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日本に上陸する次なる中華EVブランド「Aion」! 中身を知ると「成功できる」か微妙なライン


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV Native/Aion/IDOM
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法人需要との相性には課題

そしてもう1車種が、コンパクトSUVセグメントに属する「Aion V」です。すでに東南アジアやオセアニア地域でも発売されているAion Vは、全長4605mm、全幅1854mm、全高1686mm、ホイールベース2775mmと、日産アリアと瓜ふたつなサイズ感です。

75.26kWhのLFPバッテリーを搭載することで、航続距離はCLTC基準で650km、より厳しい基準となる欧州WLTCモードでも510kmを確保。急速充電性能は400Vシステムを採用するものの、最大180kWに対応、SOC10-80%で24分と、快速な充電性能を実現しています。そして、価格設定は500万円からとなっています。この価格は、中国BYDが82.56kWhのLFPバッテリーを搭載して発売中のシーライオン7とほぼ同等の水準です。

Aion V

また、優れた魅力を備えた標準装備内容にも注目です。

・19インチアルミホイール
・14.6インチ大型センタースクリーン
・スマホのワイヤレス充電器
・メモリー機能付き電動テールゲート
・シート素材は本革シート採用
・フロントシートには電動調整、シートメモリー、シートヒーター、シートクーラー、8ポイントマッサージを完備
・センターコンソール上に冷温庫を内蔵
・リヤシートにはシートヒーター、最大角度137度に達する手動背もたれ調整に対応
・リヤ右側シートは折りたたみテーブルも利用可能
・ステアリングヒーター
・アンビエントライト
・ヒートポンプシステム
・電動サンシェード付きガラスルーフ
・レベル2 ADAS
・V2L機能
・9スピーカーシステム
・リヤサスペンションはトーションビームとコストカットの痕跡が見られる(中国仕様は5リンクを採用)
・7エアバッグシステム
・車両安全性を示すEuro NCAPにおいて、最高評価の5つ星を獲得
・車両保証は4年10万km、バッテリー保証は8年20万km

このとおり、競合となり得るトヨタbZ4X、日産アリア、BYDシーライオン7などと標準装備内容を比較しても充実しているといえるでしょう。

Aion Vのインテリア

その一方で懸念するべきは、一般販売が2028年以降からのスタートを計画しているという点です。当然サービス・販売体制がまったくゼロの状態であることから、一般販売を行うためにも、まずは法人向けにビジネスを行いつつ、それと同時並行でサービス拠点を順次開設していくという流れは王道でしょう。

ところが、その法人需要を開拓するという意味において、はたしてAion Vがどれほど魅力的な選択肢となり得るのかについては懸念が残ります。法人ユーザーがコスト競争力を重要視する場合、シーライオン7を有するBYDや、サービス体制などへの信頼性を重視するのであれば、bZ4Xを有するトヨタを選ぶのが自然な流れでしょう。Aion Vの強みである、装備内容の充実度やユニークさは、一般の個人ユーザーには訴求できる装備内容であるものの、法人車両には魅力的な装備内容とはいえません。

日本参入を表明したZeekrも、高級ハイヤーなどを想定したミニバンEV「Zeekr 009」を投入しています。Aion Vでは、どのような法人が購入するのかイメージが付きにくいのです。

Zeekr 009

その上で、個人的にAionに対する最大の懸念が、Aionというブランド自体の脆弱性です。中国市場で急速にシェアを落としながら、新型モデルも不発に終わっている現状を踏まえると、Aionブランドの将来性にも懸念が残ります。何年も所有する必要のある自動車を購入する上で、事業の健全性は重要な観点であり、それなら同じ中国メーカーでも経営基盤が盤石であるBYD、そして国産のトヨタや日産のEVを選ぶのは当然といわざるを得ません。

中国国内で苦しむGACのEVが、BYDとジーリーに続く中国3つ目の自動車メーカーとして日本でどれだけのEVを販売することができるのか。中国メーカー日本市場参入の最新動向には今後も注目していきたいと思います。

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