EV普及に向けた足がかりとしてまずはBYDとタッグ
創業100年を超える老舗輸入車ディーラーのヤナセが、低迷する日本のEV普及を促進するため、新法人「ヤナセEVスクエア株式会社」を設立。BYD Auto Japanと正規ディーラー契約を締結し、2026年夏に神奈川県横浜市に店舗をオープンさせることを発表した。
今後、国内外のメーカーから順次新型EVの導入が予定されているものの、2024年の国内乗用車市場に占めるBEVとPHEVの合計シェアは3%未満と厳しい状況。加えて、充電インフラ整備の遅れや中古車市場における査定価格の低迷など、EVの普及に向けては多くの課題が残されているとヤナセは指摘している。
一方で、契約を結んだBYDは、逆境ともいえる市場環境をものともせず、12月1日からは独自のスーパーハイブリッドシステム「DM-i」を搭載したPHEVのSUV「シーライオン6」を国内に導入。続けて2026年内には軽自動車規格のEV「ラッコ」の発売が控えており、日本のEV市場開拓に向けて積極的な姿勢を崩していない。

こうした状況を踏まえ、ヤナセもこの機にヤナセEVスクエアにおけるBYDの取り扱いを通じ、新車販売だけでなく、中古車販売やアフターセールスまで含めたEVの安定的かつ持続可能なビジネスサイクルの定着、および拡大を日本市場で本格的に実現すべく取り組むとしている。
ヤナセの森田考則社長は、BYDとの正規ディーラー契約およびヤナセEVスクエアの立ち上げにあたり、「世界で高く評価されている EVブランドであるBYDを取り扱う貴重な機会をいただき感謝しています。EVビジネスサイクルのさまざまな課題・障壁をブレイクスルーする手がかりと解決法を見出すことで、当社が現在預からせていただいている既存の大切な取引先ブランドのEV普及にも、メリットが生まれる相乗効果を期待しています。また、当社お客さまのカーライフを一層充実させると同時に、カーボンニュートラルを含めた SDGs における社会的課題の解決を、お客さまとともに実現していくことにもつながります」と述べ、この取り組みがBYDの販売だけに留まらず、ヤナセ取り扱いブランドのEVラインアップが今後拡大した際にも効果を発揮するものだと説明している。
なお、現時点ではヤナセEVスクエアは横浜の1拠点のみとされている。一方のBYDは現在、全国に68店舗を展開し、当初の目標である全国100店舗体制の早期完成を目指し精力的に活動中だ。
ヤナセがBYDを取り扱うことだけでなく、スマートK以来ひさびさに軽自動車を販売するようになることにも驚かされるが、日本の老舗ディーラーと世界トップクラスのEV量産メーカーの協力は、間違いなく日本のEV市場に一石を投じる動きであり、今後のEV普及に向けた大きなステップであることに異論の余地は無い。い。











































