TET 編集部 記事一覧

トロント・ピアソン空港でテストしたEVのAWV(photo=アメリカン・ホンダモーター)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
“農道のフェラーリ”が空港内を疾走⁉︎……米ホンダ、EVの自立作業車を現場でテスト[2023.10.25]

農道のフェラーリこと「アクティ」を自動運転作業車に流用 小型の地上作業車のEV化で航空業界の脱炭素化推進に期待 【THE 視点】本田技研工業は、EVの自立作業車(AWV)のプロトタイプを、カナダ・トロント・ピアソン空港でテストしたと発表した。AWVを使用することで、空港の人員不足を補いCO2の削減にも寄与できるなど、空港作業車の新たな姿を示す。 AWVは、汎用型の作業車となる。車両にはGPSをはじめセンサーやカメラなどが備わり、設定されたルートを自立的に動くことができる。汎用型となっているのも特徴で、フェンスや敷地内の点検作業/敷地内の芝刈り/異物除去/荷物の運搬/タグカーの牽引といった作業に対応できる。 実際にフェンスの点検作業では、設定された検査ルートをその通りに走行ができた。カメラやセンサーの感度も良好で、障害物や他の車両を正しく検知し、回避/減速/停止が問題なくできたようだ。輸送作業でも、指定した位置の数cmに位置を合わせて停止できたとのこと。 このAWVの諸元は、長さ2,900×幅1,200×高さ1,400mm程度で、重量は約400kg、最大牽引能力は750kgで航続距離は45kmと発表されている。 公開された写真を確認すると、ホンダの軽トラック「アクティ・トラック」のパーツが使用されていることが分かる。フロントフェイスはカメラやレーダーといった検知機器が搭載されているため専用設計となっているが、荷台部分は「アクティ・トラック」そのものので、特に荷台のあおりやテールランプは完全流用だ。 自動運転でハンドルも必要ないことから、「アクティ・トラック」をベースにEV化し自動運転対応にしたものと思われる。残念ながら生産終了となってしまった軽トラックだが、遠くカナダの地で元気に活躍していることは感慨深い。 空港も脱炭素化が課題となっている。航空機の燃料にバイオマスや廃油由来の燃料「SAF」が用いられることが決定しているが、地上車両も脱炭素化を進めなければならない。 地上車両の多くはディーゼルエンジンで動いているためSAFを流用することも可能であろうが、小型車両は電動化した方が効率が良いかもしれない。移動距離も限られていることから、バッテリー切れの心配も少なくて済む。それこそタグカーには、着脱・交換式バッテリー「ホンダ・モバイルパワーパックe:」を活用できるはずだ。そこに自動運転技術も応用できれば人員不足の解消にもつながろう。 ホンダは、今後も開発を継続するためのパートナーを引き続き探しているという。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★三菱、ルノーグループのEV新会社に出資 ……ルノーグループが設立するEV&ソフトウェアの新会社アンペアへの出資を決定した。出資額は最大2億ユーロ(約320億円)。EVモデルの開発とラインアップの拡充を目指スト同時に、アンペアからのOEM供給も受ける予定。 ★★ステランティス、傘下ブランドに展開する商用EVバンを発表 ……傘下のブランドに展開する第2世代の商用EVバンを公開した。小型から大型までを用意し、大型の最高クラスには110kWhのバッテリーを搭載。最大420kmの航続距離となる。充電は最高出力150kWの急速充電に対応する。このEVバンは「フィアット・デュカト」「プジョー・E-パートナー」「ラム・プロマスターEV」などとして各ブランドから販売される。 ★★メルセデス・ベンツ、「EQA」と「EQB」の2024年型を欧州で発売 ……「EQA」は5万777.30ユーロ(約810万円)、「EQB」は5万3,514.30ユーロ(約850万円)から。購入後にワイヤレスで機能を強化することも可能だという。 ★伊藤忠・日立建機、欧州の建設現場の充電設備を整備へ ……建設現場向け可搬式充電設備事業について、伊藤忠商事/日立建機/Alfen B.V(オランダ)の3社は協業の覚書を締結した。EVの建設機械の販売や、可搬式充電設備のリユース・リサイクルといったビジネスモデルを検討していくという。 ★ジャガー・ランドローバー、EVのテストセンターを開設 ……イギリス・コヴェントリーのホイットリーにあるエンジニアリングセンターにEVのテストセンター「フューチャー・エナジー・ラボ」を開設した。次世代の「ランドローバー・ディフェンダー」「ディスカバリー」や、ジャガー用の電動ドライブユニットの開発を行なうという。 ★イベント「アバルト・デイ2023」の日程が発表 ……アバルトのオーナー向けイベント「アバルト・デイ2023」が11月18日(土)に開催される。場所はバイカーズパラダイス南箱根(静岡県田方郡函南町桑原1546-2)。EVのホットハッチ「アバルト500e」も展示されるとのこと。 ★「大阪・関西万博」仕様のEVバスが「JMS」に登場 ……EVモーターズ・ジャパンは、「ジャパン・モビリティ・ショー2023」(JMS)に出展する。「大阪・関西万博」に導入するEVの大型路線バス「F8シリーズ2-シティバス」を万博のラッピングありで展示する。 ★ブレイズ、外国人留学生に電動キックボードの安全を啓発 ……愛知県中村警察署が開催した「愛知大学留学生等に対する電動キックボード講習会」(10月20日開催)に参画。ブレイズの電動キックボード「きっこボードEV」を貸与したという。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.25]

TAG: #THE視点 #はたらくEV #自動運転
コンバージョンEVランドクルーザー60(photo=フレックス・トノックス)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
クロカンの王者もついにEV化……新旧の「ランクルEV」が「JMS」でお目見えだ[2023.10.24]

