0-100km/h加速はなんと3.6秒! 駿足のボルボEX30 ツインモーター・パフォーマンスをスペインのバルセロナで走らせた。
ツインモーターはスポーツカー顔負けの速さが自慢
「EX30シングルモーター・エクステンデッドレンジ」に遅れて、日本導入が予定されている「EX30ツインモーター・パフォーマンス」にも試乗することができた。シングルモーター・エクステンデッドレンジが200kWのモーターで後輪を駆動するのに対して、ツインモーター・パフォーマンスは前後あわせて2基のモーターにより4WDを構成。システム最高出力は315kW(428ps)、システム最大トルクは543Nmを誇る高性能ぶりで、0-100km/h加速は3.9秒、パフォーマンスAWDモードに切り替えれば3.6秒をマークする。
シングルモーター・エクステンデッドレンジが標準で245/45R19サイズのタイヤを装着するのに対して、ツインモーター・パフォーマンスは1インチアップの245/40R20を採用。さらにツインモーター化にともなう重量増とパワーアップに対応するため、シングルモーターよりもサスペンションが強化されたこのクルマは、そのぶん少し硬めの乗り心地を示すが、それでも十分な快適さを確保している。
加速については、通常の街乗りなどではリアモーターのみを使い、思いのほか扱いやすい一方、アクセルペダルを踏み込むとシングルモーター仕様とは別次元の、過激なほどの加速が味わえる。さらに、バッテリー残量が80%以上で、パフォーマンスAWDモードを起動すると、上半身がのけ反るほどの加速に襲われる。この性能を必要とする場面がどれほどあるかは疑問だが、ツインモーター・パフォーマンスが4WDを必要とする人や、とにかく最高のEX30がほしいという人を満足させるだけの実力を持つことは確かである。
回生ブレーキには不満も
ところで、EVでは加速のフィーリングとともに、回生ブレーキによる減速の印象も注目したいポイントだ。EX30では、車両設定で“ワンペダルドライブ”をオンにすると、走行中にアクセルペダルを緩めたときに回生ブレーキが利くとともに、ブレーキペダルを踏まなくても車両を停止させることが可能。ブレーキペダルから足を離してもクルマがクリープすることはない。一方、ワンペダルドライブ”をオフにすると、アクセルペダルを緩めても回生ブレーキが利かないという設定になる。
ワンペダルドライブがオンの状態でアクセルペダルを緩めたときに利く回生ブレーキは、シングルモーター、ツインモーターのいずれも、「ボルボC40リチャージ」や「XC40リチャージ」に比べると弱めで穏やか。街中の運転であれば、アクセルペダルのみにほぼスピードコントロールは可能だが、アクセルペダルを完全にオフにしてから停止までは一呼吸あるため、最後はブレーキを踏んで停止したほうが、運転がしやすいと思った。
ちなみに、最新のC40リチャージやXC40リチャージには、レーダーなどのセンサーにより先行車との距離を監視しながら、自動的に回生ブレーキの強さを調節してくれる“Auto”モードが用意されるが、EX30には搭載されていない。「できるだけシンプルに操作できるようにするため」というのがボルボの言い分だが、それならせめて回生ブレーキの強さが選べるとうれしいのだが……。
そんな細かい不満はあるものの、総合的に見ればEX30は魅力的なコンパクトEVに仕上がっており、日本での発売が実に楽しみな一台である。今回は電費や充電能力を試すことができなかっただけに、日本上陸後はそのあたりを徹底的にチェックするつもりなので、乞うご期待!















































