事業として持続させる難しさが課題
超小型モビリティと聞いて、あなたはどんなイメージを抱くだろうか。もしかすると、「それって何?」 という人がいるかもしれない。
国土交通省によれば、超小型モビリティとは「自動車よりコンパクトで小まわりが利き、環境性能に優れ、地域の身軽な移動の足となる1人〜2人乗り程度の車両」と定義付けている。
区分は大きくわけて3つある。
ひとつ目が、第一種原動機付自転車(ミニカー)。ボディサイズは、長さ2.5m以下x、幅1.3m以下×高さ2.0m以下。定格出力が0.6kW以下で最高速度は時速60km。ふたつ目が、超小型モビリティ(型式指定車)。ボディサイズはミニカーと同じで、定格出力は0.6kW超、最高速度は構造上時速60km。そして3つ目が、超小型モビリティ(認定車)で、ボディサイズは長さ3.4m以下×幅1.48m以下、高さ2.0m以下と軽自動車と同じだ。定格出力は0.6kW~0.8kWで、最高速度は軽自動車と同じく構造上の制限はない。
公道走行を可能とする認定制度は平成25年1月に創設されており、安全確保を最優先に考え高速道路等は走行しないこと、交通の安全と円滑を図るための措置を講じた場所において運行すること等を盛り込んだ。
国がこうした超小型モビリティに対する道路運送車両法や道路運送法への対応を具現化するまで、かなり期間を要した。筆者は2010年代前半から、国が進める超小型モビリティの実証試験を全国各地で取材してきた。
その際、主な実証対象は、「高齢化社会における高齢者向け」「団地や古い分譲住宅地などで交通不便地域における、いわゆる”買い物難民”対策」、そして「観光地での回遊」であった。こうした国の動きに伴い、さまざまなベンチャー企業が誕生し超小型モビリティの将来に向けて切磋琢磨していった。
各地の実証試験ではある程度の成果はあったものの、「持続的に運用できる成功事例」は数が少なく、事業として成立させるハードルが高い印象があった。結果的に、多くのベンチャー企業が超小型モビリティ関連事業から撤退し、自動車メーカーでもホンダは量産化を断念。トヨタは量産化するも販売台数が伸びず、比較的短期間で市場から姿を消した。
当初、超小型モビリティの必要性としてされてきた利用価値は、現時点で各種のライドシェアリング、特定小型電動機付自転車(電動キックボード)、自動運転、そして軽EVなどさまざまでも担うことができるようになった。それでも超小型モビリティの活用価値はあるはずだ。今後どのようなケースにはまるのか、期待を込めてその動向を見守っていきたい。





















