EVヘッドライン
share:

150kWの急速充電器ならアッという間に満タンなハズ……があれ? EVの充電量が思ったよりも回復しない理由


TEXT:御堀直嗣

車両次第では「無用の長物」にもなりうる

たとえば150kWの高出力充電器でブーストモードを働かせると350A(アンペア)の高電流が流れ、400V(ボルト)以上の高電圧になる。したがって、それ以上の電圧の対応がされたEVでなければ、150kWの急速充電器を探してもあまり意味がないことになりかねない。

充電器側については、ひとつの急速充電器で2口以上のコネクターを備える場合、互いのコネクターの出力を案分して充電することがある。これは、あとから充電を開始するEVにも、ある程度充電が可能になるようにするためだ。したがって、口数すべてでEVが充電をする際には、その急速充電器の最大出力で充電できないことになる。

高出力の急速充電器の普及が望まれ、実現しはじめている。しかし、EVのそもそもの充電受け入れ性能が高くなければ使っても意味がないし、充電残量によっては必ずしも充電器の最大出力がいつでも手に入れられるとは限らないのである。

改めて充電に関していえば、基礎充電となる200Vでの普通充電で十分な充電量を確保したうえで出かけることが望ましい。

そして、急速充電をする際は、SOCがなるべく低くなったところで利用するのが効率的であり、一方で必ずしも期待したとおりの充電量を急速充電できない場合もあるため、立ち寄り先でこまめに普通充電を使ってつぎ足しながら次の目的地へ移動するという複合的な充電方法の活用と、そのための充電基盤整備が不可欠なのである。

御堀直嗣

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本に何が起こった? BEVが売れない……ハズが2025年10月は電気自動車が売れまくっていた
エンジンサウンドが聞こえてシフトショックも感じられるEVが超進化! ヒョンデ「IONIQ 5 N」がマイナーチェンジ
60年もの不動車がバッテリー交換だけで走り出した! EVの長期保管はエンジン車よりも簡単!!
more
ニュース
EVだけじゃなく水素でも世界をリードする! 「ヒョンデ」がジャパンモビリティショー2025で新型ネッソを本邦初公開
軽自動車市場参入を表明したBYDの軽EVはスライドドアのスーパーハイトワゴン!? 注目モデルが目白押しなジャパンモビリティショー2025のBYDブースは要注目
「EVごはん」が、駐車場検索アプリ「VEEMO(ビーモ)」のユーザー向けコンテンツを提供開始
more
コラム
[新連載]知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣
岡崎宏司の「EVは楽しい!」第2回:スタイリッシュなEVは、素晴らしいシティカーだった
[ID.4をチャージせよ!:その2]Q4 e-tronとID.4、どっちにする?
more
インタビュー
BYDオートジャパン社長が考える日本進出戦略とは?[社長インタビュー:その 4]
BYDオートジャパン社長が考える日本進出戦略とは?[社長インタビュー:その 3]
BYDオートジャパン社長が考える日本進出戦略とは?[社長インタビュー:その 2]
more
試乗
【試乗】速さはスーパースポーツ並! AWD技術も完成の域! アウディS6スポーツバックe-tronに望むのは「感性に訴えかける走り」のみ
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
フォルクスワーゲン「ID.Buzz」がついに日本上陸! 日本試乗で唯一となるBEVミニバンは888万9000円から
more
イベント
軽自動車市場参入を表明したBYDの軽EVはスライドドアのスーパーハイトワゴン!? 注目モデルが目白押しなジャパンモビリティショー2025のBYDブースは要注目
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択