10年の時を越えてEVで館山へ。房総へのオフ会が繋いだ「EVコミュニティ」の過去と現在、そして未来
EVの技術とインフラの進化がもたらしたEVライフの日常化と、メーカーの垣根を越えて広がるEVコミュニティ、そして10月に控える新たな出会いへの期待。EV総合研究所/Hyundai Motor Club JAPAN 副会長の杉本氏が感じたEVコミュニティの魅力と可能性をご紹介します。
2016年の「緻密な充電計画と大冒険」から、最新EVが並ぶ「当たり前の日常」へ
2016年、事前の緻密な充電計画を立てて初代日産リーフに乗る仲間と訪れた思い出の地、千葉県・館山。それから10年の時を経て、私は最新のヒョンデのEVに乗る仲間とともに再びこの場所へ向かいました。
時計の針を2016年に戻します。私の当時の愛車は24kWhの初代日産リーフ(ZE0型)でした。充電インフラは脆弱で、航続距離も限られていました。「目的地にたどり着けるか」というスリルを味わいながら、新しい時代の乗り物に魅了された仲間たちと情報を交換し合い、充電器を譲り合いながら走る時間は、今の時代には経験できない「楽しい冒険」でした。インフラが未熟だったからこそ、当時のEVライフは濃密な「ヒトとヒトの繋がり」に支えられていたのだと、今になって強く実感します。
あれから10年。2026年の今、集合場所の「道の駅 グリーンファーム館山」に集まったクルマを見て、私は深い感慨を覚えました。
圧倒的なパフォーマンスを誇る「IONIQ 5 N」、私の愛車と同じ「IONIQ 5」、日本の道路にジャストフィットする「KONA」、そして最新の「INSTER」まで。多様なラインアップのEVが並ぶ姿は圧巻です。今回は関西や中部から駆けつけてくれた仲間たちもいました。「EVでの長距離移動はもう特別なことではない」という事実を、彼らの存在が何よりも証明してくれています。EVの性能は劇的に進化しましたが、「気心の知れたコミュニティの仲間と、楽しい会話を交わしながらEVを走らせる」という私たちの本質だけは、10年前から1ミリも変わっていません。
「のうえんカフェ館山」のレトロプリンと、満開の桜が彩る安房神社
楽しいオフ会に欠かせないのが、地元の美味しいグルメです。少し早めのランチを狙って、施設内の「のうえんカフェ館山」へ滑り込みました。看板メニューの「でっかいチキンカツカレー」を賑やかに頬張りながら、終わることのないEVトークと笑い声が響きます。お腹がいっぱいになったところで、私と数人の仲間は、固めの食感とほろ苦いカラメルが絶妙な「レトロプリン」をデザートにいただき、旅に豊かな彩りを添えました。
お腹を満タンにした私たちは、見頃を迎えた満開の桜が参道を彩る「安房神社」へ向かいました。最新のEVがずらりと並ぶ中、参加してくれたメンバー全員でこれからの交通安全と、さらに広がる楽しいEVライフを祈願。春の柔らかな日差しの中、満開の桜をバックに仲間たちと満面の笑みでカメラに収まりました。
変わらない思い出の味と、現在のEVライフがもたらす「心の余裕」
全体解散の後、私は妻と二人で、もう一つの思い出の場所へとIONIQ 5を走らせました。10年前のリーフでのオフ会時にも、夫婦で立ち寄ったピーナッツ専門店「ピネキ(木村ピーナッツ)」です。
看板に書かれた「うめっぺ〜」の文字通り、口いっぱいに広がる濃厚なピーナッツの風味は、10年経っても全く変わらない格別な美味しさでした。当時は「帰りの充電は大丈夫か」と常に航続距離を気にして、「楽しい冒険」をしながら立ち寄った場所です。しかし今は、絶対的な航続距離の安心感を持つIONIQ 5の車内で、のんびりとソフトクリームを味わう時間の余裕があります。時の流れの早さを実感しつつ、ピネキを後にしました。帰り道には、さらに「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」にも立ち寄り、房州名産「プレミアムびわソフトクリーム」の誘惑にも負けてしまいました。
いつもの「アイスのハシゴ」ですが、このような寄り道ができる心の余裕こそが、航続距離の恐怖から解放された、現在のEVライフのリアルな楽しさなのだと思います。
ブランドの壁を越えて。10月、思い出の「日産」の舞台へ再び
10年前に初代日産リーフで房総を航続距離を気にしながら走っていたあの頃の「楽しい冒険」は、今、メーカーの壁を越えた巨大なEVコミュニティという未来へ、しっかりと繋がっています。EVの技術がどれだけ進化し、私の乗るクルマが日産からヒョンデへと変わっても、「ヒトとヒトの繋がり」の温かさは、あの頃から何も変わっていません。
10月には、私にはもうひとつ大きな楽しみが待っています。10月4日(日)に開催される「日産EVオーナーズミーティング(日産EVふじてんオフ会)」への参加です。メーカーは変わりましたが、EVを愛する気持ちはみんな同じです。10年前にこの房総を一緒に走ったリーフ時代の懐かしい仲間たちと、今度は富士の麓で再会できることを楽しみにしています。かつて房総への道のりで航続距離を気にしていた私たちが、今はそれぞれのEVで走り続け、再び一つの場所に集う。ヒョンデオーナーとなった今の私を、かつての仲間たちがどんな笑顔で迎えてくれるのか、今からワクワクが止まりません。
ブランドの壁を越えて、また新しい「ヒトとヒトの繋がり」が生まれるふじてんでの熱い盛り上がりの様子は、次回の第4弾でたっぷりとお届けする予定です。ぜひ楽しみに待っていてください!
EVがつなぐ過去と未来、そして人と人。私たちの充電旅は、これからもずっとお互い走り続けていきます!
EV総合研究所/Hyundai Motor Club JAPAN 副会長
杉本 容一:2012年、まだ世間が電気自動車(EV)に対し「本当に走るのか」と懐疑的だった時代から、EVライフを開始。初代日産リーフから2代目、そして現在のHyundai IONIQ 5へと乗り継ぎ、気づけばEVに乗って14年。ただのクルマ好きオーナーから、なぜ「EV総合研究所」でFACT(事実)に基づく発信を行い、オーナーズクラブの副会長を務め、果てはジャパンモビリティーショーでメーカーブースの説明員として立つまでに至ったのか。航続距離の恐怖と闘った冒険の日々から、国境を越えた仲間との出会いまで、一人の人生をEVがどう彩ってきたのかを等身大の言葉で届けたい。



