思い出と共に末長く乗り続けるためのコンバージョンEVプロジェクト トヨタもEVの「ランクル」を発表し時代と共に進化する姿を提示 【THE 視点】「ランドクルーザー」と「ハイエース」を専門販売するフレックスと、車体製造・特装車架装のトノックスは、「60系ランドクルーザー」(ランクル60)のコンバージョンEVを共同開発した。「ジャパン・モビリティ・ショー2023」(JMS)に出展する。 トノックスは、軽自動車からトラック・バスといった大型車両まで幅広い車種の車体製造と特装車架装を手掛け、年間3,000台を生産している改造のスペシャリストである。光岡自動車が「トヨタ・RAV4」をベースに開発したアメリカンテイストのSUV「バディ」の生産を請け負っているのも、実はトノックスである。 EVシフトが進む中、その生産・開発能力を組み合わせて特装車架装事業をさらに切り開くため、「ランドクルーザー」と「ハイエース」を専門販売するフレックスと「ランクル60コンバージョンEVプロジェクト」を2023年3月23日に発足した。 ユーザーのかけがえのない思い出の詰まった「ランクル60」をEVに生まれ変わらせることができれば、子・孫へと次の世代へ思い出ごと受け継いでいくことができる。また、人が実際にクルマに触れ言葉を交わしながらプロジェクトを進め、人とクルマの新しい関係性を模索することも、本プロジェクトのテーマだという。 種車となった「ランクル60」はボディが朽ちていた状態で、まずはレストアから開始された。その後エンジンを下ろしてEV化し、仕上げに塗装するといった作業工程だったようだ。 筆者もこれまでに古くなったトラックやバスの中古をEVにコンバージョンした経験を持つ。都市部では排ガス規制があり走行距離が少なくても走れなくなるため、EVに生まれ変わらせ使用するのだ。 この「ランクル60」は改造理由は少し異なるが、古い車をEV化して長生きさせようとする考えは一緒だ。一度キットを開発すれば、その後は同じ車型なら改造作業を効率化できるようになり応用も効く。 「ランクル60」ユーザーの中には、エンジンなどの老朽化に悩む人もいるかもしれない。エンジンごと延命できればそれに越したことはないだろうが、EV化して長生きさせるという選択肢もこれからは必要となってくる。 さらに「ランクルEV」といえば、トヨタも「JMS」で公式にEV「ランドクルーザーSe」(コンセプトモデル)を出展すると発表した。これで新旧の「ランクルEV」が会場に揃うこととなる。 「ランクル」は、新型が納期問題で入手が非常に困難であったり、70系がリバイバルしたりと話題には事欠かない。そんな中ついにEVの発表で注目度は抜群だ。トヨタのラインアップの中でも有数のロングセラーは、時代の変化に合わせながら未来を見据えている。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★MINI、「カントリーマン」を欧州で発表 ……SUVの新型EV「カントリーマンSE・オール4」を発表した。前後2モーター式のAWDで、最高出力230kW(313ps)/最大トルク494Nmを発生する。航続距離は433km(WLTP値)となる。 ★ボルボ、スウェーデンにソフトウエア・テストセンターを開設 ……約3億スウェーデン・クローナ(約41億円)を投資し新設した。センターの規模は2万2,000m2となる。EVの要となるソフトウェア開発能力を強化する。 ★エネチェンジ、設置口数が国内1位に ……ゴーゴーラボの調査により、国内の認証アプリ対応の普通充電の設置口数が1位となったと発表した。合計口数は発表していないが、2023年夏以降の1ヶ月で500口以上の充電器を設置したとのこと。 ★「BYD AUTO 水戸」が10月27日(金)オープン ……日本で15店舗目の正規ディーラーとなる(茨城県水戸市若宮1-3)。運営はARCが担当する。 ★日産、西宮市と連携協定 ……兵庫県西宮市/日産自動車/兵庫日産自動車/日産大阪販売の4者は連携協定を結んだ。災害時にEVを電源として活用するなど防災を強化する。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.24]

TAG: #THE視点 #コンセプトカー #コンバージョンEV
ホンダ・MEV-VANコンセプト(photo=福田 雅敏)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
集配用の軽EVも一歩前へ……着脱交換バッテリー方式の「N-VAN」をヤマトが実戦投入[2023.10.23]

