トヨタは2023年9月6日、都内で新型「センチュリー」を世界初公開した。従来のショーファーカーのイメージを刷新した。パワートレインはPHEV(プラグインハイブリッド)を採用。その意図と、今後のBEV(バッテリーEV)化・FCEV化の可能性は?
新モデルを追加という形
日本のショーファーカーの真骨頂であるトヨタ「センチュリー」に新モデルが追加された。
2018年に登場した三代目「センチュリー」は今後も、「センチュリー(セダン)」として継続して製造・販売される。
つまり、センチュリーがフルモデルチェンジしたのではなく、これまでとは別の顧客層に向けてセンチュリーの新たなる方向性を示した形だ。
パワートレーンは、シリーズパラレルプラグインハイブリッド(2GR-FXS 3.5リッター V型6気筒エンジン)を搭載し、エンジンまたはモーター動力で前輪を駆動、後輪を独立したモーターで駆動するE-Four Advanced(四輪駆動)とした。
車体構造はTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)のKプラットフォームを採用した。
なぜPHEVを採用したのか?
では、PHEVを採用した理由は何か?
この点について、トヨタの技術領域を統括する中嶋裕樹副社長は「ショーファーカーとしての利便性を考慮した結果だ」と記者団に対して答えた。
改めて、ショーファーカーとは、専属の運転手がついた公用車や社用車などを指すクルマのカテゴリーのひとつ。VIPは後席で移動中、リラックスしたり、または公務や職務をこなす。

センチュリーが搭載する、3.5リッターV型6気筒・PHEVユニット。筆者撮影
ショーファーカーの移動は、事前に立てられたスケジュールに沿って行うことが多い。そのため、ショーファーカーは”VIPを待つこと”が重要な役目となる。
そうした待ち時間に、BEVならばバッテリー残量が下がったり、またはFCEV(燃料電池車)が水素残量が下がってしまうと、ショーファーカー本来の目的である移動の自由度が下がってしまいかねない。
そうなると、PHEVが最も実用的だと考えられる。

センチュリーの前席。筆者撮影
技術的にはBEVもFCEVも可能
では、技術的な観点からセンチュリーのBEV化やFCEV化は可能なのか?
答えは、YESだ。
今回の発表会には、トヨタの”ショーファーカー群”として、「クラウンセダンFCEV」や「ヴェルファイア」が、センチュリーとセンチュリーセダンと同じ壇上に展示された。
これは事実上、TNGA・Kプラットフォームの中で様々な電動パワートレーンが共用できることになる。

会見場には「クラウンセダンFCEV」など、トヨタのショーファーカー群が並ぶ。筆者撮影
トヨタでは最近、マルチパスウェイプラットフォームという考え方を示しており、クラウンでもBEV実験車両があり、また今回の展示のクラウンセダンFCEVは「今年中に国内販売される予定」(トヨタ関係者)である。
トヨタがすでに示している、2028年の量産化を目指す次世代リチウムイオン電池が量産されたり、または水素インフラがさらに整えば、モデルチェンジまでの期間が長いセンチュリーにBEVやFCEVが採用される可能性は十分にあるものと考えられる。
会見場で壇上にあった、トヨタ・ショーファーカー群の各モデルの製品企画担当者と意見交換しながら、そう感じた。








































