
次に、動力性能について3代目では、モーター、インバーター、減速機を一体化した3 in 1のパワートレインを採用。よって、高出力化と小型化、静粛性を両立することが可能となり、とくにB7の最高出力は160kW、最大トルクも355Nmを発揮。0-100km/h加速も7.6秒を達成します。
ちなみにモーターの種類は二代目で採用されている永久磁石型同期モーター(PMSM)です。アリアの巻線界磁型同期モーター(EESM)と比較しても、小型化および市街地走行における効率性に強みをもっています。その一方で、EESMと比較しても、高速巡行における電費で不利となり、レアアースを採用することによる地政学上のリスクをはらみます。
また、新型モーターではコイルの種類を丸線ではなく平角線を採用。平角線は丸線と比較しても密に巻くことが可能となり、占積率がアップすることで小型化が可能。さらに、表面積が広くなるため、そのぶんだけ放熱性という観点でもプラスに働くことから、より大電流を流しやすい設計です。
さらに、インバーターも両面冷却構造を採用したことで、とくに効率の落ちる高速域での効率を向上させています。
車両サイズについて、全長が4360mm、全幅が1810mm、全高が1550mm、ホイールベースが2690mmというコンパクトSUVとなりました。2代目と比較しても全長が短くなっており、最小回転半径は19インチタイヤを装着したとしても5.3mと、17インチタイヤを装着した2代目の5.4mと比較しても小まわり性能が向上しています。ちなみにアリアも5.4mと小まわり性能が高く、この取りまわしのよさはCMF-EVプラットフォームの強みといえそうです。
また、車両サイズはコンパクトになりながらも、ホイールベースは2690mmを確保。全長に占めるホイールベースの割合は61.7%で、2代目の60.3%と比較しても向上。これもCMF-EVによる最適化の恩恵でしょう。
さらに、後席足元空間もフルフラット化を実現できているため、車内空間は先代比で開放感が増しているはずです。

ちなみに、このCMF-EVの大きな強みとして、フロント足もと空間のウォークスルー方式を実現しているという点が重要です。通常キャビン内に位置する空調ユニットをボンネット下のエンジンルームに押し込むことで実現可能となります。
ところが、問題となるのはクラッシャブルゾーンの確保です。空調ユニットを前に押し出すということは、そのぶんだけクラッシャブルゾーンが狭くなるためにボンネット部分を延長せざるを得ず、全長を短く抑えることはできなくなるのです。
ところがCMF-EVの強みというのは、衝突時に空調ユニットを積極的に圧壊可能な構造としたという点です。これにより空調ユニットをクラッシャブルゾーンと見立てることで、エンジンルームの長さを延長せずに空調ユニットを押し込んだとしても、クラッシャブルゾーンを確保できるようになったのです。これが全長を短縮させながらフロントのウォークスルー方式を両立できた理由なのです。
確かにEVならではのフロントトランクは採用できていませんが、そもそもCMF-EVは車内空間の最大化にファーカスする設計思想なのです。





















