太陽光由来の電力で充電・稼働させるエネマネを含めた実証実験 交換式の有用性を実証するために利点と難点を徹底検証せよ 【THE 視点】本田技研工業(ホンダ)とヤマト運輸(ヤマト)は、交換式バッテリーを用いた軽EVの集配業務における実証を2023年11月から開始すると発表した。群馬県内においてまずは1台を導入・稼働し順次増加させるという。 ホンダの着脱・交換式バッテリー「ホンダ・モバイルパワーパックe:」(MPP)に対応した「N-VAN」ベースの車両「MEV-VANコンセプト」を使用する。バッテリーの充電には再生可能エネルギー由来の電力を使用し、エネルギーマネジメントの検証も同時に行なう。 ホンダは現在「MPP」を活用した電動モビリティの普及に力を入れている。まずは自社向けの施策として、原付スクーターへ採用し一般販売したほか[関連記事はこちら<click>]、小松製作所(コマツ)にMPPユニットを供給し電動パワーショベルを開発・発売している[関連記事はこちら<click>]。 ヤマトは、「2050年温室効果ガス自社排出量実質ゼロ」および「2030年温室効果ガス自社排出量48%削減(2020年度比)」の実現に向けて、EVを2万台・太陽光発電設備810基・再エネ電力の使用率70%までの向上といった環境対策を進めている。 そんな両社はまず、軽商用EVの「N-VAN e:」(2024年春発売予定)をひと足早く集配業務に導入し実証実験を進めてきた。今回の実証は、それよりも一歩前へと進むものだ。 使用する「MEV-VANコンセプト」は「MPP」を8本搭載。日中に太陽光由来の電力で充電することにより、夜間などに一斉充電を行なうことで発生する電力使用のピークを緩和し、充電待機時間も削減するなどより効率的なエネルギーマネージメントが期待できる。 車両面の検証ももちろん行なう。以下が具体的な内容だ。 ・バッテリーレイアウトを含む集配業務における車両の使い勝手や航続可能距離などバッテリー交換作業と現場オペレーションの両立性 ・登坂時や積載量の多い場合など集配業務におけるさまざまな条件下で必要とされる動力性能 ・交換式バッテリー運用における各種基礎データの取得・検証・耐久性 ・集配業務における車速・アクセル・ブレーキなどドライバーの運転操作や空調による電力消費量、走行後の充電量や充電時間帯などの各種基礎データの取得 ・複数のEV運用を想定した充電オペレーションとエネルギーマネジメントの実現性 「MEV-VANコンセプト」のプロトタイプは、「スマートエネルギーWeek 春」で実車を見学している[詳細はこちら<click>]。単体としてはコンパクトな「MPP」でEVまで動かせるとは驚きである。ただし1.3kWh/個の「MPP」を8個搭載するので、バッテリーの総容量は10.4kWhとなる。正直なところEVとしては少ない。 その分、日中に交換が必要になるだろうが、1個あたり10.2kgあるバッテリーを8個交換するうえ、バッテリーの上に荷物がある場合は、それらを一度下ろすといった作業も必要となる。それでも充電するよりは交換の方が早く済むと思われるが、ドライバーの負担は増えることになる。 搭載する「MPP」の総容量は10.4kWhなので、太陽光発電の出力が10kWもあれば1~2時間程度で充電できる計算になり、1日2回の交換頻度なら対応できるだろう。再エネ電力の活用が本当に効果的かどうかも、この実証で明らかになるはずだ。ホンダの肝入り「MPP」の本格的な実戦投入と言えるこの実証で課題点を洗い出し、交換式バッテリーの有用性を証明してほしい。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★「ランクル」のEVコンセプトが発表 ……コンセプトEV「ランドクルーザーSe」がトヨタ自動車から公式に発表された。3列シートの5ドアモデルとなる。「ジャパン・モビリティ・ショー2023」(JMS)で公開する。また、EVのピックアップトラック「EPU」も初公開・展示する。 ★★トヨタ、テスラ方式を採用 ……2025年に販売開始するEVモデルにテスラの充電規格「NACS」を採用すると発表した。すでに販売した「CCS」規格搭載モデルのユーザーには、「NACS」の互換アダプターを提供するという。 ★★ランチア、新型のフラッグシップモデルを2026年に発売 ……全長4.70mのファストバックモデルになると発表した。ステランティスの「STLAミディアムプラットフォーム」を使用する。航続距離は700km以上になるという。 ★「JMS」にZEVエリアが展開 ……東京都は、ゼロ・エミッション・ヴィークル(ZEV)に特化した展示エリアを「JMS」に設ける。EVの試乗体験会を実施するほか、フォーミュラEのマシンのデモ走行も行なう。 ★「BYD・ドルフィン」が「エニカ」に導入 ……カーシェアリングサービスのエニカが、BYDのコンパクトモデル「ドルフィン」を新規導入した。9,200円から利用が可能。またBYDジャパンでは、エニカの利用が50%オフ(「ドルフィン」「アット3」が対象)になるメルマガキャンペーンを実施している。 ★フォロフライ、商用EVバンなどを「JMS」に出展 ……1トンクラスのEVトラックを開発・展開しているフォロフライは、1トンクラスのEVバン「F1VAN」と、その4シーターモデル「F1VS4」を「JMS」に出展すると発表した。 ★ヤマト・インダストリーとIAT、独自開発のEVを「JMS」に出展 ……2022年に資本業務提携を締結した両社が「JMS」に出展する。ヤマト・インダストリーは新ブランド「JEMY」で取り扱う商用EVバン「EV48」。中国新興のIATは、フルサイズのEVピックアップトラック「T-MAD」のコンセプトカーを展示する。 ★リマック、欧州での充電が無料に ……EVハイパーカー「ネヴェーラ」を製造・販売するリマックは、ヨーロッパ最大の急速充電ネットワークのアイオニティとの協力を発表した。ヨーロッパ24ヵ国に展開する同社のステーションの利用料金が8年間無料になる。 ★ステランティス、全電動モデルに旅行キャンペーンを実施 ……ステランティス傘下の全ブランドの電動車「EV/PHEV/MHEV」の購入者を対象に「カスタムメイドの旅」を用意する。JTBがプランニングを担当。購入車両に合わせて、充電プランなどを含めた旅を提案するという。10月7日(土)〜12月29日(金)までの購入者が対象。 ★ブレイズ、三輪スクーターのリースを開始 ……中古車のオークネットが展開する「法人・個人事業主向けEVバイクリース」で、三輪スクーター「EVデリバリー」の取り扱いを開始した。 ★BYD共同開発のポータブルバッテリーに新製品 ……デジタルデバイスのユーグリーンの代理店を務めるフォーカルポイントは、大容量ポータブルバッテリー「PowerRoam」の取り扱いを開始した。BYD共同開発のリン酸リチウムイオンバッテリーを採用し、容量は2,046Whとなっている。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.23]

TAG: #THE視点 #商用EV #実証実験
いすゞ・D-MAX(photo=いすゞ自動車)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
電気で走れ、いすゞのピックアップトラック……海外専売「D-MAX」にEVが登場予定[2023.10.20]

