コラム
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EVってだけで「おサイフに優しい」時代はもう終わっていた! EVで節約するための生活全体のエネルギー設計とは


TEXT: 琴條孝詩 PHOTO:Honda/WEB CARTOP
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EVユーザーには思い込み節約が多い

EVに乗っているだけで「自分は節約派だ」と思い込んでいる人がかなり多いようだ。とくに日本では、電気自動車(EV)自体が「エコでお得」というイメージと結びついているため、クルマ選びの時点で節約に成功したつもりになってしまい、その後の電気料金や給電プランの見直しにはあまり関心が向かない傾向がある。ところが、電気代高騰が続く2026年、「EVだから安い」はもはや自明の前提ではなく、乗り方や契約次第ではガソリン車と大差ない、場合によってはむしろ損をしているケースも見えてきた。

<EVユーザーは「節約できている」のか?>

ENEOSが2025年10月に発表した「EV/PHEVユーザーVSガソリン車ユーザー コスト意識・実態調査」によると、EVユーザーの約8割、PHEVユーザーの約7割が「自分はクルマで節約できている」と答えており、その自己評価はガソリン車ユーザーの約5割を大きく上まわった。しかし同じ調査で、燃料代や電気代の具体的な単価を把握し、料金プランを定期的に見直している人の割合をみると、もっともマメなのはガソリン車ユーザーで、EV/PHEVユーザーは両方とも1割前後にとどまるという結果になった。EVに乗っていることで安心してしまい、細かなコスト管理はむしろおろそかになっている構図が浮かび上がる。

ここ数年、日本の電気料金は、補助金廃止の影響を受けつつ推移しているガソリン価格と比較して大きく上昇している。国際航業が運営するサイト「エネがえる」によると、たとえば家庭向けの電力量料金単価はここ数年上昇傾向が示されており、2025~2028年のシナリオでも年4~5%の値上がりが続くという悲観的試算が出ている。電気代が「昔の感覚」のまま頭のなかに残っていると、EVの電費計算も当然甘くなり、「1kWh=20円くらい」と思い込んでいる人ほど、実際の請求書を見て初めてギョッとすることになる。

充電のイメージ

<じつは「思い込み節約」!?>

EVは物理的なエネルギー効率で見れば、いまもガソリン車より有利であること自体は変わっていない。一般的な前提として、EVは車種や季節による差はあるものの1kWhあたり5~6km走行し電気代が1kWhあたり30円前後、ガソリン車は燃費10km/ℓでレギュラー160円/ℓとすると、単純計算の走行コストはEVが約5~6円/km、ガソリン車が約16円/kmで、エネルギーそのものの値段だけ見ればEVは「3分の1」程度という説明が成り立つ。この「理論値」が、EVオーナーの頭のなかではそのまま「自分の実コスト」になってしまいやすい。

だが現実には、自宅充電では充電ロスや待機電力が発生し、実効的な充電効率はおよそ85%程度とされるため、理屈どおりの電費より1~2割ほど高い電気代がかかる。自宅充電が200Vではなく100Vであれば、より効率は悪くなる。また、時間帯別割引のないプランで充電していたり、再エネ賦課金や各種料金改定の影響を織り込んでいなかったりすると、「頭のなかの1kWh単価」と「請求書上の平均単価」が簡単に数円ずれることになってしまう。この差を意識せず、「EVは安いものだ」というイメージに頼ってしまうと、いつの間にか“思い込み節約”に陥るのだ。

電費のイメージ

さらにやっかいなのは、PHEVユーザーのパターンである。PHEVはEVモードの航続距離が短いため、通勤や買い物は電気だけでこなしつつ、休日のロングドライブではガソリンを使う人が多い。ところが本人の意識としては「普段はEVとして乗っている」の印象が強く、月トータルのガソリン代と電気代を合わせて振り返ることをしていないケースが少なくない。結果として、走行距離に対するトータルのエネルギーコストは、走行条件によってはコンパクトなハイブリッド車とそれほど変わらない、あるいは上まわっているのに「PHEVだから節約になっている」と思い込んでいることがある。

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