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なぜ中国では地場メーカーが異常に強いのか? 中華EVが圧倒的に安いワケ


TEXT:桃田健史 PHOTO:THE EV TIMES
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中国で苦戦する日本メーカー

中国で日本メーカー各社の苦戦が続いている。2010年代と比べると、中国での販売台数が大きく落ち込んだ日本メーカーは少なくない。

その理由について「厳しい市場環境」という表現が使われることが多い。具体的には、中国メーカーが日本メーカーを筆頭とする競合社を念頭に置いた新車価格を設定したり、値引きなどによる競争が激しいということだ。これは、中国でNEV(新エネルギー車)と呼ばれるEVなどの電動車のみならず、ガソリン車でも同様だ。

ホンダのイエシリーズ

中国ブランドの新車価格が安いということは、メーカーから販売店への卸し価格が安いということであり、新車の原価が安いということにつながる。とくにEVについては、いまでも日本メーカーは「まだまだ原価を下げることが難しい」という見解にもかかわらず、中国メーカーは多彩な手を打ってくる状況を脅威に感じている。

実際に、日本でも動力性能や航続距離で比較して、ハイブリッド車と同程度になるEVはほとんどない。日本でのEV販売比率は2%弱という状況で、EVの原価でもっとも影響が大きな駆動用電池を筆頭に、モーター、インバーター、ECUなど、コストが割高な部品がまだまだ多い。

では、なぜ中国ではEVのコストを下げることができているのだろうか。理由はさまざまある。

第一に、中国はEVなどのNEVを国家戦略として強く推進しているからだ。時計の針を戻すと、中国政府がEV政策の強化を具体化させたのは2000年代の終わりから2010年代初頭にかけて。きっかけとなったのは、2008年の北京オリンピック、2010年の上海万国博覧会、そして同年の広州アジア選手権だった。国際的な情報発信力が強いこれら3大イベントを中国のEV政策の原点として、中国は公共交通を軸にEVシフトに転じた。一例が「十城千両」と呼ばれた、中国都市におけるバスやタクシー、一部乗用車に対する普及施策だった。

中国のEVタクシー

その後、2010年代になると日米欧メーカーとの合弁事業のなかで中国地場メーカーは電動化技術を学び、また中国発でEVを主力事業とするBYDが段階的に事業を拡大していく。これに合わせて、日本やドイツなどの大手自動車部品メーカーと中国地場メーカーが連携してEVを筆頭とするNEV開発を進めた。こうした企業間連携は、最終的には中国地場の自動車部品メーカーの電動化関連部品を含めた技術力と価格競争力を高めることになる。また、BYDのように自社グループ内でコスト、工数、リードタイムを大幅に短縮する事業システムを構築しているメーカーもある。

一方で、中国地場メーカーの中でも激しい競争を勝ち抜けず、市場のなかで淘汰も進んだ。

このように、過去15年程度で中国地場の自動車産業関連企業の実力が急激に高まり、日本車メーカー各社幹部が「これまでのクルマづくりの考え方を抜本的に変えないと、中国地場メーカーに太刀打ちできない」と公言する時代に突入しているのが実情だ。

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