ZFのピックアップトラック向け駆動装置「リジッド電動アクスル」を採用か 日本で売れない理由はなく、いすゞ乗用モデルの国内復活に期待 【THE 視点】いすゞは10月6日、1トン積みピックアップトラック「D-MAX」の大幅改良モデルをタイで発表した。10月12日よりタイで販売を開始し、順次グローバルに展開していくという。加えてこの発表でEVピックアップトラックの生産・販売も表明した。 現行型の「D-MAX」は3代目にあたる。2019年10月のデビュー以来、力強いデザインと悪路走破性、優れた燃費性能などが高く支持されている。今回の大幅改良では、内外装デザインに磨きをかけ、世界中のユーザーから求められる幅広いニーズに対応することで、市場により適したピックアップトラックを目指したという。 「D-MAX」は、いすゞのグローバル戦略車として、アジア/欧州/中東/アフリカ/中南米/オセアニアなど100ヶ国以上の国と地域で販売されている。2022年度のグローバル販売台数は約34万台で、特に1トン積みピックアップトラック最大市場であるタイでは約18万台(シェア45%)を販売した人気モデルである。 タイのバンコクで行われた発表イベントに出席したいすゞの南真介COOは次のように述べた。 「いすゞは、カーボンニュートラル社会実現に向けて積極的に取り組んでいます。今後、タイにてバッテリーEVピックアップトラックの生産を計画しており、まずは欧州から導入し、タイを含め市場のニーズに応じて順次投入を検討していく予定です」 「EVピックアップトラック」との表明であったが、この会場で発表したということは「D-MAX」ベースのEVとみて間違いない。 詳細は明らかにされていないが、「エルフEV」のモーターがZF社のものだ。前にレポートした今年の「人とクルマのテクノロジー展」でのZFのブースにはピックアップトラック用の「リジッド電動アクスル」なるものが展示されていた。「D-MAX EV(仮)」には、このZFのものが採用されると推測している[関連記事はこちら<click>]。 これまでいすゞは、「東京モーターショー」に「D-MAX」を参考出品として展示してきた経緯がある。その時のいすゞの話では、「ディーゼルエンジンの排ガス規制の問題で日本に輸入できない」と言っていた。EVになれば排ガス規制は関係ないので「D-MAX EV」を日本で売れない理由はなくなる。 日本ブランドのタイ製のピックアップについては、トヨタが「ハイラックスRevo BEVコンセプト」を発表済み。三菱も新型「トライトン」発表の際に数年後にEVも発売することを表明している。「ハイラックスEV」に「トライトンEV」そして「D-MAX EV」が出そろえば、日本ブランドのEVピックアップトラックの熾烈なシェア争いが始まるだろう。 忘れてはいけないのが日本市場である。「ハイラックス」は日本に導入済みで「トライトン」が2024年初頭に日本導入予定。「ハイラックス」は人気モデルに成長し、それとともにピックアップトラック市場が日本でも盛り上がりつつある。 時間はかかるだろうが、筆者としては両車のEVモデルの日本導入を強く望んでいる。クルマとして魅力的で、「エコカー」ではなく「面白いクルマ」としてEVを定着させるためにも必要だと思うのだ。カナダへ旅行した際に見たEVピックアップ「リヴィアン」で覚えた高揚感が、日本のEVにもほしい[関連記事はこちら<click>]。 どのメーカーにせよ、EVピックアップトラックが日本導入となった暁には、ぜひいすゞにも参入してもらいたい。名車揃いであるいすゞの乗用モデルの国内復活を、期待せずにはいられないのだ。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ホンダ、EVの自動運転タクシーを国内展開へ ……本田技研工業・ゼネラルモーターズ・GMクルーズホールディングスが共同開発した自動運転専用EV「クルーズ・オリジン」を使用したタクシーサービスを2026年初頭に日本国内で開始する。東京都心部で数十台から開始し、台数と提供エリアを順次拡大予定。500台規模での運用を見込んでいるという。本車両は「ジャパン・モビリティ・ショー2023」(JMS)にも展示する。 ★★ホンダ、バッテリー交換式商用EVを用いた集配の実証実験を開始 ……本田技研工業とヤマト運輸が共同で実施する。車両は、EV化した「N-VAN」に着脱式バッテリー「ホンダ・モバイルパワーパックe:」を対応させた「MEV-VAN・コンセプト」を使用する。2023年11月から群馬県内で開始するという。車両は「JMS」にも展示する。 ★★ナビタイムのアプリからプラゴ充電器の予約が可能に ……ナビタイムが展開する「EVカーナビ by NAVITIME」から、プラゴの予約機能付き充電器の空き情報と充電予約が可能になった。無料で利用が可能。 ★ゼンリン、全国の充電スタンドの詳細情報を公開 ……特設サイト「EV充電スタンドマップ」を公開した。スタンドの位置/急速・普通の種別/出力/メーカー/料金/営業時間などが確認できる。 ★日産、コンセプトEV「ニッサン ハイパーパンク」 ……「JMS」に出展する第四弾のコンセプトEVとなる。SUVスタイルの車両で、多角形を用いた未来的なデザインとなっている。 ★トヨタ紡織、自動運転EVを「JMS」に出展 ……自動運転レベル4(機械主導の自動運転)に対応した電動モビリティを出展する。座席の配置を自在に変更できるライドシェアモビリティなどを展示する。 ★テラモーターズ、御殿場市の公共施設に充電器を設置 ……静岡県御殿場市と連携協定を締結した。御殿場市役所/御殿場地域振興センター/原里支所/玉穂支所/印野支所/高根支所に、最高出力6kWタイプの普通充電器を2基ずつ導入する。 ★「BYD AUTO 静岡」が10月20日(金)にオープン ……商業施設の「静岡モディ」<静岡市葵区>の1階にショールームを開設する。「アット3」と「ドルフィン」を常設展示。11月30日(木)までオープニングフェアを開催する。 ★デンカ、リチウムイオンバッテリー用材料の製造工場をタイに建設 ……バッテリーの材料となる「アセチレンブラック」(カーボンブラック)をタイで製造する。現地の企業と合弁会社を設立し、ラヨン県マプタプットに生産工場を建設する。 ★自動車向け半導体のインフィニオン、ヒョンデ・キアと複数年契約 ……炭化ケイ素(SiC)・シリコン(Si)パワー半導体の供給について複数年契約を結んだ。2030年までに両社向けの製造能力を増強するという。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.20]

TAG: #THE視点 #ニューモデル #海外ビジネス
グローバル・ハイエースBEVコンセプト(photo=トヨタ車体)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
商用車の真打が電動化……トヨタ車体、「ハイエース」のEVコンセプトを発表[2023.10.19]

