50億ドルを投資し3500人以上の雇用を創出 ・フォルクスワーゲン、参加の充電関連企業ElliとEU最大の充電ネットワーク構築へ……独、仏、蘭などに2万5000箇所の充電ステーションを開設 ・フォルクスワーゲン、EV版ワーゲンバスの「ID.Buzz」が衝突安全性で最高評価……ユーロNCAPで最高の5つ星 ・ZF、モジュラーコンセプトの新世代電動パワートレインを開発……乗用車と小型商用車向けに ・メルセデス・ベンツ、商用EV「eスプリンター」を用いて街の空気を浄化……微粒子吸引機を搭載してオーストリア・グラーツ市内を巡回 ・電動バイクシェアリングのシェアロ、電動バイクの安全講習会および体験走行会を実施……自社で展開する折りたたみ電動バイクを使用

TAG: #eKクロスEV #THE視点 #サクラ #デイリーEVヘッドライン #三菱 #日産 #福田雅敏

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