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ホントにEVに乗り換えて大丈夫かな……不安なら確認! EVオーナーが語る買う前にチェックすべき3つのポイント


TEXT:琴條孝詩 PHOTO:日産/ホンダ/ENECHANGE/TET 編集部
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事前に確認すべき3つのチェック項目を解説

電気自動車(EV)への関心が高まるなか、SNSなどを覗くと多くのドライバーが「そろそろEVに乗り換えてみようかな」と考え始めているようだ。静かで滑らかな走行感や環境への配慮、そして燃料費の削減といったメリットが注目されているからだろう。しかし同時に、「充電が面倒なのではないか」「本当に不便を感じないだろうか」といった不安の声も聞こえてくる。

政府は、2030年までに30万口の充電インフラ設置をめざし、EVを取り巻く環境は急速に整備されつつある。がしかし、ガソリン(ICE)車とは根本的に異なる特性をもつEVでは、購入前の準備が快適なEVライフの鍵を握る。

ここでは、EV購入を検討する方々が後悔しないEVオーナーとなるために、事前に確認すべき重要な3つのチェック項目を解説していこう。これらのポイントをクリアできれば、EVは単なる移動手段を超え、あなたの生活に新たな価値をもたらす存在となるはずだ。

EVのイメージ

1)充電環境の確保がEV生活の成功を左右する

EV生活の満足度を決定づけるのは、なによりも充電環境である。経済産業省の調べでは、2024年度末時点で整備されている充電器は約6.8万口(急速約1.2万口、普通約5.6万口)と着実に増加しているものの、ガソリンスタンドのように「どこにでもあって便利」とまではいえないのが現状だ。また、充電スポットの分布は都市部と地方で大きく異なり、地方や郊外ではまだまだ数が限られている。

まず最優先で検討すべきは自宅充電環境の整備である。戸建て住宅なら200V普通充電用コンセントの設置は比較的容易で、工事費用は10万円程度が相場だ。自宅に200Vの電源を引き込める駐車スペースがあれば、出力約3kWの充電器を使用した8〜12時間の充電で、航続距離100〜150km走行できる。1日の走行距離次第では、夜間にゆっくり充電でき、朝には満充電状態で出発できるのだ。これにより日中の充電スポット探しに悩まされることもなく、日常の使い勝手は格段に向上する。

マンションなどの集合住宅では、管理組合の承認が必要となるためハードルは高くなる。東京都では2025年4月に施行された条例により、新築マンションについては駐車台数の2割以上に充電設備設置が義務付けられるなど、環境整備は進んでいる。しかし、既存物件では、住民合意が必要となることが多く、月極駐車場の場合も設置の可否を事前に確認する必要がある。

マンションのイメージ

自宅充電が困難な場合は、職場や商業施設、道の駅などの外出先充電スポットの把握が不可欠となる。充電スポットを検索できる無料専用アプリを活用して、よく利用する場所周辺の充電スポットを事前に調べておこう。急速充電器の場所や稼働状況、混雑具合も確認が必要だ。充電待ちの発生や充電器の故障なども想定し、複数の選択肢をもっておくことが重要だ。

長距離移動や旅行時には、事前に経路上の急速充電器の設置場所を調べ、充電計画を立てることが不可欠だ。充電サービスへの会員登録やアプリの利用もスムースな充電のためには必須となる。設置されてから10年以上が経つ充電器は、老朽化による故障が発生し始めており、行ってみたら故障で使えなかった、という事態に備えて代替手段の確保も考えておきたい。

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