EVなのに一部の走行モードでは車内に勇ましいエンジンサウンドが鳴り響き、ドライバーの心を昂らせることでお馴染みのヒョンデのハイパフォーマンスEV「IONIQ 5 N（アイオニック・ファイブ・エヌ）」が、一部改良を受け11月26日から発売された。

　マイナーチェンジで主眼に置いたのは、IONIQ 5 Nの運転する楽しさをさらに追及するということ。そのひとつとして、エンジン車の8速デュアルクラッチトランスミッションを思わせるシフトフィールをあえて再現した「N e-Shift」を、ECOモード走行時でも体感できるように変更を行った。

　また、ドリフト走行をサポートする「N Drift Optimizer PRO」は10段階のレベル調整が可能になり、ドライバーが技量や目的に合わせてそのサポート量を調節できるよう改良が加えられた。

　エンジンサウンドという点でいえば、改良モデルではローンチコントロールを作動させると自動的にエンジンサウンドが鳴るように制御が変更され、加速時の高揚感向上がなされた。これで、勢いよく加速させたはいいが、エンジン音がしなかったという失敗は無くなる。

　ここまでは走行パフォーマンスの改良点について触れたが、走行安全性と快適性の面でも改良が施されている。

　まずはヘッドライト。夜間走行時に対向車や先行車両への眩惑を防ぎながら、積極的にハイビームを維持して走行する「インテリジェントフロントライティングシステム（IFS）」が採用された。これにより、対向車を検知して対向車側にあたる右側のヘッドライトをロービームにする一方、左側はハイビームを維持するなどの制御が自動で行われる。まさに自車の夜間走行安全性を高めながら、対向車にも配慮した優れた装備と言えるだろう。

　次にナビゲーション。12.3インチのナビゲーションモニターには、今回の改良で拡張現実（AR）機能が搭載された。これはフロントカメラを通してモニターに映し出される前方映像に、ナビゲーションルートを重ねて表示するもので、ドライバーはもちろん同乗者も直感的にルートを把握しやすくなっている。

　このほかにも、モニター上に表示できる「Nモード」のウィジェット数が、従来の4個から6個に増え、運転の愉しさを広げる各種設定の自由度が増すなど、改良が加えられている。

　これらの改良が施されたマイナーチェンジ版のヒョンデIONIQ 5 Nは、税込車両本体価格891万円となっている。

【主な新装備（機能向上含む）】
-　N Drift Optimizer PRO
-　N e-Shift
-　N Launch Control
-　ナビゲーションディスプレイ 「N モード」 ウィジェット
-　インテリジェントフロントライティングシステム（IFS）
-　N専用本革巻ステアリング［ヒ―テッド/ハプティクス機能/ハンズオンディテクト機能付］
-　12.3インチナビゲーション［AR機能付］
-　ビルトインドライブレコーダー
-　後席シート60:40分割可倒機構［ワンタッチフォールディングボタン付］
-　後席乗員通知（ROA）［センサー付］
-　パワーウインドウ［全席オートアップ&ダウン/セーフティー機能付］