EVの回生ブレーキはなぜ利くのか
回生とは、英語ではregeneration(リジェネレーション)という。日本語の回生という漢字は、それぞれ「回」はもとへ戻る、「生」は生きる、蘇るという意味がある。EVにおいて回生とは、減速時に駆動用モーターが発電機に切り替わり車載バッテリーに充電することを指す。充電されていた電気で走り、減速で電力を生み出して充電し、バッテリーに戻す、あるいは電力を蘇らせるからだ。
モーターも発電機も内部の機構は同じで、それぞれの機能は磁力によって生み出される。回転する軸(回転子)と、それを囲む筒状の固定子それぞれには磁力があり、互いの磁力が影響しあって回転軸をまわす。
永久磁石のN極とS極の関係は、子どものころに体験しているのではないだろうか。N極とS極を向き合わせると引き合う力が働き、N極同士、あるいはS極同士を向き合わせると反発する力が働く。この関係を利用して、軸と筒のふたつの磁石が影響しあうことで筒の内側にある軸が回転する。
量産市販EVでは多くが永久磁石式同期モーターで、回転子に永久磁石を使い、固定子には電磁石を用いる。固定子の電磁石は電流量によって磁力が変化する。このため、アクセルペダルの操作で加減速することになる。なかには回転子も電磁石のモーターがあるが、それでも基本的な考え方は変わらない。
減速ではアクセルを閉じても回転子がまわっているので、その磁力の影響で発電する。あわせて、回転子の回転を止めようとする磁力の働きになる。その作用によって、あたかもブレーキをかけたような力が働く。エンジン車でいえばエンジンブレーキのような効果だ。したがって、アクセルペダルを戻した際に働く減速を回生ブレーキという。
エンジンブレーキは変速機を低いギヤに設定した場合は強く利くが、一定の速度で走っているときのように高いギヤで走っていると、すぐには減速度を感じにくい。そこでギヤをより低い設定に切り替える必要があるが、EVは多くが変速機をもたない。そして回生ブレーキの強弱は、アクセルペダルの踏みこみ量で変えることができる。EVのアクセルは音響機器の音量スイッチのようなものだ。アクセルペダルの踏み込み量次第で、回生ブレーキの強弱を即座に変更できる。
アクセルペダルを少し戻したときは交通の流れのなかで速度調整に適した減速が得られる。ペダルを大きく戻したり足を離すと強い減速度となり、あたかも急ブレーキをかけたようになる。これによって、いわゆるワンペダル操作と呼ばれる、アクセルペダルだけで加減速し、ペダルから足を離せば停止するような制御も可能になるのである。






















































