資本参加するASF製商用軽EVを使用
コスモ「ゼロカボプラン」で使うEVは、日本発EVベンチャーのASF製「ASF2.0」となる。
ASFは、いわゆるファブレス企業だが、海外生産のEVを日本仕様に仕立てるのではなく、ゼロベースで日本向けEVとして設計・製造する。
2020年6月に佐川急便と「小型電気自動車の共同開発を開始する基本合意の締結」を発表し、自動車産業界やIT産業界から大きな注目を浴びた。
その後、2020年12月に総合商社の双日、また2021年6月にはコスモ石油マーケティングとコスモエネルギーホールディングスとの資本提携を発表し、着実に事業基盤を固めてきた。
そして今回、コスモが新たに事業展開する「ゼロカボプラン」に「ASF2.0」を提供することになった。
実車を確認すると、佐川急便など利用者の声を最大限に活かした、いわゆる「マーケットイン」型の商品開発を丁寧に行ってきたことがよく分かる。
前席周辺のレイアウトや、備品、書類用のポケットや取り外し可能な小型デスク、また荷室はフルフラットとしており、ASF関係者によると荷室容積はスズキ「エブリィ」に近く軽商用としてはかなり広い。



バッテリーはリン酸鉄リチウムイオン電池で、電池容量は30kWh。
満充電での航続距離はメーカー測定値で209km。充電方式は、出力3kWや6kWなどの普通充電、またはチャデモ規格による急速充電も可能だがクルマ側の最大受け入れ出力は最大で30kW。
現状でV2HやV2Lには対応していないが、今後の仕様変更で対応は可能という。
乗り心地の良さと、安定した操作性

都内を走行する「ASF2.0」。公道試乗会にて筆者撮影。
記者会見の後、「ASF2.0」を都内の公道で試乗した。
法定速度の時速40kmで15分程度走った。
感想としては、「空荷の状態としては、路面からの突き上げも少なく乗り心地が良い」、「ハンドル操作に対するクルマの動きは、敏感でもなく、鈍感でもなく、ほど良くて運転しやすい」、「加減速は、一般的な商用EVとして標準以上」、「ブレーキのタッチに違和感なく好印象」、「外観、内装のデザインは、奇をてらったところがなく、商用車としては上質感がある」といったポジティブな印象だ。全体において、とても質感が高い。
その上で、やはり気になるのは累計走行距離が増えた時点でのクルマとしての品質だ。これは今後、実用化してからチェックしていくしかないが、そうした定常的なメインテナンスを気軽にできるのも、コスモ「ゼロカボプラン」の特徴だと言えるだろう。
そうしたメインテナンスの中で、車両の課題についてのデータ収集を十分に行い、さらなる品質改善になることを期待したい。
コスト石油のガソリンスタンドは現在、全国に2680箇所。このうち、「コスモMyカーリース」に対応する840箇所では、「ゼロカボプラン」においても簡単な整備と車検を行う。
また、故障や修理を行う場合、全国47都道府県内それぞれに1~3箇所で合計約80箇所を設置する予定だ。










