トヨタの大型バン「グランエース」をベースにEV化 日本の商用車の代表選手がいよいよ電動化か 【THE 視点】トヨタ車体は、商用車「ハイエース」のEVモデル「グローバル・ハイエースBEVコンセプト」を発表した。「ジャパン・モビリティー・ショー2023」(JMS)で初公開する。先進的なデザインと大空間、使いやすさを兼ね備えた次世代EVバンとなる。 発表された特徴をまとめると以下となる。  ・多様化するドライバーに配慮(静粛性・乗降性・最小回転半径 5.5mといった取り回しの良さ) ・使いやすさの追求(フラットフロア・ウォークスルー・荷物を楽に移動できる専用カート) ・助手席エリアをカーゴスペースとし約3.5mの⾧尺物を積載可能 ・コネクティッドを活用した配達効率向上(配送ルートの最適化・次に配達する荷物の積載位置表示) 「グローバル・ハイエースBEVコンセプト」は、日本で市販されている「グランエース」がベースのもの。海外向けでは商用バージョンもあるので、それをベースにEVに仕上げたのだろう。 「グランエース」には、2021年の「箱根マラソン」や、2023年の「オートサロン」にも出展したFCEV仕様が存在する。先日のニュースでも取り上げたが、福島県の交通企業は、そのFCEVの「グランエース」のキッチンカーを導入した[詳細はこちら<click>]。 公開された「ハイエースBEV」のCGを見ると、「グランエース」譲りのスラントノーズはそのままに、フロントフェイスは「プリウス」のようなスポーティな意匠に変えられている。一方、ブラックのフェンダーは樹脂化したのだろうか、ラグジュアリーな「グランエース」とは違って全体的にどっしりとしたタフネス性を表現していると感じる。 パワートレインは、FCEVの「グランエース」からFCスタックや水素タンク、ハイブリッド用バッテリーを取り外し、代わりに容量を増やしたバッテリーを搭載してEVに仕立てたと思われる。 荷室は、従来の「ハイエース」とは大きく異なり、「ホンダ・N-VAN」に近いシートレイアウトと荷室の構成で、使い勝手が良さそうだ。ベース車のグランエースがボンネットバンでエンジンがフロント配置のため成立したレイアウトだろう。 これも想像だが、バッテリーは床下に敷き詰めていると思われる。「グランエース」は後輪駆動だが、「ハイエースBEV」もおそらく踏襲。FCEVの「グランエース」は、プロペラシャフトを介して後輪を駆動しているが、その方式を流用しているのか、「E-アクスル」(モーター/ギアボックス/インバータ一体型装置)を新たに採用しているのか、実車を見るまでは分からない。いずれにせよ、低重心化により走行安定性は高いだろう。 ボディサイズは、全長5,280×全幅1,950×全高1,990mmで、「グランエース」とほぼ同じ値。このボリュームはグローバルサイズで「HWエレクトロ・エレモ-L」「ルノー・E-テック・トラフィック」「ラム・プロマスターEV」「フィアット・E-デュカト」に近い大きさだ。 日本で本格的に普及させたいのであれば、現行の4ナンバーサイズの「ハイエース」をEV化することがベターであろうが、その名を冠したEVが登場したのは大いに歓迎したい。量産・市販化の可能性が高まったことに胸が躍る。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★「60ランクル」がEVに ……「ハイエース」「ランドクルーザー」専門店のフレックスと、特装車架装のトノックスは、「60型ランドクルーザー」用のEVコンバージョンキットを開発した。このキットを組み込みEV化した「60ランクル」を「JMS」に出展する。 ★★「BMW・i5」にツーリングワゴンを追加 ……新型「5シリーズ」のEVモデル「i5」にツーリングを追加すると欧州で発表した。2024年春に公開するという。ブランド初のEVワゴンとなる。 ★★シトロエン、廉価なEV「Ë-C3」を発表 ……ヨーロッパで発表。コンパクトSUVの新型EVとなる。最大容量44kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は320km(WLTP値)。価格は2万3,300ユーロ(約370万円)で、2025年までに1万9,990ユーロ(約320万円)の最廉価版も用意するという。 ★EV充電で“ポイ活” ……EV充電スタートアップのジェイボルトは、EV充電マップアプリ「ボルティ」のiOS版の先行提供を開始した。EV充電器の近くでチェックインをすることでポイントが貯まる。ポイントは「ナナコ」「ポンタ」「ファミペイ」などと交換が可能。 ★ホンダ、小型EVの汎用作業車をトロント・ピアソン空港で稼働 ……ホンダのEV作業車のプロトタイプが、カナダのトロント・ピアソン空港で稼働を始めた。汎用型の車両で、タグカー・エプロンの清掃・芝刈り・フェンス点検など様々な作業に対応することができる。 ★テラモーターズ、インドに進出 ……EV充電インフラのテラチャージは、インドに現地法人テラモーターズ・チャージング・ソリューションズPvt Ltdを設立した。10月6日より稼働を開始したという。インドにおいて充電インフラの拡充を狙うとのこと。 ★フォーミュラEのジャガーTCSレーシング、2024年シーズンのドライバーを発表 ……ミッチ・エヴァンスとニック・キャシディの2人を起用する。キャシディはエンヴィジョン・レーシングからの移籍。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.19]

TAG: #THE視点 #コンセプトモデル #商用EV
「日産・サクラ」の給電で給水システムの稼働を確認(photo=日産自動車)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
EVさえあれば水が飲める!……日産・日立、ビル向けの自動給水ユニットを「サクラ」で稼働[2023.10.18]

