BYD 記事一覧

TEXT:高橋 優
BYDの最新SUV「シーライオン7」で1000kmロングラン! ちょっと気になる点はハイスピード電費と急速充電性能!!

シーライオン7のEV性能を全方位チェック! BYDの最新SUVであるシーライオン7 AWDで恒例の航続距離テストと充電性能テストを行いました。とくにシールや競合の電動SUVと比較してどれほどのEV性能を実現することができたのか。リアルワールドにおける航続距離や充電スピードを徹底リポートします。 ⚫︎主要スペック(※は推定値) ・搭載バッテリー容量(グロス/ネット):82.56/※80kWh ・日本WLTCモード(WLTCモードクラス2)航続距離:540km ・EPA航続距離:※375km ・最大充電出力/SOC 10-80%充電時間:105kW/非公表 ⚫︎装着タイヤ ・245/45R20 ・Michelin Pilot Sport EV ・空気圧:2.9/2.9(前輪/後輪)(適正値2.9/2.9) *航続距離テスト まず、航続距離テストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速100kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・充電残量100%付近までサービスエリア下り線で充電したあと、途中のインターで折り返して、同じサービスエリア上り線まで戻ってくる。充電残量は10%程度以下まで減らし切る ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり(今回のシーライオンAWDの場合は24℃オートに設定) ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシーライオンAWD・20インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離と比較して−1.71%の下振れ) 結果:駿河湾沼津SA下り→豊田南IC→駿河湾沼津SA上り ・走行距離:382.0km ・消費電力量:100%→9% ・平均電費:5.23km/kWh(191.2Wh/km) ・外気温:12℃〜15℃ よって、航続距離テストの結果から、充電残量100%状態からSOC0%になるまで、344kmを走破可能であることが確認できました。 *ハイスピードテスト 次に、ハイスピードテストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速120kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり(今回のシーライオンAWDの場合は24℃オートに設定) ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシーライオンAWD・20インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離と比較して−1.71%の下振れ) 結果:駿河湾沼津SA下り→新静岡IC→駿河湾沼津SA上り ・走行距離:94.9km ・消費電力量:81%→51% ・平均電費:4.00km/kWh(250.0Wh/km) ・外気温:12℃ よって、ハイスピードテストの結果から、充電残量100%状態から空になるまで、322kmを走破可能であることが確認できました。 *充電性能テスト ・使用充電器:180kW級急速充電器(テンフィールズファクトリー製FLASH/空冷ケーブル) ・SOC10%〜80%充電時間:39分 ・最大充電出力(SOC):105kW(64%) ・30分回復航続距離(外気温平均13.5℃での航続距離テストベース):230km

TAG: #充電 #長距離
TEXT:高橋 優
BYDが「Sealion 05 EV」発表で小型SUVバトルが激化! しかも値段が激ヤバの約243万円から!!

