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中国の出方次第で世界のクルマが危機に陥る! 中国が掌握するレアアース事情と依存したくない日本の現状


TEXT:琴條孝詩

<日本への影響と戦略的対応>

もうひとつの重要な取り組みがレアアース依存からの脱却である。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が2024年からレアアースを使用しないモーターの開発に着手し、部品メーカーや新興企業が2027年から2028年にかけての量産化をめざしている。

その他、プロテリアル(旧日立金属)は、フェライト磁石を使用したEV駆動用モーターを試作し、レアアースを使わずに100kWの最高出力を確認した。同社は2030年代前半の実用化をめざしている。デンソーも鉄とニッケルのみで構成する「鉄ニッケル超格子磁石」の5〜10年内実用化を表明している。

また、ネクストコアテクノロジーズは、レアアース問題に対するまったく新しいアプローチとして、磁石ではなくモーターの鉄心(コア)部分を革新することで電力損失を70%程度低減可能な省エネルギーモーターを実現。そのため、性能の劣るフェライト磁石でも実用レベルになり、結果的にレアアース依存から脱却できる。

<価格競争力という新たな壁>

国際エネルギー機関(IEA)は、2040年時点でも中国がレアアース精錬の78%を占め、ほぼ独占状況が続くと予測している。一方で、日本が先行投資してきたマレーシア・オーストラリア系の精錬能力が15%に達する見込みであり、脱中国依存の取り組みが一定の成果を上げる可能性も示されている。

中国のレアアース輸出規制は、確実に日本の自動車産業に影響を与えているが、2010年の経験を教訓とした戦略的取り組みが徐々に実を結び始めている。供給網多角化とレアアースフリー技術開発という二正面作戦により、中長期的には危機を乗り越える道筋が見えてきた。今後は技術開発の加速とコスト競争力確保が鍵となるだろう。

琴條孝詩

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