写真①:トヨタ「クラウンセダンFCEV」日本仕様。筆者撮影。
国が6年ぶりに改定した水素戦略。これを受けて、日本国内では水素を活用した新しい動きがいろいろ出てきた。水素を使う自動車では、燃料電池車のほかに、内燃機関で水素を使う水素燃料車の開発も進む。そうした中、水素ロードサービスカーが登場だ。
クラウン・セダン右ハンドル仕様を初公開
今度は、右ハンドルの「クラウンセダンFCEV」が登場した。
スーパー耐久2023年シリーズ・第5戦もてぎスーパー耐久5時間レースでの出来事だ。
とはいっても、コース上で決勝レースに出場したのではなく、グランドスタンド裏のイベントスペースで展示された。
新型クラウン日本仕様は現在、クロスオーバーが先行発売されているが、車系としてはこの他、セダン、スポーツ、そしてエステートの存在が明らかになっている。
このうち、セダンは2023年5月のスーパー耐久・富士24時間レースで世界初公開された。今回の展示車もそれと同じ車両だと思ったが、なんと右ハンドルの日本仕様であり、トヨタ関係者によると公には初公開であるという。
未発売のクラウン・セダンが展示されたことで、興味深々で車両の中を覗き込む観客もいたが、実は今回の展示で最大の注目ポイントは、クラウン・セダンの隣に置かれたトラックの方だ。
CJPTとJAFがタッグを組む

写真②:CJPTとJAFが連携して開発した水素ロードサービストラック用の機器。筆者撮影。
このトラックは、JAF(日本自動車連盟)による、水素ロードサービスカーだ。
JAFのロードサービスカーといえば、パンク、バッテリーあがり、路肩に乗り上げて動けなくなった時など、様々な故障やトラブルの際に現場に駆けつけてくれるユーザーの強い味方として知られている。
近年では、BEVの普及に伴い、高速道路や一般道路で「電欠」した場合に急速充電器を装備したロードサービスカーも登場しているところだ。
そうした中、水素ロードサービスカーは、水素がなくなって走れない状態、いわば「水素欠」の際に水素を充填する装置を持つ。
開発には、トヨタが中心となり、CASE(コネクテッド、自動運転技術、シェアリングなどの新サービス、電動化)やカーボンニュートラルに向けた量産技術を開発する、CJPT(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ)が「水素を運ぶ」ための技術を提供した。
水素ステーション渋滞も発生
水素ロードサービストラックに関連して、展示ブースでは「水素社会の足元と、カイゼン活動」というパネルがあった。
CJPT関係者の説明よると、現状で水素利用への不安として、渋滞中の「水素欠」は大きな課題のひとつだという。水素インフラ整備は未だに途上であり、水素残量が減ってきた時の行動が抑制されてしまい兼ねない。
そもそも、BEVのように自宅や会社で普通充電するといった電気の扱いとは違い、水素は水素ステーションのみで供給されるという特性を理解して、日常生活で使う必要がある。

写真3:水素ステーション渋滞など課題について紹介するパネル。筆者撮影。
さらには、水素ステーションでの充填渋滞も実際に起きている、と指摘する。
特に最近は、実証試験で小型燃料電池トラックが都内などで運用されており、これらトラックの充填時間はMIRAIなどに比べて3倍以上の約10分間を要する。
さら、小型燃料電池トラックが充填した後、インフラ側の充填圧力を上げるのに時間がかかるため、一般のFCVユーザーの水素充填の待ち時間がかなり長くなる事例もあるというのだ。
このように、水素を使うクルマやトラックの台数が徐々に増えてきたいま、今回登場したJAFの水素ロードサービストラックのように、水素社会を実現するために必要なモノやことが今後、さらに「見える化」されていくことだろう。








