コンパクトSUV「Sealion 05 EV」が登場 BYDがコンパクトSUVセグメントのSealion 05 EVを正式発売しました。日本導入にも大いに期待したいコンパクトなサイズ感も含めて、そのコスト競争力の高さを分析します。 まず、BYDは2025年に突入してから、 ・自動運転システム「God’s Eye」の全モデル導入 ・車載ドローンシステム「Lingyuan」 ・メガワット充電システム「スーパーeプラットフォーム」 という最新テクノロジーを発表しました。 そして3月中には、 ・Yuan Plusのモデルチェンジバージョンの発売 ・Han LとTang Lの正式発表 ・DenzaのフラグシップSUVであるN9の発売 ・大衆セダンQin L EVの正式発売 ・ハイエンドブランドYangwangの超高級セダン「U7」の発売 ・Fang Cheng BaoのコンパクトオフロードSUV「Tai 3」の発表 など、最新テクノロジーとともに新型EVを矢継ぎ早に発表しています。 そして今回発売したのが、大衆SUVのBEVであるSealion 05 EVです。BYDはOceanシリーズについて、セダンはシール、SUVはSealionに統一しながら、サイズが大きくなるごとに05/06/07/08/09と命名。よって今回のSealion 05 EVは、OceanシリーズのなかでもっともコンパクトなBEVのSUVということになります。またSealion 05 EVは、王朝シリーズのYuan Plusの兄弟車でもあります。 Sealion 05 EVは、全長4520mm、全幅1860mm、全高1630mm、ホイールベースが2720mmというコンパクトSUVセグメントであり、リヤにモーターを搭載した後輪駆動です。兄弟車であるYuan PlusはFWDであり、ここが大きな相違点です。よって、最小回転半径が4.65mと軽自動車を凌ぐ小まわり性能を実現しています。PHEVモデルのSealion 05 DM-iの最小回転半径が5.8m、Yuan Plusも5.3mであることから、パワートレインをリヤに移動させた分だけタイヤの切れ角を大きくすることに成功しています。 さらに、110リットルという大容量トランクを採用。たとえばテスラ・モデル3のトランク容量が88リットル、モデルYが116リットルであることからも、コンパクトSUVとしては広大な容量を確保していることがわかります。また、60.928kWhのLFPバッテリーパックを車両の構造として利用するセルトゥボディを採用。その上、Sealion 07 EVから採用を始めたeプラットフォーム3.0 evoを採用することで、急速充電性能を大幅に改善。最大400Aの電流値、最大156kWという充電出力に対応可能です。Yuan Plusは最大でも85kWまでしか対応することができていないことを踏まえると、充電性能を大幅に進化させてきているのです。 さらに、Sealion 05 EVには全グレードでDi Link 100と呼ばれるスマートコクピットシステムを採用。DeepSeekとの統合も含めて、音声認識や将来にわたるOTAアップデートに対応します。 また、God’s Eye […]

TAG: #SUV #新型車
TEXT:高橋 優
BYDがまさかの水平対向エンジンを搭載! 誰も追いつけないバカッ速セダン「U7」の驚異の中身

BEVとEREVをラインアップ BYDの高級ブランドYangwangがフラグシップセダンのU7を発売しました。世界初となる完全な電磁サスペンションを採用しながら、中国メーカーとしては初めてとなる水平対向エンジンも採用するレンジエクステンダーシステムを開発。EV時代に世界をリードしているBYDの最前線を解説します。 まずYangwangについて、すでに大型SUVのU8、スーパースポーツのU9を発売中です。U8はレンジエクステンダーEV(EREV)であり、4輪にそれぞれモーターを搭載することでタンクターンなどを可能とする「e4プラットフォーム」を採用。さらに、「Disus-P」という独自内製の油圧制御サスペンションを採用することでオフロード走破性能を高めることに成功。そのうえ、緊急フロート機能では、30分間、水上を浮遊しながら、タイヤの駆動力を使って移動することが可能です。 U8は、2024年シーズンに7245台を発売することに成功しました。U8は109.8万元(約2200万円超)という超高級車であり、この販売台数はメルセデス・ベンツGクラス(5258台)とメルセデスAMG G(1863台)の合計や、レクサスGX(2990台)とLX(2674台)の合計台数と比較しても上まわっているという売れ行きです。 次に、U9はe4プラットフォームを採用しながら、さらにDisus-Xと名付けられたボディコントロールシステムを採用することで、サーキット走行などにおける車両の安定的な制御をはじめとして、タイヤがひとつ外れた状態でもボディを安定させて走行させることが可能です。 また、最高出力960kW、最大トルク1680Nm、0-100km/h加速も2.36秒を実現。ニュルでも7分17秒9というタイムを実現するなど、高い運動性能を発揮します。 そして、今回発売したのがフラグシップ大型セダンのU7です。U8・U9と同様にe4プラットフォームを採用したBEVであるとともに、EREVもラインアップ。 このラインアップ構成で問題となるのが、50kWh以上の電池パックと4つのモーター、そして発電用の内燃エンジンをすべて搭載して、そのうえでセダンとしてのプロポーションを維持する必要があり、スペース効率を引き上げる必要があるという点です。 そして、BYDが初めて採用したのが発電用水平対向エンジンです。現在水平対向エンジンはポルシェとスバルくらいしか開発しておらず、中国メーカーとしては初めて採用してきました。水平対向エンジンの強みは、高さを抑えることによって、そのぶん重心点を引き下げられる点です。 その一方で、BYDがなぜ重心の低いEVのために、わざわざ水平対向エンジンを開発してきたのかというと、ボンネットの高さを抑えるためという点が挙げられます。U7はセダンでありながら、フロントにモーターをふたつ搭載する必要があり、高さ方向を抑えないとセダンとして成立しなくなるからです。 もちろん前面投影面積を抑えることは、EVの航続距離を改善するうえで極めて重要です。実際にU7は、空力性能を最大化することでCd値は0.195を実現しており、世界最高クラスの空力性能を誇ります。 いずれにしても、e4プラットフォームと空力に優れるセダン、そしてBEVとEREVを両方ラインアップする必要があるという点をすべて両立させるために、水平対向エンジンを一から設計開発する必要があったのです。

