世界のEVシフトはこのまま減速するのか
2026年3月にホンダが「四輪電動化戦略の見直し」をしたことを覚えているでしょうか。EVのサブブランドとなるホンダ・ゼロシリーズとソニーホンダ、それぞれの北米向けEV開発のいずれも休止するという経営判断であり、これをもって「EVはオワコンになった」と認識している方も少なくないかもしれません。
はたして、ホンダの電動化戦略の見直しは世界的なEVシフトの終焉を示しているのでしょうか。ホンダの電動化戦略見直しと時を同じくして、欧州系メーカーも好調とはいえない決算関係の数字を発表しています。これもEVのオワコン化という印象を強めています。

本当にEVシフトは世界的に減速しているといえるのでしょうか。
この議論において非常に難しいのは、”世界的”の基準をどこに置くかにあります。ある人にとっての世界は目の前にある国内市場かもしれません。日本の自動車メーカーの主戦場となる北米および日本を含むアジア市場が”世界”と認識されることもあるでしょう。一方で、文字どおりに世界全体の統計データとして、EVシフトが減速しているのかどうかというテーマの設定も可能です。
また、EVに注力した自動車メーカーが儲かっていないからといって、EVシフトが進んでいないといい切るのも難しい部分があります。たとえば、欧州の統計データをみると、2025年上半期の新車販売においてEVのシェアは15%でしたが、2026年上半期では20%超に増加しています。競争が激しくなったことでメーカーの儲けが減っているからといって、EVが売れていないとはいい切れないのです。

そもそも、ホンダの電動化戦略見直しについても、端的にいえば「アメリカでのEV生産と販売を休止する」といった内容であり、その他のエリアについては引き続き電動化戦略を進めていくという方向性を示しています。実際、ホンダゼロ・シリーズについてもインドで生産するコンパクトSUVである「ゼロ・アルファ」については計画どおり2027年には日本でも発売される予定となっています。
日本におけるEV販売シェアは、グローバルで見ると低いですが、それでもトヨタbZ4Xシリーズや、テスラの各モデルなどは好調に売れており、少しずつですがEVのシェアは拡大しています。地域差はあっても、世界的にEVシフトは進んでおり、「もはやEVは売れていない」というのは間違った認識といえます。

もちろん、アメリカにおいてはトランプ政権がEVへの補助金を止めるなどしたことで、EVシフトが大きく減速しているという見方は正しいでしょう。しかし、トランプ政権の政策がすべてEVの逆風になっているわけではありません。























