「電源」に関するワードも複雑
<充電の「速さ」と「規格」を押さえる>
充電には大きく2種類ある。《普通充電》は自宅などで行う低出力(1〜6kW程度)の充電で、《急速充電》は短時間で大量充電(50〜150kW超)できる。ただし、急速充電は高出力で充電するため、一般的には普通充電よりバッテリーへの負荷が大きいとされるが、近年のEVは熱管理性能が向上しており、実用上は大きな問題になりにくいという報告もある。通常は自宅の普通充電、遠出の際に急速充電という使いわけが基本になる。
急速充電で日本車に多く採用されているのが《CHAdeMO(チャデモ)》という規格。だが欧米ではCCS規格が主流で、北米ではテスラのNACS規格を採用するメーカーも急増している。海外旅行や輸入車を検討する際は、充電規格の互換性を事前に確認しておこう。もうひとつ、知っておくと便利な機能が《プレコンディショニング》だ。事前にバッテリーを適温に整えることで、急速充電では充電スピードが上がり、自宅充電時に利用することで冬の航続距離の落ち込みも抑えられる。スマホアプリから出発前に予約できる車種も多い。
<EVが「電源」になる時代>
EV独自の魅力として近年注目されているのが、クルマを電源として活用する一連の機能だ。《V2L(Vehicle to Load)》はクルマを「ポータブル電源(ポタ電)」として使う機能で、100V/1500W程度の家電に給電できるモデルが多い。キャンプなどで重宝するほか、災害時の非常用電源としても注目されている。これをさらに発展させたのが《V2H(Vehicle to Home)》で、EVのバッテリーで家全体に給電する仕組みだ。専用機器(パワーコンディショナー)の導入が必要なために初期費用はかかるが、太陽光発電と組み合わせることで電気代の大幅な節約や停電時の自立運転が可能になる。
そしてこれらを含む「EVと電力網をつなぐ」概念の総称が《V2X(Vehicle to Everything)》だ。電力網そのものへ給電するV2Gや、ビルに給電するV2Bなど、EVを社会インフラの蓄電池として活用するアイディアを指し、エネルギー政策の文脈でも頻繁に登場するキーワードになってきた。
<ソフトウェアと車種の基本>
EVはスマホと同様、ネット経由のソフトウェアアップデート《OTA(Over The Air)》によって購入後も進化しつづける。テスラが広めたこの手法は、いまや多くのEVが対応しており、寝ている間に機能追加や性能改善、不具合修正がおこなわれるという体験がEV乗りには当たり前になってきた。
最後に車種の区別を整理しておこう。「EV」といえば通常は、エンジンをもたない純粋な電気自動車《BEV(Battery Electric Vehicle)》を指す。日産リーフ、テスラ、BYDなどが代表例で、充電のみで走り排気ガスはゼロだ。
一方、充電もできるプラグインハイブリッド車《PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)》は、電気だけで走れる距離は30〜100km程度とBEVより短いが、ガソリンエンジンももつため航続距離の不安が少ない。インフラ整備がまだ十分でないエリアに住んでいるなら、BEVへの「入門」として現実的な選択肢になる。《HEV(Hybrid Electric Vehicle)》は、外部充電機能をもたず、エンジンで発電しながらモーターを駆動するハイブリッド車だ。
EVの用語は難しく見えて、ひとつひとつは「スマホ」「燃費」「コンセント」と同じ発想のものばかりだ。この《17の用語》を押さえておけば、カーディーラーでの会話も、SNSのEV情報も、ぐっと理解しやすくなるはずだ。
























