TAG: #セダン #新型車
TEXT:TET編集部
495万円からのプライスでこの性能と装備はヤバい! 国産SUVキラーのBYD「シーライオン7」が登場

 RWDとAWDの2タイプをラインアップ BYD Auto Japanは2025年4月15日、最新クロスオーバーSUV型EV「シーライオン 7」の国内販売を開始した。 価格は「シーライオン7」が495万円、「シーライオン7 AWD」が572万円。アッパーミドルSUV市場を席巻しそうな価格設定と充実装備で、早くも注目を集めている。 「シーライオン 7」は、2024年に日本上陸を果たした電動セダン「シール」をベースに開発されたクロスオーバーSUVだ。ボディサイズは全長4830mm、全幅1925mm、全高1620mm、ホイールベース2930mmと堂々たるプロポーションを誇り、Dセグメントらしい広々とした室内空間を確保している。 搭載されるのはBYD自社開発の「ブレードバッテリー」。容量は82.56kWhで、航続距離はRWDモデルが590km、AWDモデルでも540km(いずれもWLTCモード)を確保。さらに、最大105kWの受電能力を誇り、30分で約80%までチャージできる高性能仕様だ。 パワートレインは後輪駆動(RWD)と四輪駆動(AWD)の2種類を用意。RWDモデルはモーター最高出力230kW、最大トルク380Nmを発生し、0-100km/h加速は6.7秒。AWDモデルは前後モーターによるシステム合計390kW・690Nmのハイパワーを誇り、驚異の0-100km/h加速4.5秒を実現している。

TAG: #SUV #新車 #輸入車
TEXT:TET 編集部
全国41番目の正規ディーラーがオープン! 三重県内では四日市に続き2店舗目となる「BYD AUTO 松阪」

伊勢志摩エリアからもアクセス抜群の新店舗 BYDの正規ディーラー「BYD AUTO 松阪」が、4月26日(土)にオープンする。運営するのは愛知県に本社を構えるエフエルシーで、全国で41店舗目、三重県内では四日市に続く2店舗目のショールームを備えた正規ディーラーとなる。 BYD AUTO 松阪は、松阪市内でも有数のディーラー街にあたる国道166号線沿いに位置し、伊勢自動車道「松阪インター」からはクルマで約15分程度でアクセスが可能な場所に店舗を構える。 ショールームには、オープン直前に発売されたばかりのクロスオーバーe-SUVの新型車「シーライオン 7」をはじめ、シール、アット3、ドルフィンといった現在BYDが日本に導入しているすべてのEVモデルが展示される。 店内はほかのBYD正規ディーラーにならい、白を基調とした清潔感とゆとりを感じさせる心地よいショールームに仕上げられているという。 また、専任のセールススタッフに加え、BYDアカデミーでBYDのEVに関して高度なトレーニングを受けたサービススタッフも常駐し、松阪市や津市、さらに伊勢・志摩エリアなどの周辺地域のEVライフを力強くサポートしていくという。 ■BYD AUTO 松阪 所在地:〒515-2121 三重県松阪市市場庄町1148-1 開業日:2025年4月26日(土) 営業時間:10:00~19:00 定休日:水曜日(年末年始、祝日を除く) 電話番号:0598-20-8080

