クルマは貴重な音楽鑑賞空間だ
いま、クルマのオーディオに凝っている人はどのくらいいるのだろうか。
パーク24の2026年3月の調査によると、ドライブ中に音楽を聴くという人は全体で89%にのぼるという。ほぼ9割だ。年代別に見ると、20代以下にいたっては97%という驚異の数字で、ほぼ全員が音楽を聴きながら運転していることになる。

一方、オトナルが2025年に発表した車中メディア利用の調査では、全年代でラジオが40.1%とトップ。10〜30代では音楽ストリーミングがもっとも多く利用されているが、40代以上になるとラジオが逆転するという結果だった。
音楽、ラジオ、そしてポッドキャストやオーディオブックなど、クルマのなかというのは「耳のエンタメ空間」として確実に進化している。ではそのなかで、クルマのスピーカーそのものにこだわっている人はどのくらいいるのか? カーオーディオ専門誌の市場が縮小していることを思えば、”音質にこだわる人”の割合はそれほど多くないのかもしれない。
<昔ハマっていたオーディオ沼>
私自身はといえば、ドライブ中に音楽を聴くタイプではある。しかし、そこまでこだわっているわけではない。いまは、だが。
そもそも、最近の人たちはイヤホンやヘッドホンで音楽を聴く人が圧倒的に多い。自室に大型のオーディオセットを構えている人も、ひと昔前に比べてぐっと少なくなったのではないか。そういう意味でいえば、イヤホンなしで音楽に包まれるクルマの空間というのは、じつはかなり貴重な体験だともいえる。

とはいえ、私自身も若いころ——10代から20代にかけて——は、いわゆる”オーディオ沼”にどっぷりはまっていた時期がある。自室にはこだわり抜いたスピーカー、アンプ、プレーヤーをそろえ、当時の懐具合でできる限りの機材を揃えた。しかし、当然大金を注ぎ込み続けるのには限界がある。気づけば自然と「まあ、このくらいで十分か」という着地点を見つけ、沼から抜け出すことになった。
クルマも同様だった。若いころは、スピーカーを純正から社外品に替え、アンプを追加し、デッドニングをして……と、そのあたりの”カーオーディオ沼”にもかなり深く足を踏み入れたことがある。懐かしい話だ。いまは純正のままで十分だと感じている。
<テスラのスピーカー事情>
さて、テスラのオーディオは音質がいい——というのはオーナーの間でよくいわれることだ。では実際、モデルYやモデル3のスピーカーはどうなっているのか、少し整理してみよう。
旧型のモデル3(RWD)のスピーカー数は当初8個から7個へ変更、AWDは当初15個から後に14個へ変更という構成だった。新型のハイランドでは、RWDが9個、AWDは17個に増強されている。

モデルYはどうか。旧型(レガシー)のRWDは、当初13個のスピーカーを搭載していたが、2024年初頭には7個にまで大幅に削減されてしまった。AWDは13個を維持していた。そして私がいま乗っている新型(ジュニパー)はというと、RWDが9個、AWDが16個という構成になっている。
私が乗っていた旧型RWDはスピーカーが「13個時代」だったが、いまの新型モデルYは9個と激減しているのである。スピーカー数の減少は、とくに音の包囲感や低音再生に大きく影響する。一方AWDは旧型の13個から新型で16個へと増えており、こちらは充実している。























































