最大積載状態で693.38km走破する小型商用EV
2026年春から日本でも販売されることが決まっている、韓国の自動車メーカーKia初のPBVモデル「PV5カーゴ」が、ギネス世界記録を樹立した。
PV5カーゴが挑んだ世界記録は、最大積載状態での一充電走行距離だ。PV5カーゴは43.3kWhのバッテリーを搭載したエコノミーモデルにはじまり、51.5kWhのスタンダードモデル、71.2kWhのロングレンジモデルまで、3種類のモデルがラインアップされている。このうち、ギネス世界記録への挑戦にあたっては、最大容量モデルの71.2kWhロングレンジモデルが選定された。

記録の計測は、2025年9月30日にドイツのフランクフルト北部の公道で実施された。商用車の専門記者であるジョージ・バロウ氏と、ヒョンデ・Kia欧州技術センターのシニアエンジニアであるクリストファー・ニゲマイヤー氏が運転を担当。走行コースは実際の物流業や配達業務を再現するために、58.2kmの市街地と郊外の道路、そして上り坂を繰り返すルートで構成され、それらの過程はGPSによる追跡と車内に設置したカメラで記録され続けたのだという。そして、計測にあたっては車両の実用性を立証するために、欧州仕様車の最大積載量である665kgのウェイトを荷室に積んだ状態で行われた。
その結果、PV5カーゴは1回の充電で693.38kmもの距離を走破することに成功し、小型商用(LCV)EVの世界最高記録としてギネス世界記録に認定された。これには、運転を担当したバロウ氏も「当分の間、この記録を破ることは難しいだろう」と、その航続性能の優秀さを絶賛している。

今回のギネス世界記録樹立を受けてKiaの宋虎聲(ソン・ホソン)社長は次のようにコメントしている。
「PV5カーゴが樹立したギネス世界記録は、移動を越え新たなモビリティソリューションを提供するというKiaのビジョンを示す意義深い成果だ。KiaのPBVがコンセプトに留まらず、実際の環境でも優れた効率性と実用性を備えていることを証明できた」
ユーロNCAP5つ星に各方面で賞総なめ状態
広々とした荷室と低い床面地上高、そして優れた空間活用性を備え、多様なビジネス環境に最適化できるよう設計されたPV5カーゴ。PV5シリーズとしては、カーゴ以外にもその空間を存分に生かしたパッセンジャーモデルを用意しており、日本でも大型EVバンを期待する向きには待望の1台となりそうな予感だ。

すでに韓国と欧州では販売が開始されたPV5だが、欧州の安全性能評価であるユーロNCAPの商用バン部門では最高評価の5つ星を獲得したほか、英国の商用車専門メディアが主催する「バン・オブ・ザ・イヤー」の獲得、TopGear主催の「ファミリーカー・オブ・ザ・イヤー」獲得など、各方面でさまざまな賞を獲得している。

これら各種の賞獲得に加えて、審査機関を通じて証明された高い安全性と優れた航続性能を備えたPV5。そのポテンシャルの高さをは計り知れないものがあり、いまから来春の日本発売が楽しみで仕方がない。














































