2025年の国内乗用車に占めるEV比率は1.4%
2025年1〜12月に国内で新車として販売された乗用車のうち、エンジンを搭載しない電気自動車の販売比率は、わずか1.4%に留まった。ハイブリッドの販売比率は47%と多いが、電気自動車は売れていない。
また、PHEV(プラグインハイブリッド/充電可能なハイブリッド)も1.0%だから、国内では、充電機能を備えたクルマの販売が低迷している。この背景には、主にふたつの理由がある。
電気自動車が普及しないひとつ目の理由は、充電設備の設置が困難なことだ。日本では総世帯数の約40%がマンションなどの集合住宅に住むから、自宅に充電設備を用意しにくい。とくに都市部には集合住宅が多く、世帯数の70%を超える地域も少なくない。公共の急速充電器が必要だが、建物が密集していて設置場所を確保しにくい。
ふたつ目は、電気自動車の車種数が少ないことだ。2025年1〜12月の国内販売状況を見ると、新車として売られた小型/普通乗用車の50%以上をトヨタが占めた(レクサスを含む)。それなのに国内で購入できるトヨタの電気自動車は、bZ4X、レクサスRZ/UX300eのみだ。
日産は電気自動車に力を入れるが、それでもサクラ、リーフ、アリアのみになる。ホンダはN-ONE e:を投入したが、Honda eは廃止した。このような状況だから、電気自動車がほしいと思っても、好みや用途に合った車種を見つけにくい。
2025年の国内新車販売状況を振り返ると、軽自動車が全体の37%を占めた。乗用車では軽自動車の次にコンパクトカーやSUVの人気が高く、ミニバンも堅調だ。
そこで、電気自動車のラインアップを見ると、軽自動車はサクラ、その姉妹車となる三菱eKクロスEV、N-ONE e:があるが、5ナンバーサイズに収まるコンパクトカーの電気自動車は用意されない。
電気自動車を堅調に売るには、軽自動車、コンパクトカー、SUV、ミニバンなど、日本の売れ筋カテゴリーに、積極的に設定する必要がある。
これらのカテゴリーのうち、SUVには電気自動車が多い。SUVのボディと電気自動車は、親和性が高いからだ。電気自動車では、床下に駆動用リチウムイオン電池を搭載するから、エンジン車に比べて床がもち上がる。SUVなら天井が高いため、床を高めても十分な室内高を確保できる。
その一方で、5ナンバーサイズに収まるコンパクトカーやミニバンでは、電気自動車を選べない。ミニバンは海外で売りにくい。コンパクトカーは、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)が短くてトレッド(左右のホイールの間隔)も狭いため、大容量のリチウムイオン電池の設置が難しくなるからだ。
以上のように、日本では売れ筋カテゴリーに電気自動車を用意しにくい事情が多い。しかも燃費性能の優れたハイブリッドが乗用車の半数を占めるほど普及したから、ユーザーが電気自動車に強いニーズを感じていない事情もある。「ハイブリッドがあれば、電気自動車が少数派でも問題ないでしょ」という雰囲気が、メーカーや販売会社にも漂っている。
しかし、化石燃料の使用量を抑えて、二酸化炭素の排出量を徹底的に減らすには電気自動車の普及が不可欠だ。日本のメーカーも対応を迫られるため、これからは電気自動車のラインアップが充実していくだろう。

















