約8,500人分の1日分の水分摂取量を「サクラ」1台で賄えることを証明 より人の命にかかわる災害対策に踏み込んだ利活用が可能に 【THE 視点】日産自動車/日立ビルシステム/日産自動車/日立産機システムの3社は、マンション・ビル向けの自動給水ユニットをEVの電源で稼働させる実証実験を行なった。 「サクラ」をフル充電させた状態から、給電限界の残電力10%となるまで連続運転。繋がれた日立産機の自動給水ユニット「ダイレクト・ウォーターエース」が、2万1,171Lの水を給水できた。8,468人分の1日の水分摂取量またはトイレ4,234回使用分の水量に相当するという。 日産と日立ビルシステムは、EVを建物の電源として活用するV2Xの普及を目指した取り組みを推進している。日立ビルシステムは、EVを非常時電源としてEVを活用できる点に注目し、EVからエレベーターに給電・稼働させるシステムを開発し、2023年7月に発売を開始した。 今回の実証実験は、より人の命に関わる水の問題に踏み込んだものだ。「サクラ」の電力で8,468人の1日分の水分摂取量を供給とは驚いた。バッテリー容量40kWhの「リーフ」の基準車であれば、その倍の量が供給可能と計算できる。 気になるのは排水で、今回の発表ではその情報については明記はない。しかし、もし排水ポンプを同じ「サクラ」の電源で別に駆動したとしても、数千人分の飲料水の供給能力は確保されるはずだ。 先日のデイリーでも触れたが、日立ビルシステムは、三菱自動車と共同で「アウトランダーPHEV」の使用済みバッテリーを活用したトレーラー型の移動可能バッテリー「バッテリーキューブ」を開発し、事業化を目指している[詳細はこちら<click>]。V2Xを介してエレベーターの稼働に成功したと発表しており、今回の給水システムの稼働もできると思われる。 今回の実験も含めて、エレベーターと水の供給がEVの電力で可能ということが証明された。災害時のEVの利活用の模索は今後も続くだろう。強力なバックアップ電源になることは間違いない。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ソニー・ホンダ、「アフィーラ」を日本公開 ……ホンダとソニーの合弁会社のソニー・ホンダモビリティは、ブランド第1号車の「アフィーラ」のプロトタイプを日本公開した。「アフィーラ」で動作するアプリケーションなどの開発施策「AFEELA共創プログラム」(仮称)も発表された。「ジャパン・モビリティ・ショー2023」(JMS)にも出展する。 ★★新興のエイム、超小型EVを「JMS」に出展 ……「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」にスポーツEV「エイムEVスポーツ01」を出展・デモ走行させた日本の新興エイムは、第二弾のEVとして2人乗りの超小型モビリティ「エイムEVマイクロ01」を開発。「ジャパン・モビリティ・ショー2023」(JMS)で初公開する。 ★★日本未導入の高級SUV「BYD・U8」が「JMS」で見れる ……BYDは、「JMS」の出展概要を公表した。日本導入または導入予定の3車種「アット3」「ドルフィン」「シール」に加えて、BYDの高級ブランド「ヤンワン」が展開する大型車SUV「U8」を出展すると発表した。 ★★日産、「JMS」にEVミニバンを出展 ……「JMS」に出展するコンセプトカーの第三弾「ニッサン・ハイパーツアラー」を発表した。史上初のミニバンタイプのEVで、電動のAWDシステム「e-4ORCE」を採用しているとのこと。 ★★「日産・リーフ」がアメリカで税控除対象に ……アメリカ・テネシー州生産の「リーフ」(2024年モデル)がアメリカの「インフレ抑制法」の基準を満たし、税金控除対象になったと発表した。3,750ドル(約56万円)の控除となる。 ★★オペル、新型「コルサ・エレクトリック」を欧州で発表 ……コンパクトハッチバックのEVとなる。最高出力115kW(156ps)のモーターを搭載し、航続距離は最大405km(WLTP値)となる。価格は3万4,650ユーロ(約546万円)で、月額169ユーロ(約2万7,000円)のリースプランも用意する。 ★ホンダ・いすゞ、FCEVトラックを「JMS」で初公開 ……共同開発しているFCEV大型トラック「ギガ・フューエルセル」を出展する。展示はいすゞのブースで行なう[関連記事はこちら<click>]。 ★トヨタ、ミニバンのEVコンセプト「カヨイバコ」を「JMS」に出展 ……近未来のミニバンを表現したコンセプトモデルとなる。単なる移動手段ではなく、車内を自由に使える空間と捉え、さまざまな拡張性を持たせているという。 ★ヨコハマ、EV用タイヤを「JMS」に出展 ……今秋から欧州に導入するEV専用の高性能タイヤ「アドバン・スポーツEV」を初展示する。ブースでは、EVの高重量化に対応するハイロードキャパシティ「HLC」についても紹介する。 ★コスモ、米国のリチウム資源開発事業に進出 ……アメリカに現地法人「Cosmo E&P USA Inc.」を10月16日付けで設立した。EV用のバッテリーに使われるリチウムを地下かん水から直接抽出する環境配慮型の手法を開発していくという。 ★ルノー、「メガーヌ・E-テック・エレクトリック」の販売が3万5,000台を突破 ……2023年の販売台数が3万5,000台を突破した。ルノーのEV全体の販売台数6万4,854台の54%を占め、欧州のEV市場でのシェアは2.2%となった。 ★パナソニック、インドの近距離移動交通向けのIT支援システムの構築を完了 ……三輪EVを活用したインドのラストマイル交通向けにシステムを構築した。10月より実証実験を開始しているという。インドでは大気汚染が深刻で、環境負荷の低いEモビリティの普及施策が進められている。 ★10年後の自動車業界は「雇用を維持できない」 ……調査会社のテクノポートは、自動車製造業の経営者・役員・経営企画の計103人に、EV普及に対する意識調査を行なった。約6割の企業が「EV普及により、10年後、今の雇用を維持できなくなる」と考えていることがわかった。打開策として58.6%の企業が「新市場開拓」を視野に入れていることもわかった。 ★EVは昼間に充電しよう! ……電力シェアリングとEVごはんは「EV昼充電推進協議会」を発足した。再生エネルギーの多くは、太陽光発電で昼間に作られることに着目。EVを昼に充電することで再生エネルギー使用の比率が高まり、CO2の削減効果を見込めることから「EV昼充電推進プロジェクト」を開始した。 ★和歌山県・南紀白浜空港の点検をEVで自動化 ……南紀白浜空港エアポート/マクニカ/NECの3社が共同で実施する。マクニカの自動運転EV「マクニカー-01」が指定区域を走行。走行中にドライブレコーダーで録画した動画をAIが解析し、路面の亀裂や損傷等を発見する試みとなる。 ★ヒョンデ、FCEVバスを発表 ……「バスワールド2023」<ベルギー・ブリュッセル/10月26日(木)〜11月5日(日)>で燃料電池式EV(FCEV)バス「イヴェコ・バス・E-ウェイH2」を世界初公開した。大型車大手のイヴェコと共同開発したもので、ヒョンデの水素エネルギーブランド「HTWO」のFCシステムとモーターを搭載したものとなる。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.18]

TAG: #EV利活用 #THE視点 #V2X
TEXT:TET 編集部
ついに電動サソリ降臨。発売間近の「アバルト500e」をフィアット500eと比べながらチェックしてみた

アバルト初のバッテリー電気自動車(BEV)となる「アバルト 500e(チンクエチェント・イー)」が、いよいよ10月28日に発売となる。サソリの毒を持つこのホットハッチを、「フィアット500e」と比べながらチェックしていきたい。 フィアット500eとの違い まず、ベースとなる「フィアット 500e」との違いを見てみると、全幅は1,685mmで両車同寸法なのに対し、全長は3,675mmとアバルト500eが45mm長く、全高は1,520mmとアバルト500eが10mm低い。これは、サソリの爪をモチーフにしたというフロントバンパーのアグレッシブな形状と、18インチホイールを履く足回りのセッティングの違いだろうが、より長く低くというスタイリングは、ホットハッチの王道を行っている。 パワートレーンでは、アバルト500eの強化されたモーターはベースモデル比31%アップの114kWを発生。トルクも7%強化された235Nmとなる。一方、バッテリーはフィアット500eと同じ42kWhのリチウムイオン電池を搭載し、航続距離はハッチバックで303km、カブリオレでは294kmとホットハッチ化によりフィアット版に比べて1割以上減少している。 肝心の価格は、ハッチバックの「アバルト500eツーリズモ ハッチバック」が615万円、カブリオレ版の「アバルト500eツーリズモ カブリオレ」は645万円とフィアット500eに比べ85万円~100万円ほど高価な設定だ。 現状ライバルは見当たらず。孤高の存在 ここまで読んでわかるように、アバルト500eは航続距離やお買い得度を気にして買う実用性重視のBEVではない。むしろ、そうした生活感のある物差しはかなぐり捨てて、デザインとサウンド、そして走りで選ぶモデルなのだ。 「BEVでサウンド?」と思われる方もいるだろうが、実は、アバルト500eのリアエンドにはサウンドジェネレーターが仕込まれており、内燃機関(ICE)モデルが搭載するスポーツエキゾーストシステム「レコードモンツァ」の排気音が忠実に再現される。ゆえに、ゼロエミッションながら刺激的なサウンドを楽しめるのだ。 さらに、走りについては、0-100km/h加速が7秒と、従来のガソリン車にほぼ並ぶタイムを実現。20-40km/h、40-60km/hの中間加速では、ガソリン車を約1秒も上回るというから、普段使いでの「速さ」は十分に体感できるだろう。 つまり、クルマ好きのパッション(情熱)に訴えるBEVに仕上がっているのがアバルト500eだ。現状では数千万円するようなハイパーカーでもない限り、こうしたBEVは存在しない。また、EVのオープンカーはかなりレアな存在なので、この点でもアバルト500eは孤高の存在といえるだろう。 >>>次ページ 200台限定でローンチエディションの発売も

