フォルクスワーゲン・グループは、1月12日、2022年のEV販売台数が前年比26%増となる57万2100台に上ったと発表した。
フォルクスワーゲン・グループは、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェ、ランボルギーニ、ベントレーといった乗用車ブランドに加えて、フォルクスワーゲンの商用車部門や、マン、スカニアといったトラック部門など、さまざまなブランドを傘下に擁している。
2022年のグループ全体の世界販売台数は、部品の供給不足や一時的な生産停止などの影響で、前年から6.9%減の8,262,800台に留まったが、EVの販売台数は452,8100台から26.3%増の572,120台に伸ばす結果になった。総販売台数に占めるEVの割合も、2021年の5.1%から6.9%に上昇している。
| 2022のEV販売台数 | 2021のEV販売台数 | 増減(%) | |
| フォルクスワーゲン(乗用車) | 325,100 | 263,100 | +23.6 |
| シュコダ | 53,700 | 49,100 | +9.3 |
| セアト/クプラ | 31,400 | 13,000 | +140.8 |
| フォルクスワーゲン(商用車) | 7,500 | 3,600 | +109.0 |
| アウディ | 118,200 | 81,900 | +44.3 |
| ランボルギーニ/ベントレー | 0 | 0 | —— |
| ポルシェ | 34,800 | 41,300 | -15.7 |
| マン | 900 | 800 | +3.5 |
| フォルクスワーゲン(トラック&バス) | 0 | 0 | —— |
| スカニア | 260 | 0 | —— |
| ナビスター | 260 | 10 | —— |
| Total | 572,120 | 452,810 | +26.3 |
地域別に見ると、販売台数がもっとも多いのがヨーロッパで、2021年に比べて13.4%増の352,000台。このエリアではフォルクスワーゲン・グループがEVマーケットのトップシェアを誇っている。一方、成長著しいのが中国で、前年比68.2%増の155,700台と健闘。米国では18.8%増の44,200台とし、EVマーケットでは4番目のシェアを手に入れている。
| 2022のEV販売台数 | 2021のEV販売台数 | 増減(%) | |
| ヨーロッパ | 352,000 | 310,400 | +13.4 |
| アメリカ | 44,200 | 37,200 | +18.8 |
| 中国 | 155,700 | 92,600 | +68.2 |
| 上記以外の地域 | 20,200 | 12,700 | +59.2 |
| 合計 | 572,100 | 452,800 | +26.3 |
ブランド別では、前年比23.6%増の325,100台を販売したフォルクスワーゲン(乗用車)がトップで、これにアウディ、チェコのシュコダが続いた。
モデル別では、「フォルクスワーゲンID.4」とそのSUVクーペの「ID.5」が193,200台でダントツのトップ。これに「ID.3」が続いた。ID.4はフォルクスワーゲンが世界戦略車と位置づけている重要なモデルで、2022年の販売は約170,000台を数える。スウェーデンではすべてのジャンルのなかで最も売れたクルマになった。
| 1位 | フォルクスワーゲンID.4/ID.5 | 193,200 |
| 2位 | フォルクスワーゲンID.3 | 76,600 |
| 3位 | シュコダ・エンヤク | 53,700 |
| 4位 | アウディQ4 e-tron | 52,800 |
| 5位 | アウディe-tron | 51,200 |
| 6位 | フォルクスワーゲンID.6 | 37,400 |
| 7位 | ポルシェ・タイカン | 34,800 |
| 8位 | クプラ・ボーン | 31,400 |
上位8モデルのうち、「アウディe-tron」と「ポルシェ・タイカン」以外は、フォルクスワーゲン・グループがEV専用プラットフォームとして開発した「モジュラー・エレクトリック・ドライブ・マトリックス(MEB)」をベースとしたモデルであり、フォルクスワーゲン・グループのEV販売を牽引。これまではコンパクトカーやコンパクトSUVがメインだったが、2023年1月のCESでニューモデルの「ID.7」を展示し、今後、MEBベースのEVをアッパーミドルクラスにも拡大する。
2022年にはMEBベースのEV生産をエムデン(ドイツ)、ハノーバー(ドイツ)、チャタヌーガ(米国)の各工場に拡大し、2023年にはウォルフスブルク(ドイツ)でも生産が始まる。こうした取り組みにより、フォルクスワーゲン・グループでは2023年のEV比率を約11%、2030年までには約半分までに高めたい考えで、今後どんなニューモデルが登場するのか、目が離せない。





































