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レアメタルの資源不足を解決する手段! いま注目を集める「ナトリウムイオン電池」とは?


TEXT:大内明彦

リチウムイオン電池と比較してもメリットが大きい

 温度に対する許容幅が広いことも特徴だ。リチウムイオン電他は、およそ0度から45度までが使用可能な温度域とされているが、ナトリウムイオン電池はマイナス20度から90度の間で使用可能とその幅は広い。

さらに、充電スピードの速さでアドバンテージをもっている。一般的なリチウムイオン電池の5倍程度のスピードといわれ、急速充電による80%充電なら15分程度で完了するという。この急速充電性は、EVにとっての必要不可欠な要素といってもよいだろう。

そして、原材料コストが安いことが挙げられる。リチウム、コバルトといったレアメタルと較べ、海水中に豊富にあるナトリウムのコストは比較にならないほど廉価である。

逆にデメリットを挙げると、やはりエネルギー密度の低さが問題視されている。リチウムイオン電池の5分の4から3分の2前後といわれ、同容量を確保しようとすると、最大1.5倍程度の大きさになることが想定される。また、重量の点でも不利である。ナトリウムの原子量はリチウムの3倍、イオン体積で2倍となるため、小型軽量性が必須条件となる携帯電話やドローンの電力源としては不向きかもしれない。

あとは安全性で、ナトリウムは水に触れると激しく反応する性質があるため、発火や爆発のことを考慮しなければならない。ただ、発火、爆発という点ではリチウム電池も似た性質をもつため、リチウムイオン電池と同レベルの対策を施せば大丈夫と考えられている。

この安全性に対する決定的な解決策、ブレークスルーと見なせる方式が全固体電池だ。可燃性の液体電解液を硫化物系や酸化物系の固体電解質に置き換えることで安定性は飛躍的に向上する。現在はリチウムイオンで考えられているが、ナトリウムイオンでも同様の手法が可能である。問題としては、固体同士の界面を良好に保つこと、コストが割高になることが挙げられている。

EV用ナトリウムイオン電池は、すでに中国のCATLが2025年4月に発表。注目すべきはエネルギー密度で、発表値では175Wh/kgとリチウムイオン電池の90%近い数値をマークしていることだ。日本ではトヨタが研究開発作業を進めている最中。EV用ではないが、日本電気硝子が全固体型ナトリウムイオン電池の実用化に成功。原材料のナトリウムが豊富に存在することを考えると、メリットの大きな方式の2次電池といえるだろう。

大内明彦

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