TAG: #BYD #ディーラー
TEXT:高橋 優
コスパで比較するとEVはヒョンデが圧倒! スズキやホンダの新EV登場でますます激化する日本の電気自動車市場

BYDがATTO 3とドルフィンの値下げを実施 BYDが2025年度にさらなる販売攻勢を仕かけるためにドルフィンとATTO 3の値下げを実施しました。補助金を含めた実質の値段設定も含めて、競合のEVなどと競争力を比較します。 まずBYDジャパンは2022年7月に日本市場に正式に参入を表明しながら、2023年1月にコンパクトSUV「ATTO 3」を発売。さらに9月中に2車種目のコンパクトEV「ドルフィン」を発売。また、2024年6月中に、ミッドサイズセダンの「シール」を発売。そして、2024年4月15日からはミッドサイズSUVの「シーライオン7」を発売しました。 その一方で、BYDジャパンは2025年に突入してから最初の2カ月間で215台の乗用車を発売したものの、前年同四半期では318台を販売しており、前年比32%以上のマイナス成長に留まっています。また、シールの1000台の初回限定モデルはいまだに売れ残っています。いずれにしても、販売増加のためにさらなる販売戦略の更新の必要性に迫られていたのです。 そして、このような背景においてBYDジャパンが新たに発表してきたのが、価格戦略のアップデートです。具体的にはATTO 3とドルフィンの値下げを実施しました。まず、現在450万円のATTO 3は32万円値下げされ、418万円となりました。さらに、ドルフィンロングレンジは33万円値下げされて、374万円を実現。そして363万円という通常グレードはラインアップから落ち、Baselineという新たなエントリーグレードを設定。このBaselineの値段設定は299.2万円となり、実質的に63.8万円もの値下げを行ってきた格好となります。 BYDジャパンは、今後の車種展開に備えて商品ポートフォリオを最適化すると説明しており、今後投入されるシーライオン7と新型PHEVモデルには、新たな価格基準で値段が設定されることから、さらなるコスパのよさを期待可能でしょう。 それでは今回の値下げによって、具体的にどれほどコスト競争力が高まったのかについて、とくに競合となる韓国ヒョンデのインスターやコナなどと比較検討したいと思います。 まず、ドルフィンロングレンジとATTO 3が該当するコンパクトセグメントの競合車種として、ヒョンデ・コナVoyageグレードと比較しましょう。 ドルフィンロングレンジは、日本WLTCモードで476kmを確保しながら85kWの急速充電に対応、2700mmというゆとりのホイールベースを確保して374万円で発売中です。ATTO 3も470kmの航続距離、85kW急速充電、そして418万円からという値段設定です。 その一方で、ヒョンデ・コナは625kmというゆとりの航続距離を確保しながら、466リットルというトランク容量と27リットルのボンネット内収納を確保。そして値段設定が452.1万円と、値段だけをみるとATTO 3比でわずかに割高に見えます。 ところがヒョンデは2025年度の補助金において67万円を適用可能となり、これにより実質の値段設定でATTO 3とまったく同等となります。それでいて航続距離が150km以上も長いことから、コナのコスト競争力の高さが際立つのです。

TAG: #値下げ #新車購入
TEXT:桃田健史
中国にはBYD以外にも多数のEVメーカーが存在! BYDの成功で日本に押し寄せることはある?

