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「ID.GTIコンセプトは、その完璧な例」とVWアンドレアス・ミント氏が語るEVデザイン


TEXT:小川 フミオ
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EV化によってデザインは、どのように変化していくのだろうか。「ID.GTIコンセプト」は、ミライを見据え、現在にデザインをしたとミント氏はいう。

前回はこちら:
Vol.1  VW愛!デザイン責任者が語る「電気自動車時代に、わたしたちができること」
Vol.2 「ID.GTIコンセプト」のCピラーに注目。ヘッド・オブ・フォルクスワーゲン・デザインが物語る、これからのVWのデザイン
Vol.3  VWが打ち出す「LOVE BRAND」へ。トップ・オブ・デザインが語るポイント

 

自動運転がレベルアップにともなってデザインも変わる

ーーこれからのBEVのデザインについてうかがいます。レベル3以降の自動運転など、あたらしい技術が実現すると、クルマの形状も、本質的に変わっていくのでしょうか。

「たしかに、自動運転が、レベル3やレベル4以上になった場合には、車内におけるエンターテイメントですとかインフォテイメントの価値がどんどん上がってくるでしょう。デザインも変わってくると思います」

 

ーーフォルクスワーゲン(VW)らしさは、どうやって打ち出していきますか。

「私たちは、Stable(安定性)、Likeable(好感度)、Exciting(刺激)という3つのピラー(柱)を、これからのデザインの理念としています。3つめの”刺激”については、秘密のレシピであって、言葉にしにくいのですが、これらが変わらないかぎり、デザインランゲージを維持しながら、あたらしいプロダクト作っていけます」

ーーそこまで、すでに手を打っているということですか。

「いま現在の話として、あまり先までの心配をすることは、おそらく必要ないんじゃないかと思います。なぜならば、レベル4はまだ来ていないですし。いま私たち意識しなくてはならないのは、自分たちが寄って立つべき価値を見失わないようにすることです。そうであれば、VWらしさを失わない。そういうふうに思っています」

 

車内のエンターテイメント、そしてファン・トゥ・ドライブ


ーー若い世代については、顧客としてどのようにとらえていますか。

「若い世代は、車内のエンターテイメントにより注目する傾向にあると思います。いままでのように、コーナリング性能だとか加速性能だとかでなく、どれぐらいエンターテイメントを車内で提供できるか。そこが若い世代から求められていると思っています」

 

ーー若い世代が、従来のような、クルマ本来のドライブの楽しさを語らないのは、自動車メーカーの責任でしょうか。それとも、これは不可避的に起きたことなんでしょうか。

「若い世代にたいして、私たちがやるべきことがあります。真の意味でのドライビングの楽しさを教えることです。ID.GTI(コンセプト)はBEVの時代に、従来と同様のファン・トゥ・ドライブを教えることができるのではないかと思っています」

 

ーーBEV独自のファン・トゥ・ドライブもありますね。

「重量物であるバッテリーを床に敷き詰めることで重心を低くでき、コーナリング性能が上がるとか。回生ブレーキを使うことで、制動性能が上がったりとか。真の意味でのドライビングの楽しさも、ID.GTIで実現できると思います。私じしん、ドライビングが好きですし、若い世代にも、ファン・トゥ・ドライブを訴求していく必要があると思います」

 

デザイナーからすれば、自由度が高まるBEVはファンタスティック

ーークルマがBEV化すると、デザインの面で、今までできなかったこと、やりたくてもやれなかったことが実現できますか?

「ID.GTIコンセプトは、その完璧な例です。ボディとホイールベースとの関係をみると、完璧なプロポーションです。おなじセグメントで、こんなに均整のとれたクルマはないですよ。ホイールベースが260cmに対して、ボディ全長が410cmこのプロポーションは完璧です」

ーークルマのデザインにおいて、もっとも大事なのはプロポーションというのは昔から言われてきたことですね。

「もうひとつ、タイヤの外径が大きくなっています。非常に見た目がいいでしょう。デザイナーからすると自由度が高まるので、BEVはファンタスティックです。強くパワフルでスポーティーな印象を与えるけれど。同時に、かわいらしさも失わないデザイン。これがID.GTIコンセプトなのです」

 

ーーICEではむずかしったのですね。

「エンジンルームの役割が違いますから。ラジエーターもあるし、エンジンやギアボックスが入っているので、どうしても前車軸より前の、いわゆる、オーバーハングが長くなってしまいます。デザイン的にダメとは言いませんが、BEVのほうががいいと思います」

<了>

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