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ちょ、後ろどこに忘れてきた!? おひとり様御用達のEVがカナダで誕生してしかもかなり売れてる模様


TEXT:石橋 寛 PHOTO:Electrameccanica Vehicles Corp
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ひとり旅にオススメのひとり乗りコンパクトEV

「旅に出ます、探さないでください」とは、ストレスを抱えた現代人なら誰でも一度はいってみたいセリフ。ですが、出かける際に「ひとり旅」だからって、こんなEVに乗っていたら目立ってしまって仕方ありません。サカナの頭みたいなスタイリングで、ひとり乗りのコンパクトサイズ、しかも航続距離は160kmという行方をくらますには適度な距離。カナダのスタートアップ企業がリリースした、その名も「ソロ(ひとり、単独)」をご紹介しましょう。

エレクトラメカニカ・ソロの走行シーン

アメリカの通勤人口は1日当たり1億1900万人とされ、そのうち1億500万人までがひとりでクルマに乗って通勤しているとのこと。ここに目を付けたのが、カナダのバンクーバーに本拠を置くエレクトラ・メカニカ社でした。いまやフルサイズピックアップトラックでさえEVが販売されてはいるものの、ひとりで乗るには大きすぎるという声は少なくなかったのです。

ひとり乗りといえば、かつてダイハツ・ミゼット II(1996)なんて軽トラがあり、2025年にはEV化したコンセプトモデル「ミゼットX」(2025)も発表され、日本国内では馴染みもあるのかと。とはいえ、エレクトラ・メカニカは商用というより前述のとおり通勤やシティコミューターを目指して開発されたもの。前2輪としてステアを担い、後1輪を82馬力程度のモーターで駆動するパッケージ。4輪トラックのミゼットとは成り立ちがちと違います。

また、大柄なアメリカ人やカナディアンに対応するよう、キャビンは予想以上に大きいとのこと。身長190cmの人が乗っても、ヘッドスペースはもちろん、サイドにも余裕があるのだとか。一方で、リヤから見ると駆動系や小さな荷室があるだけなので、じつに細身でコンパクト。これが、サカナの頭かのような独特なスタイリングの理由でしょう。

エレクトラメカニカ・ソロの真正面リヤスタイリング

スタイルは奇抜というか、可愛らしいものながら、通勤ユーザーをターゲットにしただけあって、EVとしてのパフォーマンスは十分以上。航続距離は100マイル(160km)、最高速度は約130km/h、バッテリー容量は17.3kWh または 19.4kWh(リチウムイオン)で、最大トルクも約140Nmと、アメリカやカナダのハイウェイならば不足を覚えることもないはず。なお、0-100km/h加速も最速で8秒といいますから、俊足とはいわないまでも、軽自動車のフル加速並みには走るのではないでしょうか。

もちろん、ソロには冷暖房をはじめ、Bluetooth付きラジオ、シートヒーター、カップホルダーなどが標準装備。プラスチックを多用したインテリアはややチープな感じもしないではありませんが、あくまで実用車としての立ち位置を考えれば、クレームの出るようなものでもありますまい。なにしろ、北米での新車価格は1万8500ドル(現在のレートで約300万円)と、フォードF150ライトニング(EVピックアップ)の5万ドルに比べたら半値以下。なるほど、気軽に手が出そうな価格設定といえるでしょう。

エレクトラメカニカ・ソロのリヤスタイリング

価格と性能に魅力を感じたのは個人ユーザーのみならず、自治体や商用ユーザーもソロに注目しています。広大な公園のパトロールや、車体を看板に仕立てたデリバリー業者など、それこそアイディアが広がっている模様。その証拠に、エレクトラ・メカニカ社の時価総額は1億4000万ドルとのことですが、売り上げはすでに25億ドルを突破。いかに反響が大きいかよくわかります。

小さなひとり乗りの超コンパクトEVとはいえ、夢や可能性の大きさはメガサイズといったところでしょうか。

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