Zeekrが日本参入を表明 まさか、ここまでBYDが一気に日本市場に浸透するとは。そう思っているユーザーは少なくないだろう。 BYDは、まだコロナ禍だった2022年7月に、日本市場参入を発表。その時点では「BYDって何?」「中国車の性能はどうなの?」「ちゃんとメンテや補償はしてくれるの?」といった、ユーザーやメディアの声があった。 ポジティブ、またはネガティブというより、未知の領域というイメージを、多くの人が中国車に対してもっていたといえるだろう。 その後、BYDは横浜赤レンガ倉庫を起点とした「ATTO 3」の期間限定試乗会とあわせて、日本への投入予告として「DOLPHIN」と「SEAL」を展示して話題を呼んだ。全国各地にディーラー網が徐々に拡大していき、有名女優によるテレビCMが流れるようにもなった。 直近では、東京お台場で1月24日、乗用車・商用車部門合同の事業方針発表会を実施して、日本市場での事業ロードマップを披露している。 このように、ふと気がつくとBYDが日本の街なかを走ることに違和感がなくなってきている状況だ。むろん、ユーザーの間でBYDの商品性に対して賛否両論あることは当然だ。これからは、長期間所有した際の車両性能、そしてリセールバリュー(中古車価格)など、ユーザーのBYDに対する関心事が広がっていくことになる。 こうしてBYDが切り開いた、日本における中国車枠は今後、どう変化していくのだろうか。BYDに次ぐ中国メーカーが日本市場に続々参入する可能性はあるのだろうか。 現時点で正式に日本参入を表明しているのは、Zeekr(ジーカー)だ。2025年にSUVやMPV(マルチパーパスビークル)を皮切りに販売計画を練っているところだ。 すでに一部の日本メディアが中国で実施されたZeekrの商品説明会を取材しており、Zeekrの企業として、また商品としてのポテンシャルの高さが紹介される記事が出まわっている。 また、中国地場大手の第一汽車に関連して、高級ブランド・紅旗(こうき)を国内販売する動きがあったが、今後の動向について具体的な方向性は確認できていない。 そのほか、中国メーカーといえば、上海汽車、東風汽車、長安汽車、吉利汽車、長城汽車などがあるが、こうした従来型のメーカーが日本市場へ参入する可能性はあまり高くないように感じる。 一方で、ベンチャー企業では日本市場に対して斬新な手法で参入することも考えられなくはない。たとえば、IT関連産業を手掛けるシャオミなどだ。 いずれにしても、企業活動の枠を越えた、日本と中国の政治的な2国間協議を踏まえると、中国車の日本参入動向を予測することは現時点で極めて難しいといわざるを得ない。

