燃費と電費の比較のキーになる数字は「5」と「6」だ
さまざまなファクターによりガソリン価格が高騰している。レギュラーガソリンでも200円/Lの価格は珍しくない状態だ。その背景には、円安傾向の為替もあるし、中東紛争による原油価格の上昇もある。いずれにしても、ユーザーとしては不可抗力的にエンジン車のランニングコストは上がっている。
こうなると、電気で走るEVの経済性が圧倒的に有利になってくるように思えるが、燃費と電費の経済性を瞬時に比べるのは難しい。なぜなら、オンボードでメーター表示される燃費は「km/L」という単位であり、電費は「km/kWh」と異なる単位であることが多いからだ。

はたして、燃費と電費を簡単に比較できるような方法はあるのだろうか。
基本的には1kmあたりの走行コスト(燃料代 o r電気代)で計算するのがわかりやすい。中東情勢が長引くとしてガソリン価格を200円/L、電気代は再エネ賦課金や調整額を含めた実質単価として32円/kWhと設定して試算してみよう。

ガソリン車燃費[1kmあたりのコスト]EVの電費
20km/L[10.0 円]3.2km/kWh
25km/L[8.0 円]4.0km/kWh
30km/L[6.67 円]4.8km/kWh
35km/L[5.71 円]5.6km/kWh
50km/L[4.0 円]8.0km/kWh
62.5km/L[3.2 円]10.0km/kWh
EVの車格にもよるが、大型モデルで冬場に暖房をガンガンに利用すると3~4km/kWhとなることも珍しくない。つまり、レギュラーガソリンで20~25km/Lの実燃費で走るハイブリッドカーならば、少なくとも燃料代 or 電気代のランニングコストは同等といえる。
一方、軽自動車クラスのEVでの市街地走行ではリアルワールドで10km/kWhの電費となることも珍しくない。この場合、60km/Lを超える燃費相当のランニングコストというわけで、エンジン車では太刀打ちできない経済性を実現していることになる。

もちろん、こうした関係はガソリン価格が下がれば変わってくる。中東紛争が始まる前のレギュラーガソリン価格は、暫定税率が廃止されたこともあって150円/L程度だった。電気代は変わらないとして、エンジン車とEVのランニングコストは以下のようになる。
ガソリン車燃費 1kmあたりのコスト EVの電費
20km/L[7.50 円]4.3km/kWh
25km/L[6.00 円]5.3km/kWh
30km/L[5.00 円 ]6.4km/kWh
35km/L[4.29 円]7.5km/kWh
50km/L[3.00 円]10.7km/kWh
国産EVでいえば、スズキeビターラ(FWD)を市街地で試乗したときの電費が7km/kWh台だった。レギュラーガソリン150円に下がっても、エンジン車でいうと35km/L前後のハイブリッドカーと同等のランニングコストで3ナンバーサイズのEVは走ることができるというわけだ。

まとめると、レギュラーガソリン200円であれば燃費の数字を「6」で割った数字の電費であればランニングコストは同等で、それより大きな数字であればEVのほうが経済的といえる。レギュラーガソリン150円の場合は、割る数字を「5」にすれば、エンジン車とEVのランニングコストを比較する目安になる。
もっとも、こうした試算はあくまでもレギュラーガソリンと一般家庭での契約を基準とした電気代を比べたもの。ハイオクやディーゼルになると燃料単価は変わるし、リアルに計算するならば実際の購入価格から計算する必要がある。
また、電気代については普通充電を基本とするならば32円/kWhの固定でおおむね問題ないだろうが、急速充電を使うと単価は普通充電の倍以上に跳ね上がる。リアルな使用シーンでは、普通充電と急速充電をミックスするだろうから、EVのランニングコストを正確に計算することは非常に難しくなるという点は留意しておきたい。

とはいえ、普通充電を基本にEVを運用しているのであれば、「6の法則」、「5の法則」を覚えておけば、EVのメーターに表示される電費が、ガソリンエンジン車でどのくらいの燃費に相当するのかを簡単にイメージすることができる。EVの経済性を確認するのに、ぜひとも利用してほしい数字だ。
















