TAG: #サソリ #ニューモデル #ホットハッチ
メルセデス・ベンツ・トラクス・eアクトロス600(photo=ダイムラー・トラックス)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
トラック野郎も納得の耐久性?……メルセデス・ベンツ、120万km乗れるEVトラックを発表[2023.10.17]

60万km以上走れば収益性を確保できると自信を見せる仕上がり 目先のエコを追いかけただけではない実用性重視の商用EV 【THE 視点】ダイムラー・トラックス傘下のメルセデス・ベンツ・トラックスは10月10日、長距離輸送に対応できるEVトラック「eアクトロス600」を正式発表した。 一度の充電で500kmの航続が可能という。欧州で定められている一日一回の法定休憩時に充電を行なえば、航続距離を1日あたり1,000kmに伸ばすことができる。総重量は44トンで、標準トレーラーでの最大積載量は約22トンとなる。今年中に販売が開始され、2024年末に量産開始予定だ。 モデル名にある「600」の数字は、最大容量600kWhを超えるバッテリー容量が由来。最高出力400kWの急速充電(CCS規格)に対応し、将来的にはメガワット充電 (MCS) も可能になるという。 価格は発表されていない。しかし従来のディーゼルトラックの2〜2.5倍のプライスで購入しても、5年間の保有もしくは走行距離60万kmを経過すれば、ディーゼルよりも高い収益を産むことができるとうたっている。 バッテリーの搭載量の詳細は、最大容量207kWhのバッテリーパックが3つで合計621kWhとなる。リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LFP)を採用し、耐用年数が長いことが特徴だ。 10年間の稼働で最大120万kmの距離を走行できるよう設計し、この条件下でもバッテリーの劣化状態(SOH)は80%を下回らないという。 その状態の使用済みバッテリーであれば、リユースバッテリーとしても十分に使用可能だ。加えて言うならば、この容量でV2Xに対応できれば、仮想発電所はもちろん災害時の緊急バッテリーとしても頼りになる。 パワートレインは、2つのモーターと4速のトランスミッションを備えた800Vの高電圧の「e-アクスル」(モーター・ギアボックス・インバータ一体型の駆動装置)を新開発した。 モーターは定格出力400kW・最高出力600kWで、高い加速性能と快適性などを実現しているという。 最大容量600kWhのバッテリーで500kmの航続が可能とは、かなりの効率である。高効率のパワートレインだけではなく、エアロダイナミクスの影響も大きいはずだ。 四角いボディではあるが、風洞実験を重ねて空力を検証しており、ボディの周りを空気が綺麗に流れるよう徹底的に検証・デザインをしている。セオリー通りのトラックのフロントフェイスに見えるが、どこかスタイリッシュで先進性を感じるのは、それらの機能性を極限まで追求した結果であろう。 「60万kmの走行距離で収益性が見込める」と、導入・運用コストの目安を示したことも自信の表れだろう。設計上走ることができる120万kmを走行して十分に元がとれるとは頼もしい。一過性の流行やエコの追求で発売したものではないとも受け取れる。 日本のEVトラックも、eアクトロスが示した耐久性に近づくことができれば、一気に普及するのではないだろうか。EVトラックのベンチマークが登場したと言えよう。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★トヨタ、JMSに出展するスポーツEVを一部公開 ……スポーツEVのコンセプトモデル「FT-Se」を出展するという。開発はトヨタのスポーツ部門のGazoo Racingが主導したようだ。一部公開された画像には、「GRスープラ」や「GR86」といったスポーツモデルに付くバッジ「GR」がつけられていることが確認できる。また、SUVタイプの「FT-3e」も出展する。 ★DMM、道の駅やガソリンスタンドへの充電器の導入を後押し ……急速充電器を無料で導入できるプラン「急速充電0円プラン」の提供を開始した。事業者向けのプランで、初期費用やサービスの利用料が無料となる。充電器の導入費用を事業者が負担する代わりに販売価格の一部を還元するプランも用意。 ★エネチェンジ、グランキューブ大阪に充電器を設置 ……大阪府立国際会議場「グランキューブ」<大阪市北区>に最高出力6kWタイプの普通充電器を1口導入した。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.17]

TAG: #EVトラック #THE視点 #ニューモデル
TEXT:TET 編集部
LCの電動バージョン登場か。レクサスがモビリティショーで披露するド級モデルの正体が気になる

10月26日に開幕するジャパン モビリティショー2023に、レクサスからすごいモデルが登場しそうだ。2035年までにバッテリー電気自動車(BEV)ブランドへと変革を目指すレクサスは、モビリティショーでどんな未来を見せてくれるのか。 メーカーが示す“限界”への挑戦 今回明らかにされたレクサスブースのテーマは、「Pushing the Boundaries of the Electrified Experience」(電動化体験の限界に挑む)。この言葉からも、電動モデルの高性能化を図った展示が行われることが予想できる。そして、そのテーマを具現化したとおぼしき1台のスポーツモデルの予告画像が公開された。 公開された画像は、コンセプトカーのフロント、およびフェンダー部分を見下ろした2枚のカット。低く構えたフォルムから、コンセプトカーは、低重心化を図ったスポーツモデルであることがうかがえる。 また、ヘッドライト、あるいはデイタイムランニングライトの点灯形状は、レクサス車特有のブーメラン型となっており、BEVとなってもレクサスのアイデンティティは変わらないことを強くアピールする。 さらに、ドアミラーがスタイリッシュな超小型タイプとなっているのは、カメラ方式のミラーを採用しているためだろう。 公開された画像のアングルが限られていることもあって、エクステリアの詳細までうかがい知ることはできないが、張り出しを強調したフェンダーの膨らみや、ブラックとシルバー系のツートーンと思われるボディカラーからは、このコンセプトモデルがプレミアムスポーツを指向していることは明白。位置づけとしては現在の「LC」の電動バージョンといったところだろうか。 >>>次ページ クルマ屋が創るBEVが具現化

TAG: #ジャパンモビリティショー #レクサス #未来のクルマ
「ニンジャ e-1」(カワサキモータースジャパン)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
漢カワサキ、電動化……バッテリー交換式のEVスポーツバイク「ニンジャ e-1」を発表[2023.10.16]

