プレミアムEV市場の新たな基準となるか
ただし、国内へのローカライズで気になるのが800V充電器への対応です。iX3はBMW史上初となる800Vシステムを採用したEVであり、チャデモ規格の800V充電器への適応や400V充電器との互換性は未知数です。とくに海外規格では最大400kWに対応しているものの、チャデモ規格でどれほどの急速充電性能を実現してくるのかは、iX3を長期で所有しようとするユーザーにとってはとくに気になる部分でしょう。
ちなみに、iX3の車重は2285kgと、テスラを除いた競合EVよりも軽量化が進んでいます。BMWは軽量化のために新世代の円筒型セルを採用し、生産コストの低減とエネルギー密度の向上を実現。バッテリーを大量に搭載することで、満充電あたりの航続距離を最大化し、これまでガソリン車を所有し続けたユーザー、とくにX3ユーザーを安心してEVに移行させようとしているのです。
日本市場におけるiX3の航続距離は、日本WLTCモードで900km前後に達する見通しであり、航続距離の長さを全面に押し出して、EVシフトが遅れている日本国内でもEV販売を加速させようとしてくるはずです。
このグラフは、日本国内の価格と航続距離の相関関係を示したものです。iX3はこれまで国内で発売されていたEVとは異なる立ち位置である様子が見て取れます。航続距離900km級という数値が、日本のプレミアムブランドを購入するようなユーザー層をどれだけ満足させることができるのか、X3とiX3のどちらが選ばれるのか、販売動向に注目です。
いずれにしても、まもなく日本で発売される新型iX3は、日本WLTCモードにおける航続距離900km級というEVの新たなベンチマークを確立することで、これまでガソリン車のX3を購入していたユーザーに安心してEVに乗り換えさせようとしています。
ちなみにiX3は欧州のエネルギーミックスにおいて、走行距離2.15万km走行した段階で同セグメントの内燃機関車よりもライフサイクル全体におけるCO2排出量は少なくなります。とくに再エネ電力のみで走行した場合は1.75万km走行した段階で、CO2排出量削減に寄与。車両性能だけでなく環境負荷という観点でも、ガソリン車と同等以上の完成度を実現しており、BMWのEVシフトに対する気概を感じます。
iX3の詳細な装備内容をはじめ、後発となるライバルのボルボEX60、メルセデスGLC Electricの最新動向など、プレミアム電動SUVセグメントの最新動向にはますます目が離せません。




















































