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“ボルボ史上最も小さな電気自動車”「EX30」が日本を狙い撃ち!? [ボルボEX30試乗記①]


TEXT:生方 聡
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“ボルボ史上最も小さな電気自動車”として、まもなく日本でもデリバリーが始まる「EX30」を、ひとあし早くスペインのバルセロナで試乗。まずはどんなクルマなのかを確認しておこう。

 

1,550mmの全高がうれしいコンパクトなEV

日本車、輸入車を問わず、国内で販売されているEVは、背の高いモデルが多い。バッテリーを搭載しやすいことやSUVブームもあって、SUVスタイルがもてはやされるのは理解できる。一方、日本で使うにはもう少しコンパクトで、多くの機械式駐車場に対応する1,550mm以下に全高を抑えてくれたら……と思うのは、きっと私だけではないだろう。

その点、“ボルボ史上最も小さな電気自動車”として日本での発売が迫る「EX30」は、SUVスタイルを採用しながらも、全高が1,550mmと低く、全長も4,235mmと短め。すでに日本で発売されている「C40リチャージ」や「XC40リチャージ」の高い完成度を考えると、EX30には期待が高まるばかりだった。そんな興味津々のEX30にひとあし先に試乗できるということで、10月中旬、夏の暑さが残るスペインのバルセロナに向かった。

試乗の拠点となったバルセロナ空港には、淡い青の“クラウドブルー”と、薄い灰色の“ヴァイパーグレー”のEX30が、整然と一列に並んで、われわれの到着を待ち構えていた。私自身は、オンラインのワールドプレミアでPCのモニター越しにその姿を確認済みだが、実車を見るのはこれが初めて。遠目でもはっきりとボルボとわかる特徴を備えている一方、これまでのボルボと比べてクルマっぽさが薄れ、モダンで上品に仕立てあげられたエクステリアがすぐに気に入ってしまった。最近の新型車は、前後に全幅いっぱいのLEDライトストリップを配置するのが流行だが、それとは異なる表現をしているのも、EX30のユニークなところだ。

 

まずはシングルモーター仕様が日本上陸

EX30のインプレッションをお伝えする前に、まずはこのクルマの特徴について簡単におさらいしておこう。

EX30は、グループ企業の吉利汽車が手がけるEV用プラットフォーム「SEA(サステナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャー)」を用いてつくったSUVタイプのEV。全長4,235mm、全幅1,835mm、全長1,550mmという比較的コンパクトなボディに、自慢の高い安全性と優れたサステナビリティ、先進のデジタルテクノロジー、そして、人気のスカンジナビアンデザインを盛り込んでいる。

EX30には現時点で3つのグレードが設定される。200kWのモーター1基と51kWhのバッテリーを搭載する「シングルモーター」、より容量の大きい69kWhのバッテリーを積む「シングルモーター・エクステンデッドレンジ」、システム出力315kWを誇る前後2基のモーターと69kWhのバッテリーを組み合わせた「ツインモーター・パフォーマンス」である。このうち、今回の国際試乗会に持ち込まれたのは、シングルモーター・エクステンデッドレンジとツインモーター・パフォーマンスの2グレードで、量産直前の“プリプロダクションモデル”での試乗になった。

なお、日本市場にはまずはシングルモーター・エクステンデッドレンジが導入されるが、ツインモーター・パフォーマンスについては導入に向けて準備が進められている段階だ。日本でのシングルモーター・エクステンデッドレンジの価格は559万円と発表されており、仮にCEV補助金(クリーンエネルギー自動車購入補助)が65万円であれば、実質500万円を切る金額で、EX30が手に入ることになる。

 

Volvo EX30 Single Motor Extended Range

全長:4,235mm
全幅:1,835mm
全高:1,550mm
ホイールベース:2,650mm
車両重量:1,790kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:143Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:560km
リアモーター最高出力:200kW(272ps)/6,500-8,000rpm
リアモーター最大トルク:343Nm(35.0kgm)/5,315
バッテリー総電力量:69kWh
モーター数:後1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:RWD
フロントサスペンション:マクファーソンストラット式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:245/45R19
最小回転半径:5.4m
荷室容量:318L
車体本体価格:5,590,000円
※数値は国土交通省申請値

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