TAG: #メーカー #中国
TEXT:高橋 優
またもBYDがやってくれた! 高級ブランド「Denza」のフラッグシップSUV「N9」が驚異の安さで爆誕

Denzaの大型SUV「N9」が発売 BYDの高級ブランドDenzaがフラグシップ大型SUVのN9の正式発売をスタート。タンクターンや4.65mの最小回転半径、エルクテスト時速85km超などというスペックを実現してドイツ御三家との競争が激化するという最新動向を解説します。 まず、中国BYDの高級ブランドであるDenzaは2010年にメルセデス・ベンツと合弁して立ち上がった高級ブランドだったものの、これまで目立った実績を上げることができていませんでした。そこでBYDは、メルセデス・ベンツとの合弁比率を大幅に見直して9割のシェアを獲得しながら、2024年中にもBYDが完全子会社化を完了することで、BYDの高級ブランドとしてリブートさせた格好です。 このグラフはDenzaの月間販売台数の変遷を示したものです。ミニバンEVのD9を中心に、ミッドサイズSUVのN7、さらにフラッグシップセダンとなるZ9とZ9GTも投入しました。 とくにZ9GTから採用されたe3プラットフォームでは、最高回転数が2万1000rpmの高性能モーターを3つ搭載するというトライモーター仕様、高効率なセルトゥボディ、後輪操舵機能を組み合わせた最新システムです。また、PHEVモデルでは熱効率44.13%を実現する2リッターのPHEV専用エンジンも搭載されています。 よってZ9GTは最高出力640kW、最大トルクも1035Nm、最高速も230km/hとパフォーマンス性能を向上させながら、WLTCモードにおける燃費性能は6.6L/100kmを実現。これはメルセデス・ベンツEクラスの2リッターエンジンを搭載するPHEVと同等の燃費ですが、Eクラスは313馬力しか発揮することができないものの、Z9GTのPHEVバージョンは870馬力を発揮可能です。 そして、今回Denzaが発売をスタートしたのがN9と名付けられた大型SUVの存在です。N9は全長5258mm、全幅2030mm、全高1830mm、ホイールベースが3125mmという、3列シートを搭載する大型SUVのPHEVです。 e3プラットフォームを採用することで、最高出力680kW、最大トルク1035Nmを発揮。それによって0-100km/h加速も3.9秒を実現しています。また、47kWhもの大容量バッテリーを搭載することによって、EV航続距離はWLTCモードで145kmを確保。最大100kW級の急速充電に対応しながら、V2L機能も6kWをサポートしています。 さらにDisus-Aと名付けられた、BYD独自内製の連続可変ダンピングコントロール付きデュアルチャンバーエアサスペンションを標準搭載。最低地上高も220mmを確保しながら、最大渡河性能も550mmと、本格オフロードSUVとしての悪路走破性も実現しています。さらに、最小回転半径も4.65mと、全長5.2m超えの大型SUVとしては思えない取りまわしを実現。安全性という観点でも9つのエアバッグを標準搭載しながら、高張力鋼の配合割合も90%超、最大2000MPaもの超高張力鋼も採用することで堅牢性を確保しています。 そのうえ、安全性という観点に追加して、3つのモーターを制御することによって、時速180kmでタイヤがパンクしたとしても安全に停車可能。さらに、時速144kmでカーブを走行していたとしても安全に停車可能という、その優れたモーター制御システムもアピールされています。 自動運転については、God’s Eye Bと名付けられたLiDARとNvidia Drive Orin-Xプロセッサーによって、信号の右左折やラウンドアバウト、障害物に対する回避挙動などを含めたシティNOAに対応可能です。 インテリアには17.3インチの巨大なセンタースクリーンや助手席、2列目向けのディスプレイも搭載しながら、シートマッサージなどに対応する高級ナッパレザーシートを採用。フランスのDevialet製の26スピーカーシステムや冷温庫も搭載しています。このようにして、現在ますます激しさを増すプレミアムセグメントのEVとして、現状考えられうる装備内容を完全網羅してきているのです。

TAG: #Denza #N9 #SUV #新型車
TEXT:TET 編集部
このご時世にあえて値下げに踏み切り300万円以下で狙えるEV登場! BYDがより身近に感じられる価格改定に踏み切った

