ブリー・コンセプト(2011)
ID.Buzzの生産より10年前、早くもEVコンセプトカーとして登場していたのがブリー・コンセプト。スタイルの流れとしてはマイクロバス・コンセプトを受け継ぐものながら、VWの汎用プラットフォーム「MQB」を採用するなど、文脈はまったく違うといっていいでしょう。また、EVとしてお披露目したのも現実性を担保するもので、この翌年にはVWからEVへの大規模投資がほのめかされています。
MQBを使用したためか、マイクロバス・コンセプトよりもコンパクトになりつつ、スペースユーティリティも最適化されています。これには、バッテリーの搭載位置などが奏功しており、T2時代からの研究成果が現れているはず。当時としては破格といっていい40kWhのリチウムイオン電池を積み、航続距離は300kmをベンチマークとしていました。
Budd-eコンセプト(2016)
ID.Buzzコンセプトが登場する前年に発表されたのがBudd-eですが、これはモーターショーではなくラスベガスのCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)でお披露目されているところがミソ。つまり、それまでのMQBに替えて、EV専用プラットフォーム「MEB」の可能性、パフォーマンスを示唆することが主目的だったのかと。
それまでのマイクロバスやブリーといったコンセプトに対し、全長4.6メートルへと大型化することでBudd-eはMEBの汎用性やEVの未来を見せたかったに違いありません。そういわれると、スタイリングの方向性もインパクトあるフロントマスクや、3152mmという長いホイールベースなど、当時のVWテイストからは少し距離を置いたものに見えてきます。
もっとも、CESでの評判は高かったものの、未来のID.Buzzを期待していたファンからは「これじゃない」と失望されたとか。たしかに、Budd-eはMEBのサンプルとして捉え、Buzzの流れとは区別してもいいかもしれません。



















































