試乗
share:

「ヒョンデ アイオニック5 試乗記」その3


TEXT:TET 編集部
TAG:

 

シンプルで好ましい操作性

ならばシフトのセレクターはどこにあるのかというと、ステアリングコラムの右側、ウインカーレバーの下にレイアウトされている。先端を上にひねればDレンジ、下側にひねるとRレンジ、最先端のボタンを押すとPレンジ、である。最初は軽く戸惑ったが、すぐに慣れるし、慣れればとても使いやすい。

同じように使いやすさを感じたのは、物理スイッチの方が操作しやすい機能は物理スイッチとして残されていることだ。ダッシュボードには横長のパネルの中にデジタルメーター用とインフォテイメントシステム用のどちらも12.3インチのモニターが並んでいるのだが、近頃のトレンドのようになっているタッチパネルですべてを操作させようとしているのではなく、操作できることをわかりやすく振り分けている。

すべてを把握できているわけではないが、基本、停止しているときに操作するものはタッチパネルで、走行中でも操作するものは整然とレイアウトされた物理スイッチで、という具合に考えられているように思えた。

それなりの数の物理スイッチあるのにゴチャついた感じがまったくしないのは、デザインの巧みさというべきだろう。インテリアは全体的にシンプルな印象で、過ごしやすい空間だ。ちょっとしたリビングルーム感覚、といってもいいかもしれない。よっぽどゴージャスな空間をお望みなら別の選択をするべきかもしれないが、といってこちらも質感が悪いわけじゃない。

ファブリックパッドやヘッドライニング、フロアカーペットなどにはサトウキビから抽出された糸を使用した繊維を、シートとやドアトリムなどにはリサイクルペットボトルで作られた糸を、ステアリングやドアなどには菜の花とトウモロコシから抽出した成分からなるバイオ塗料を、本革シートには亜麻の種から抽出した植物性オイルを活用した皮革を使うなど、地球に優しい素材を使っているのだが、見た目からはこれみよがしな主張は伝わってこない。穏やかで優しいインテリア。好感度が高いな、と感じる。

ラゲッジルームも5人乗車時のVDA法で527L、リアシートを倒せば1016Lと、ホイールベースの長さを考えたら優秀と言える数値。フロンドフードの下にも後輪駆動モデルで57L、四輪駆動モデルで24Lのスペースが用意されている。

まだ走り出してもいないうちに、日常生活の相棒にするといいかも、という気持ちになってきた。

 

Hyundai IONIQ5 Lounge AWD スペック

全長:4,635mm
全幅:1,890mm
全高:1,645mm
ホイールベース:3,000mm
車両重量:2,100kg
前後重量配分:前1,060kg、後1,040kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:142.4Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:577km(WLTCモード)
最高出力:225kW(305ps)/2,800-8,600rpm
最大トルク:605Nm(61.7kgm)/0-4,000rpm
バッテリー総電力量:72.6kWh
トランスミッション:1段固定式
フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ソリッドディスク
タイヤサイズ:前255/45R20、後255/45R20
最小回転半径:5.99m
荷室容量:後527L、前24L
車両本体価格:5,890,000円

 

その4 「ロードインプレッション」に続く

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本に何が起こった? BEVが売れない……ハズが2025年10月は電気自動車が売れまくっていた
エンジンサウンドが聞こえてシフトショックも感じられるEVが超進化! ヒョンデ「IONIQ 5 N」がマイナーチェンジ
60年もの不動車がバッテリー交換だけで走り出した! EVの長期保管はエンジン車よりも簡単!!
more
ニュース
老舗のヤナセがついに軽EVを売る! 「ヤナセEVスクエア」がBYDとディーラー契約し2026年夏横浜に店舗をオープン
日本にも来春やってくる韓国Kiaの商用EVバンが快挙達成! 「PV5」がアジアメーカー初の「インターナショナル・バン・オブ・ザ・イヤー」を満場一致で受賞
2025年度でもっとも優れた輸入車は日本で唯一の電動ミニバン! フォルクスワーゲンID.BUZZが「2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー」で二冠に輝く
more
コラム
中国IT企業の技術で競争力マシマシ! トヨタのEVセダン「bZ7」の気になる中身
BEVの普及がいまひとつな日本を狙った巧妙な戦略! 日本のBEV市場でテスラが日産を脅かせるワケ
「EVは下取りが安い」は事実! 逆にいえば「上質な中古車」が安く買えるんじゃ……と思ったらそのとおりだった
more
インタビュー
「BMWの核はセダン」。「i5」での表現は、BEV世代のセダンの在り方を示している。
「i5」の造形を、BMWエクステリア・デザイン責任者がディテールから語る
BYDオートジャパン社長が考える日本進出戦略とは?[社長インタビュー:その 4]
more
試乗
【試乗】速さはスーパースポーツ並! AWD技術も完成の域! アウディS6スポーツバックe-tronに望むのは「感性に訴えかける走り」のみ
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
マイチェンで名前まで変わった「アウディQ8 e-tron」ってどんな車? [Q8 e-tron試乗記]
more
イベント
軽自動車市場参入を表明したBYDの軽EVはスライドドアのスーパーハイトワゴン!? 注目モデルが目白押しなジャパンモビリティショー2025のBYDブースは要注目
三菱自動車、東京オートサロンに2台のカスタムEVを展示
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択