EVスーパーカーに価値がつく日は来るのか
ここ数年、スーパーカーの世界にも衝撃的なスペックを誇るEVが続々と誕生するようになった。昨年開催されたジャパンモビリティショーに出品されたBYDのフラッグシッププレミアムニューエナジーブランド、ヤンワンの「U9エクストリーム」などはまさにその象徴的な例。3000馬力の最高出力や496.22km/hという最高速は、これまでのスーパーカーの常識を確実に超越するものである。

その一方で気になるのは、これらの超高性能なEVを生み出す新興スーパーカーメーカーが、そのプロダクトに掲げるプライスだ。それらには数億円を超える数字が設定されることも多く、かつ希少性が生み出す価値を考えてのことなのだろう、生産台数も非常に少なく計画されることがほとんど。つまり、それらを購入しようとするカスタマーにとって、メーカーから提示された価格は、将来的に期待される資産価値を考えれば十分に納得できるものという理論が成り立つわけだが、果たしてそれは現実的なシナリオといえるのか。今回はそれを考えてみたいと思う。

クラッシックスーパーカーの価格が、異常なまでの高騰を続けているのは紛れもない事実だ。そのトレンドをリードしているのはもちろんフェラーリで、とりわけ「F40」や「F50」に始まる一連のスペチアーレ(特別なカスタマーのみに販売が許された限定車)などが記録する落札価格は、オークションシーンでは常に大きな話題となっている。
だが、それにはフェラーリがそもそももつ、まもなく80年を迎えようという歴史のなかで育まれてきた究極ともいえるブランドバリューが、将来に渡っての存続が保証されていることが背景にある。新興EVメーカーにまず必要なのは、どのようにして魅力的なブランドバリューを築くのかであって、それまでには長い時間が必要になるのはいうまでもないところだ。

だが、現在もなお急速な勢いで技術進化を続けるEVにおいて、いかにそれが希少価値のあるスーパーカーであったとしても、この長い時間というものは資産価値を考えると、一方では大きなリスクを生み出す可能性が高い。新技術の採用や規格の変更、あるいはバッテリーの劣化による性能低下などはそのリスクとして容易に考えられるところだが、さらにはこれまでのガソリン車とは異なり、メンテナンスにもさまざまな問題が、将来的には表れてくるだろう。
仮にメーカーそのものが消滅するようなことになれば、最悪の場合それはスーパーカーの姿カタチをした、ただのオブジェとなる可能性すらあるのだから。

実際にEVのスーパーカーが、オークションなどで頻繁に流通するようになるにはまだかなり先の話だろう。現在はガソリン車とEVの橋渡し的存在ともいえるPHEVが最新スーパーカーのテクニカルトレンドとなっているが、こちらはやはりフェラーリの限定車を中心にその人気は高い。
そのフェラーリは2026年、これまで「エレットリカ」の名で開発を進めてきたEVを発売する計画(それがどのようなボディタイプをもつのかも、いまだオフィシャルには明らかにされてはいない)だが、それが市場でどのような評価を受けるかにも注目したいところ。

同時にフェラーリは、V12を頂点とするICE(内燃機関)の開発にも積極的な投資を続けていくと宣言しているから、まだまだEVがスーパーカーの世界における主流になり、そしてその資産価値というものを語ることができるようになるのは、相当に先のことになりそうだ。
















