交換式バッテリーを採用した400ccクラスのスポーツEVバイク ストロングハイブリッド方式の「ニンジャ」も発表し電動に本腰 【THE 視点】カワサキモータースジャパンは、「ジャパン・モビリティ・ショー2023」で新型のEVバイクを世界初公開する。初公開モデルは全5機種あるが、そのうち2機種が電動モデルとなる。 「ニンジャ e-1」はバッテリー式のEVバイクとなる。車体のデザインは現行の「ニンジャ」シリーズを踏襲しているが、右後方にあったマフラーはもちろん取り除かれている。車体サイズは400ccクラスがベースとのことで、現行型の「ニンジャ400」と同等のボディと考えて良いだろう。 低速域で力強いレスポンスを持つ小型のモーターと軽量なフレームを組み合わせたことで、優れた加速性能と軽快なハンドリングを実現しているという。またEVならではの機能として、短時間の出力アップができる「e-ブースト」や、車両の取り回しをサポートする「ウォークモード」を備えている。従来のタンクに相当する部分はストレージボックスになっている。 バッテリーは交換式を採用した。家庭用コンセントから充電が可能で、1回の充電あたり72kmの航続距離を実現したとのこと。 400ccクラスのEVバイクに電池交換式を採用したのには驚いた。重い車体をコンセントの近くまで引き回さなくて良いので利便性が高まるだろう。バッテリーの供給は仏フォーシーパワーとパートナーシップを結んだ。 交換式バッテリーといえば、「ホンダ・モバイルパワーパックe:」がメーカーを超えて採用され、「ガチャコ」というバッテリーシェアリングサービスが徐々に開始されているが、おそらく容量の問題で採用されなかったのだろう。独自展開を見据えているのなら「CHAdeMO」への対応も期待したい。 ちなみにフォーシーパワーは、今年2月に日本法人とアフターサービスを担う「テクニカルサービスラボ」を神奈川県内に新設した。これまでに電動スクーター10万台に製品を供給してきた実績を持つメーカーでもある。日本では三井物産からの出資を受けるなど、今後の日本での拡販にも期待できる。 さらにカワサキは、もう一つの電動車として「ニンジャ7・ハイブリッド」を発表した(JMSに出展)。451ccの並列2気筒エンジンにモーターを組み合わせたもので、世界初のストロングハイブリッド方式のEVバイクだという。EVのみの走行も可能とのことだ。 量産・市販型本格スポーツEVバイクの先陣を、“漢カワサキ”が切ってみせた。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★「ハイエース」がEVに ……トヨタ車体は「ジャパン・モビリティ・ショー」で商用バン「ハイエース」のEVコンセプト「グローバル・ハイエースBEVコンセプト」を初公開する。デザインも現行型から一新し、ボンネット部分を前に出した「グランエース」のようなデザインを採用した。 ★★いすゞ、EVピックアップトラックの登場を予告 ……海外モデルのピックアップトラック「D-マックス」の改良型を10月6日にタイで発表した。それと関連し今後はタイでバッテリー式EVのピックアップトラックの生産を計画し、欧州から世界に順次導入するという。「D-マックス」のEVと考えて間違いないだろう。 ★★「VW・ID.5/ID.4」を本国でアップデート ……フォルクスワーゲンは、「ID.4」「ID.5」の改良を欧州で発表した。「プロ」と「GTX」のドライブシステムを刷新。GTXの最高出力は250kW(340ps)となり、0-100km/h加速は5.4秒とのこと。 ★アバルト、EVホットハッチ「500e」を発売 ……10月28日(土)より正規ディーラーで販売を開始する。価格は615万円から。発売記念車「スコーピオニッシマ」も200台限定で用意する。0-100km/h加速は「アバルト695」と同等の7秒だが、中間加速は1秒ほど速いという。 ★津市が公用車に小型EV「トヨタ・C+ポッド」を導入 ……三重県津市と三重トヨペットがパートナーシップを結んだ。三重トヨペットが「C+ポッド」を津市に貸与し、公用車として活用する実証実験を10月13日から開始した。 ★インフィニティ、EVの登場を予告 ……日産自動車の北米高級ブランドのインフィニティは、EVコンセプトモデル「ヴィジョンQe」を10月24日に発表するという。 ★アストンマーティン、EVプラットフォームのイメージを公開 ……床面にバッテリーを敷き詰めたプラットフォームで前後2モーター式のAWD方式が画像から確認できる。800Vの高電圧ユニットで、スーパーカーからSUVまで対応可能なモジュラープラットフォームだという。 ★BMW、米サウスカロライナ州にバッテリー工場を着工 ……高電圧バッテリーの組み立て工場をサウスカロライナ州ウッドラフに着工した。2026年に完成予定で、2030年までに6機種のEVの生産を開始する予定。 ★パナソニック、集合住宅向けの充電サービスを開始 ……パナソニック傘下のエレクトリックワークス社は、集合住宅向けのEV用充電サービス「レジチャージ」の提供を2024年1月から開始する。補助金を活用して充電器の導入を支援。EVユーザーは利用実績に応じて課金され、管理者には電気代相当額を還元するという。 ★ブガッティ・リマック、イタリアにR&Dセンターを開設 ……研究開発・イノベーションセンターを新規に開設した。パートナーやサプライヤーとの距離が近くなることで、迅速なサポート体制も構築できるという。 ★メルセデス・ベンツ、オフセット衝突実験で安全性を証明 ……「EQA」と「EQS SUV」の衝突実験を公開した。正面が半分ずれた状態で56km/hでオフセット衝突させた。ドアを開けられる状態が保たれバッテリーにも異常は見られず、高電圧システムも自動停止したという。 ★EVに雷が落ちても人間は安心とJAF ……日本自動車連盟(JAF)は、「日産・リーフ」で落雷(人工)実験を行なった。落雷後は起動しなかったという。異常電流を検知しセーフシステムが作動した可能性があるとのこと。タイヤからの放電痕は見られた。また、車内のマネキンには焦げ跡は見られなかったという。 ★浜名湖名物「うなぎパイ」の工場に従量課金の充電器 ……グリーンチャージは、「うなぎパイファクトリー」<静岡県浜松市>に従量課金方式の急速充電器を設置した。最高出力50kWで、最大60分の利用時間。クレジットカード他QRコード決済サービスが利用できる。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.16]

TAG: #EVバイク #THE視点 #ニューモデル
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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