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「ボルボEX30」のインテリアはシンプルだけどこんなにユニーク! [ボルボEX30試乗記②]


TEXT:生方 聡
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ボルボの最新コンパクトEV「EX30」にバルセロナで試乗。シンプルなデザインのインテリア、その使い勝手は?

 

操作は日本語でどうぞ!

国際試乗会の拠点となるバルセロナ空港の会場に着くと、簡単な説明のあとにカードキーが渡され、さっそく試乗に出かけることに。EX30のBピラーにある目印にカードキーを近づけるとクルマのロックが解除。今回は試すことができなかったが、EX30の発売後にはスマートフォンで解錠することも可能になるという。

ドアを開けて運転席に陣取ると、きわめてシンプルなコックピットに驚かされる。一番の特徴は、ドライバーの目の前にメーターパネルがないこと。ダッシュボードの中央に12.3インチのセンタースクリーンがひとつあるだけで、速度や走行モードといった必要な情報はセンタースクリーンの最上段に表示されるのだ。メーターパネルがあるのがあたりまえと思う私はこの状況に戸惑ったが、この日、同乗したテスラオーナーは、むしろこのほうが違和感がないというから、要は慣れの問題なのかもしれない。

センタースクリーンのまわりにスイッチ類はなく、基本的な操作はスクリーンをタッチして行うことになる。エアコンの調整や車両の設定など、多くの操作がサブメニューを呼び出す必要があるのが面倒だが、量産版ではある程度の操作が音声で可能になるはずだから、そのあたりは今後の進化に期待したいと思う。

ちなみに、EX30は他のボルボ同様、Androidベースのインフォテインメントシステムを搭載し、「Googleマップ」や「Googleアシスタント」による音声操作が利用可能。Googleマップを含め、インフォテインメントシステムはこのヨーロッパ仕様でも日本語表示が可能で、知らない土地をドライブする身にはとても心強かった。

 

心地よい空間はEX30魅力

ところで、EX30の日本仕様では「ミスト」と「ブリーズ」という2種類のインテリアが選択可能で、試乗会ではその両者をチェックすることができた。個人的に気に入ったのがミストで、明るいグレーのファブリックがシートだけでなく、ドアパネルやダッシュボードに配されることで、カジュアルで暖かみのある心地よい空間に仕立てあげられているのがうれしいところ。薄いブルーのブリーズは、シートにリサイクル素材のファブリックと合成皮革を組み合わせることで上質さが感じられる一方、独特のデザインのデコラティブパネルはリサイクル素材であるという主張が強く、好き嫌いがわかれるかもしれない。

EX30はドアパネルもユニークだ。シンプルなデザインのドアハンドルもさることながら、フロントドアにはパワーウインドーのスイッチやスピーカーがないのだ。前者はセンターコンソールにあるが、後者はダッシュボード上のサウンドバーにまとめられている。ハーマンカードンのサウンドシステムとの組み合わせでは、標準的なトーン設定だと多少低音が足りないように感じたが、サウンドそのものはとてもクリアで、気持ちの良い音楽を楽しむことができた。

後席に移ると、ヘッドルーム、ニールームともに必要十分なスペースが確保されている。足が組めるほどの広さはないが、センタートンネルがないぶん、足もとはすっきりとしている。

荷室はボディサイズ相応といったところで、リアシートを使用している状態でも70cm今日の奥行きを確保する。フロアは2段式で、下段に設定すると約10cmぶん、スペースを拡大できるのが助かる。ボンネット下にも“フランク”と呼ばれる収納スペースが用意されていて、充電ケーブルなどを収めておくには好都合だ。

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