制度のわかりにくさや公平性には課題あり
日本では電気自動車が売れないといわれるが、スーパーワンは受注が好調だ。2025年5月22日に発売され、6月1日の時点で約8000台(販売店の試乗車などを含めると約1万1000台)を受注したという。
販売に大きく貢献したのがスーパーワンの価格と補助金だ。価格は339万200円で、この金額が高いか安いかは、スーパーワンのベースになった軽自動車のN-ONE e:Lと比べるとわかりやすい。N-ONE・e:Lの価格は319万8800円だから、スーパーワンは19万1400円の上乗せで、外観がワイドフェンダーを備えた5ナンバー車になり、タイヤサイズも14インチから15インチに拡大された。
さらに内装もホールド性の高いシートを採用するなど上級化され、BOSEプレミアムサウンドシステムも標準装着した。ブーストモードを選ぶとスピーカーからエンジン音が響き、最高出力も64馬力から95馬力に高まる。これらの機能を約19万円で加えたから、スーパーワンはN-ONE・e:Lよりも明らかに割安だ。
しかも国から交付される補助金額は、小型車のスーパーワンは130万円に達する。N-ONE・e:Lの58万円に比べて72万円多い。その結果、車両価格から補助金額を引いた実質価格は、スーパーワンは209万200円まで下がった。補助金額の違いにより、N-ONE・e:Lよりも52万8600円安く買える逆転現象が生じている。スーパーワンがほしいユーザーには、抜群の買い得度で嬉しいことだが、N-ONE・e:Lは相対的に割高になった。
ここで気になるのが国が交付する補助金額の内容だ。130万円が上限とされ、価格が790万円のレクサスES350eも、半額以下のスーパーワンも、同じ金額になる。不公平ともいえる補助金額の算出基準はなにか。
この内容は多岐にわたり、補助金の交付を受ける車種の電費性能や1回の充電で走れる距離、外部給電機能の有無、製造メーカーの充電インフラの整備状況、整備体制や安全性の確保、メンテナンスを行う人材の確保、サイバーセキュリティへの対応、車両の廃棄まで含めたライフサイクル全体での二酸化炭素排出削減など幅広い。
各電気自動車は、これらの項目に点数を付けて評価され、合計点で補助金額を算出するが、非常に難解でわかりにくい。ユーザーやメーカーには、補助金額の結果だけが示されるから疑問も生じてしまう。
電気自動車の開発者は「補助金額は、各種の性能や車両価格が決まったあとで決定される」という。つまりスーパーワンの車両価格から補助金額を引いた実質価格がN-ONE・e:Lよりも安くなることは、開発を終えて車両価格も決めたあとにならないとわからない。
問題はこの不可解な補助金が税金から支払われることだ。東京都で登録した場合、国から交付される130万円の補助金に加えて、別途90万円も交付される。補助金総額は220万円に達して、スーパーワンが実質119万200円で手に入る。今後は国と自治体が連係して、補助金を再構築して、不公平を解消する必要がある。クルマを所有していなかったり、自宅に充電設備がないため、電気自動車をもてないユーザーも多いからだ。当たり前のことだが、不公平は是正せねばならない。






















