THE EV TIMES

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名車がEVで蘇る。シトロエン「2CVコンセプト」がパリで示した、愛されるスモールEVの未来


TEXT:石井 啓介 PHOTO:石井 啓介
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かつての大衆車が現代のコンパクトEVに。シトロエン「2CVコンセプト」が切り拓く新しい日常

先日、フランスで開催されている「パリモーターショー2026」にて、私たちの胸を躍らせる1台のコンセプトカーが発表されました。ステランティス傘下のシトロエンが、2026年10月11日に世界初公開した「シトロエン 2CV コンセプト」です。かつて世界中で愛された名車「2CV」の姿と精神を、現代の小型EVとして蘇らせたこのモデル。単なる懐古主義にとどまらない、これからの私たちのEVライフを楽しくしてくれそうな魅力にあふれています。

パリでベールを脱いだ「2CVコンセプト」。1948年の名車がEVとして復活

オリジナルのシトロエン2CVは、奇しくも今から約80年前の1948年、同じパリモーターショーの舞台で初公開されました。その後、長きにわたって合計511万台以上が世に送り出された、シトロエンを象徴する歴史的な大衆車です。

今回発表された「2CV コンセプト」は、そのオリジナルが持っていた「手頃で実用的な移動手段」という思想を、現代の電気自動車という形で受け継いでいます。長年多くの人々に愛されてきたアイコニックなシルエットを纏いながらも、都市生活にマッチするAセグメントのコンパクトEVとしてデザインされています。最新の技術を詰め込みながら、どこかホッとするような親しみやすさを感じさせてくれるのは、さすがシトロエンならではのセンスです。

目標価格は約266万円。手軽さと実用性を極めた「みんなのクルマ」

そして、私たちが日常的に使うEVとして最も注目したいのが、その価格設定とコンセプトです。シトロエンは、このモデルの目標車両価格を1万5000ユーロ(約266万円)からに設定する構想を掲げています。EVというと、どうしても「高価で特別なクルマ」というイメージが先行しがちですが、この価格帯であれば一気に身近な存在になります。安さの秘密は、日常の移動に必要な機能だけに絞り込み、車両の軽量化と製造・修理のしやすさを徹底的に追求している点にあります。

かつての2CVが「非常に安価な農民向けモビリティ」としてフランスの生活を支えたように、新生2CVは現代の私たちにとって、近所のスーパーへの買い物や駅までの送迎といった「毎日の足」として活躍してくれそうです。気負わずに乗れて、しかも環境に優しく経済的。まさにEVライフのハードルを大きく下げてくれる「みんなのクルマ」と言えるでしょう。

2028年の市販化に期待。毎日の生活に寄り添う、等身大のEVライフ

現時点ではまだコンセプトカーの段階ですが、2028年には市販モデルが登場するのではないかと期待が寄せられています。最近のEV市場は、バッテリーの大容量化やハイスペックなプレミアムモデルが注目されがちです。しかし、私たちが本当に求めているのは、こうした「日々の暮らしに寄り添ってくれる、ちょうどいいEV」なのかもしれません。愛嬌のあるデザインと、お財布にも優しい価格。この新生2CVが街を走り出す日が来れば、日本のコンパクトEV市場にも新しい風が吹き込むはずです。

休日の朝、静かに、そして軽快に走り出す新しい2CVに乗って、家族と近所のカフェへ出かける。そんな等身大で心地よいEVライフの未来を想像させてくれる、素晴らしいコンセプトカーの誕生です。

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