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BEVチューンは自動車メーカーの真骨頂?日産・NISMO電動化戦略の行方、ハイパフォーマンスICEからどう進化?


TEXT:桃田 健史
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電動化の大波が押し寄せている自動車産業界。チューニングカーの分野でも今後、電動チューニングが必要となるが、そうした中で自動車メーカー系の関連企業はどのような手を打って来るのか。「スカイラインNISMO」発表会で日産関係者に聞いた。

スカイラインNISMO登場

日産は2023年8月8日、「スカイラインNISMO」を世界初公開した。

「スカイライン400R」をベースに、搭載エンジン「VR30DDTT」の最高出力を405psから420psに引き上げ、合わせて最大トルクも475N・mから550N・mへと大幅に拡大した。

ドライビングモードについても、STANDARDモードでは日常づかいを加味した味付けとし、またSPORTとSPORT+モードではNISMO専用のAT(オートマチックトランスミッション)変速制御を施した。

タイヤサイズはリアタイヤの幅を20mm拡大し、アルミホイールはNISMO専用のエンケイ製19インチを採用するなどして、コーナーリング性能をさらに一段、向上させた。

さらにフロントスポイラーを含めた空力パーツへの改良も着手するなどして「史上最上のスカイライン」を具現化させたといえる。

販売台数は限定1000台。価格は788万400円。RECAROシートとカーボン製フィニッシャー装着車が847万円。

そのほか、横浜工場での「匠ライン」で、日産社内での特別な資格を持つ匠がエンジンを丁寧に手組みする「スカイラインNISMO Limited」を限定100台生産する。価格は947万9800円。

どうなる電動チューニング?

改めてだが、NISMOは、日産直系のチューニングやボディパーツなどのブランド。現在は、オーテックと合併した、日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社が運用している。

「〇〇〇NISMO」と命名され日産カタログモデルとして全国の日産販売会社を通じて購入できる。今回登場した「スカイライン」の他、「GT-R」、「フェアレディZ」、「ノート」、「リーフ」でNISMOモデルがラインアップされている。

日産横浜本社ショールームに展示される「リーフNISMO」。筆者撮影。

また、NISMOはモータースポーツの領域では、日産ワークス活動に対するブランドとしても日本のみならずグローバルで広く認知されている。これまで、モータースポーツで培った技術がNISMO量産車にフィードバックされてきた。

一方で、自動車産業界では急激なBEVシフトが始まっている。

日産ブランドの量産車では、BEVモデル拡充とシリーズハイブリッドのe-POWERの搭載モデル拡大を進め、またモータースポーツの世界ではフォーミュラeに日産はフル参戦しているところだ。

そうしたモータースポーツ活動と量産型NISMOモデル開発が、具体的にどのようにつながっていくのか?

「スカイラインNISMO」の開発責任者に聞いてみたところ、「近年は、電動化や自動運転技術など、量産車がレース車両より先行している場合も少なくない」と指摘する。

むろん、モータースポーツという過酷な使用条件で、各種の電動部品やシステムの開発を進めるという側面はある。

また、スーパー耐久シリーズで、環境対応車の開発も手がけている日産としては、これまでのモータースポーツとは違い「たんなる速さではなく、環境への配慮を重視」という視点を持っている。

そのため、NISMO(日産モータースポーツ&カスタマイズ)電動化戦略の中でも、今後は「より環境対応」に対する付加価値を設けて、ユーザーに訴求していく必要性も大事になるだろうと指摘だった。

アフターマーケットメーカーでは対応がさらに難しくなる


「e-POWER」に関する技術展示。日産横浜本社にて筆者撮影。

別の視点では、NISMO(日産モータースポーツ&カスタマイズ)は、電動車チューニングについて「優位性がある」とも言う。

従来の動力系チューニングは、エンジン単体のECU(制御装置)のプログラムを改良したり、吸気・排気系の効率を上げることが主体であった。

これがBEVなど本格的な電動車となると、モーターや先進運転支援システム(ADAS)がシステムとして深く連携し、さらに車載器だけではなくクラウドを介した制御の管理などが必然となってくる。

そうなると、いわゆるアフターマーケットのチューニングメーカーやショップで対応することは事実上、不可能になる可能性が高い。

結果的に、自動車メーカー直系のNISMO(日産モータースポーツ&カスタマイズ)のようなブランドのみが、電動車チューニングに携わる時代がもうじきやってくるのかもしれない。

複数の日産関係者と電動車チューニングの今後について意見交換しながら、改めてそうした感触を得た。

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