創業期から成長期へ移行するBYDの戦略的価格見直し 「eモビリティを、みんなのものに」を創業時からの企業スローガンとしているBYD Auto Japan(以下、BAJ)は、1月に開催したBYD事業方針発表会のなかで、今後を「創業期から成長期」に移行する時期として以下の活動目標と約束を宣言した。 BAJの今後の活動目標は次のとおり。 ①:さらなる認知獲得のための「話題づくり=コミュニケーションの強化」 ②:お客さまに安心をお届けする「拠点づくり=販売店ネットワークの拡大」 ③:クルマの電動化社会と日本の低炭素社会を推し進めるための「実績づくり=プロダクトの拡充」 続いて「BAJの3つの約束」として宣言された内容は次の通りだ。 ①:多くの人々のeモビリティへの移行をサポート ②:さらなる電動車両の普及を促進 ③:日本の政府目標(CO2排出削減)の達成に貢献 これらは、BAJのいわゆる経営方針として捉えることができ、今後の中長期的な車種展開に備え、商品ポートフォリオの最適化を進めるとしている。 それらを受け、BAJは日本国内におけるBYDラインアップのうち、SEAL(シール)を除く2車種3グレードについて、4月1日から値下げ方向での価格見直しを図った。これにより、BYDを身近に感じてもらい、次の愛車購入候補にBYDが選ばれる環境を整えるのが目的だとBAJはアナウンスしている。 アンダー300万円のドルフィンが通常ラインアップ化 コンパクトEVの「DOLPHIN(ドルフィン)」は、従来エントリーグレードを担っていた車両本体価格363万円の「ドルフィン」を廃止。かわりに、昨年11月にドルフィンの日本発売1周年を記念して発売された限定車「ベースライン」と呼ばれるグレードが通常ラインアップに加わった。 ベースラインは300万円以下で買えるEVとして注目を集めたが、通常ラインアップ化された今回も299万2000円という値ごろ感のある価格設定を維持した。これによりドルフィンの通常エントリーグレード価格は一気に63万8000円も安くなったのだから、ライバルは戦々恐々としていることだろう。 また、ドルフィンの上級グレードにあたる「ロングレンジ」も、今回を機に従来価格から33万円安となる車両本体価格374万円に変更された。 もう1車種、BYDのミドルサイズSUV「ATTO 3(アットスリー)」も価格見直しの対象となり、従来価格から32万円安の車両本体価格418万円と発表されている。 物価高騰と為替の兼ね合いから、値上げ方向の価格見直しが相次ぐなかでのBYD値下げの動き。よりEVが身近に感じられる手ごろな価格設定となり、消費者としては歓迎的な変更ではあるが、その一方でライバルメーカーにとっては脅威に映るかもしれない。

TAG: #ATTO 3 #BYD #ドルフィン
TEXT:TET 編集部
ドライブレコーダーにETC車載器にカラオケマイクもついてくる!? 4月15日発売のBYD新型クロスオーバーSUV「シーライオン 7」の事前予約開始

初期購入特典は「カラオケマイク」!? BYDは、日本国内に導入するバッテリーEV(BEV)の4車種目となるクロスオーバーSUV「SEALION 7(シーライオン セブン)」について、3月15日から全国のBYD正規ディーラーで事前予約の受付を開始した。 シーライオン 7は、同社のコンパクトEV「ドルフィン」、スポーティEVセダン「シール」と同じく、BYDの「海洋シリーズ」と呼ばれる海洋生物の自由さや美しさから着想を得たデザインを採用しており、伸びやかでエレガントな外観が特徴的なクロスオーバーe-SUVだ。 モデルラインアップは、後輪駆動(RWD)のベースモデル「シーライオン 7」と四輪駆動(AWD)の「シーライオン 7 AWD」の2種となる。 AWDは230kWのリヤモーターに加え、フロントに160kWのモーターを備えることで、SUVでありながら0-100km/h加速は4.5秒という俊足の持ち主だ。 駆動用バッテリーには、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを刃(ブレード)型に成形した「ブレードバッテリー」が採用されている。これは安全性が高く、最新のバッテリー熱管理システムを用いることで卓越した充放電能力を備えたと謳われるBYD自慢のバッテリーだ。そして、「CTB(Cell to Body)」と呼ばれる技術で、バッテリーを隙間なく効率よく車体構造の一部として搭載することで、高い安全性と効率性、快適な室内空間を実現したという。なお、航続距離は前後にモーターを搭載するAWDが540km、後輪のみのRWDが590kmとなっている。 全国メーカー希望小売価格や詳細な仕様については、4月15日の正式発表・発売まで待たねばならないが、感度の高いEVファンでなるべく早期にシーライオン 7を手に入れたいという方は、この事前予約を利用してみてはいかがだろうか。 また、事前予約期間を含む6月30日までの間にシーライオン 7を成約し、車両登録を完了したオーナーにはドライブレコーダーとETC車載器のほか、ACタイプV2Lアダプターまたは車載カラオケマイクが初期限定購入特典としてプレゼントされるというから、買い得度も高く一層事前予約を利用する価値が高まる。詳しくは、BYD正規ディーラーに相談してもらいたい。

TAG: #BYD #キャンペーン #シーライオン 7 #新型車情報
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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