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ボルボが全世界販売台数でやや苦戦するなかフラッグシップ「EX90」「ES90」を日本投入! 電動化戦略の今後を予測!!


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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さまざまなサービスの提供で販売規模の拡大を目指す

一方、EX90には確認すべき課題もあります。初期の欧州仕様は400Vシステムを採用していましたが、充電性能が期待を下まわったことなどから、早い段階で800Vシステムへ変更されました。日本には、この改良後のモデルが導入されています。

ボルボEX90の充電

ただしボルボは、日本のCHAdeMO規格における具体的な充電性能を明らかにしていません。既存の400V急速充電器でどこまで出力を引き出せるのか、今後設置が始まる1000V級充電器に対応できるのかは、フラグシップEVとして重要な確認事項です。

3列目の広さについても、ボルボは身長170cmの乗員が快適に座れると説明していますが、裏を返せば、体格の大きな大人が長時間乗車する場合には、一定の制約がある可能性があります。

ボルボEX90の3列目シート

EX90は日本では大型SUVに分類されますが、ホイールベースは3m未満です。3列目を含めた室内空間については、さらに大型のフルサイズSUVというより、テスラモデルY Lなどに近いパッケージを想定する方が適切でしょう。

そして、ボルボ全体の販売環境は決して楽観できません。2026年第2四半期の世界販売台数は前年同期比5.5%減となりました。前年の2025年第2四半期も11.6%減だったため、販売減速が2年続いている格好です。
地域別では欧州とその他地域が前年同期比2%増、アメリカも4%増と前年を上まわりました。しかし、中国市場は35%減と大幅に落ち込み、市場全体の減速を上まわる販売減少に直面しています。

ボルボの地域別販売台数

中国でもEX90とES90の販売が5月末から始まりましたが、EX90の6月販売台数は45台に留まりました。すでに36.5万元、日本円換算で約875万円もの値引きが行われているにもかかわらず、販売増加にはつながっていません。中国では現地メーカーの高級EVが急速に商品力を高めており、欧州ブランドというだけでは選ばれにくくなっています。中国事業の立て直しは、ボルボにとって短期的な最大の課題といえるでしょう。

その一方で、電動化そのものは着実に進んでいます。2026年第2四半期におけるボルボの世界販売のうち、BEV比率は25%に到達しました。XC60 PHEVや中国専売のXC70などを含むPHEVも25%を超えています。つまり、現在ボルボが世界で販売する新車の2台に1台以上がBEVまたはPHEVです。販売総数は減速しているものの、ブランド内部のEVシフトは確実に進んでいます。

ボルボのEV販売台数シェア

今後の大本命となるのが、主力のXC60に相当する電動SUV「EX60」です。EX60の大規模な納車が欧米で始まれば、現在25%のBEV比率はさらに上昇する可能性があります。

日本におけるEX90とES90の販売は、単にフラグシップEVを増やすだけではありません。充電無料、長期保証、残価保証のうち、どの施策が実際の購入判断に効果を発揮するのかを検証する機会にもなります。そこで得られた結果は、より販売規模が期待されるEX60の国内導入戦略にも反映されるはずです。

ボルボEX60のフロントスタイリング

世界販売の減速と中国市場での苦戦に直面するなか、ボルボは電動化を止めるのではなく、SUVとセダンのデュアルフラグシップによって、既存ユーザーのEV移行を促そうとしています。EX90とES90が日本でどれほどの需要を獲得できるのか。そして、その販売戦略を中核モデルのEX60へどのようにつなげるのか。ボルボのEVシフトが販売回復の原動力となるのか、今後の動向に注目です。

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