良くも悪くもダメになった場所もアリ
<小さいけれど大きく響く内装変更>
そうしてそろそろと車を走らせ、薄暗い屋内駐車場から外の光の下へと出てみると、光るイルミネーション以外の細かな違いが目についてくる。まずダッシュボードだ。旧モデルYではマットなオープンポア・ウッドの木製トリムが横一文字に走っていたが、新型ではこれがグレーのファブリック調パネルに置き換えられている。以前の木目は、色味も含めてベニア板を思わせる質感で、手でなでるとささくれが刺さりそうな気配があったので、正直あまり好みではなかった。今回のグレーのパネルは、飾り気が少ない代わりに変な主張もなく、ほどよくマットな質感で「可もなく不可もなく」のど真ん中を狙ってきた感じ。下手に“高級感”を演出してスベるくらいなら、このくらいの素っ気なさのほうが、個人的には好感がもてる。

グローブボックスは、さりげなく容量ダウンしている。そこにETC車載器が収まり、さらにセントリーモード用のUSBメモリーも刺さっているので、オーナーが自由に使えるスペースはわずか。とはいえ、最近は車検証のサイズも小さくなったので、「とりあえず車検証を入れておく箱」と割り切ってしまえば、これはこれで整理がつく。紙の取扱説明書をたっぷり入れていた時代から考えると、車内の“紙文化”もずいぶんと縮んだものだ。
センターコンソールまわりにも、地味だがいくつか変更がある。
まずカップホルダーにスライド式のカバーが付いた。見た目としてはスッキリ隠せて悪くないのだが、私の場合は常にドリンクを1本は置いているので、カバーを閉めるタイミングがそもそもない。つまり、私にとっては「付いていなくても困らない装備」の典型である。そのほか、シガーソケットがコンソール後方ボックスから前方へ移動し、逆に前方ボックスにあったUSB-Cポートは後方へと移動。実質的には、シガーソケットとUSB-C差し込み口の位置が前後で入れ替わった形だ。このため、旧型で使っていたアクセサリー類は、そのまま使えるものとレイアウトの関係で買い替えが必要なものとにわかれることになる。

※画像は海外仕様
私はこの位置変更をまったく知らずに納車を迎えたのだが、幸か不幸か、旧型に付けていたUSBハブ類はそのままクルマごと売却したので使えないハブを無駄にすることはなかった。テスラ沼では、こうした細かな仕様変更に合わせてアクセサリーも入れ替わっていくので、サードパーティ製のアクセサリはしっかりと型式を確認して購入することが必須だ。
一方で、完全にダメだったのが、海外通販で買って愛用していたシート下収納ケース。旧型では前席の下にピッタリ収まり、ティッシュや掃除用品などを入れておくのに重宝していたのだが、新型ではシート下の奥行きがざっくり半分くらいになってしまい、旧型用ケースを差し込むと、半分は足もとに堂々とはみ出すという残念な結果に。さすがにこれでは実用にならず破棄することにした。
ひととおり前席まわりを確認したあと、帰宅してから今度はリヤシートに腰を下ろしてみた。座面の感触そのものは大きく変わっておらず、柔らかすぎず、かといって長時間座ってもお尻が痛くなるような固さでもない。これなら後席同乗者も納得のバランスだ。だが、後ろに座って一番の驚きは、シートそのものではなくセンターコンソール後端にどん、と鎮座するリヤタッチスクリーンである。

サイズは8インチ。決して巨大ではないが、後部座席で触るにはちょうどいいタブレット感だ。この画面からは、リヤ用エアコンの電源や風量、リヤシートヒーターの温度調整に加え、助手席シートの位置まで動かせる。ファミリーカーとして考えると後席の人が自分で足もとスペースを微調整できるのはかなり便利だ。しかもBluetoothイヤホンもペアリングできるので、後席だけでYouTubeを流したり、音楽を聴いたりと、前後で音の世界をわけることもできる。

さらに、リヤシートの背もたれ角度が電動調整になったのも新型のトピックだ。倒す、起こす、そしてラゲッジスペースを確保するためにフラットにする、といった操作の多くがスイッチひとつで済むようになった。これらは運転席側のメインスクリーンからも操作可能だ。キャンプ道具を積み込むときなど、いちいち後ろにまわって力技でシートを押し倒していたころを思い出すと、「ボタン一発でここまでやってくれるのか」と、ちょっとした文明の利器感すらある。ファミリーでのドライブや、アウトドア用途など、多目的ユースを前提にしたときの使い勝手は、明らかに一段階アップしたといっていいだろう。

こうして見ていくと、白い内装は単なる見た目の“映え”だけでなく、細かな操作系やリヤシートの利便性の進化も含めて「毎日の生活のテンションをちょっとだけ底上げしてくれる空間」に仕上がっている。自己満足といわれればそのとおりなのだが、その自己満足こそが、毎朝ドアを開けるたびに「よし、今日もこのクルマで出かけよう」と思わせる、一番の原動力なのかもしれない。
























































