車の鍵を持ち歩かなくなった。テスラで変わった“車に乗る”という行為
YouTubeなどでテスラやEV(電気自動車)に関する情報を発信しているKen氏によるテスラ連載コラム。今回のテーマは「車の鍵」。スマホが鍵になるテスラに乗り始めてから、スタートボタンを押す、サイドブレーキをかけるといった「車に乗るための儀式」が消滅。ついには家の鍵まで持ち歩かなくなったという、EVがもたらす「何もしなくていい価値」とシンプルなライフスタイルの変化をお届けします。
テスラに乗り始めてから気づいた、ある小さな変化について
今回は、テスラに乗り始めてから気づいた、ある小さな変化についてお話ししたいと思います。 それは、車の鍵を持ち歩かなくなったことです。「それだけ?」と思われるかもしれません。 確かに、最近はスマートキーも普及していますし、昔のように鍵穴へ鍵を差し込んで車を開ける機会はかなり減りました。 でも、テスラに乗り続けていると、単に「鍵を取り出さなくてよくなった」という以上の変化を感じるようになりました。僕の場合、それはやがて、「そもそも、今まで当たり前にやっていたことは、本当に必要だったのだろうか?」と考えるきっかけにまでなったのです。
当たり前だった「車に乗るための儀式」
これまで僕にとって、車に乗るまでにはいくつかの決まった動作がありました。
・家を出る前に車の鍵を持ったか確認する
・車に近づいたら解錠する
・運転席に座ったらスタートボタンを押す
・目的地に着いたら車を止め、必要であればパーキングブレーキを操作する
・そして車を降りたあとに施錠する
どれも当たり前すぎて、「面倒だ」とすら思っていませんでした。車というものは、そうやって乗るものだと思っていたからです。
ところが、テスラに乗り始めると、この「当たり前」が少しずつ消えていきました。
スマートフォンを持っているだけで、そのまま乗れる
テスラでは、スマートフォンを車の鍵として使うことができます。Teslaアプリでスマホキーを設定しておけば、基本的にはスマートフォンをポケットやバッグに入れたまま車へ近づき、ドアを開け、そのまま乗り込むことができます。車内に座っても、エンジンをかけるためのボタンはありません。もちろんEVなので、そもそもエンジン自体がありません。ブレーキを踏み、走行できる状態にして、そのまま出発する。最初の頃は少し不思議な感覚がありました。「えっ、もう走っていいの?」という感じです。でも、それに慣れてしまうと、逆に気づきます。 「スタートボタンって、本当に必要だったのかな」。そう思うようになったのです。
同じようなことは、ほかにもあります。例えば、パーキングブレーキです。 以前の車では、駐車するときにサイドブレーキを引いたり、ボタンを操作したりすることを意識していました。でもテスラでは、そうした操作をほとんど意識しません。車を停め、降りる。それだけです。
もちろん車側では必要な制御が行われています。でも、運転する側からすると、これまで人間が毎回やっていた操作が、ひとつずつ表から消えていく感覚があります。テスラに乗っていると、こういう瞬間が結構あります。 「今まで必要だと思っていたけれど、実はなくてもよかったんだ」と気づく瞬間です。そして、その代表例が僕にとって「車の鍵」でした。
「鍵を持って出る」という習慣がなくなった
多くの人にとって、外出するときに鍵を持つというのは、ごく当たり前の行為だと思います。 財布、スマートフォン、家の鍵、車の鍵。 家を出る前に、「鍵持った?」と確認する。これまで僕もそうでした。でもテスラに乗るようになって、車の鍵を持たなくなりました。 スマートフォンはどうせ毎日持ち歩きます。そのスマートフォンが車の鍵にもなるのであれば、わざわざもう一つ「車の鍵」という物を持つ必要がありません。最初は単純に、「荷物が一つ減って便利だな」くらいに思っていました。 ところが、しばらくすると僕の中で別の疑問が生まれました。 「じゃあ、家の鍵は本当に必要なのか?」という疑問です。これはテスラの機能そのものとは少し離れるのですが、僕にとってはかなり大きな変化でした。車の鍵を持たなくなったことで、「鍵という物そのものを持ち歩く必要があるのか?」と考えるようになったのです。
そこで、自宅の玄関も暗証番号で解錠できるように変えました。 その結果、今では家族の誰も、基本的に家を出るときに鍵を持ち歩いていません。僕も、妻も、子どもたちも持ちません。家に帰れば、暗証番号を入力して家に入ることができます。以前なら、子どもに「家の鍵ちゃんと持った?」と確認することもありました。鍵をなくさないか心配することもありました。でも今は、その行為自体がありません。考えてみれば、昔からずっと当たり前だった「家を出るときには鍵を持つ」という習慣が、僕たち家族の生活から消えたわけです。そして、そのきっかけの一つがテスラでした。
テスラの面白さは「新しいものが増える」ことだけではない
テスラというと、大きなディスプレイやソフトウェアアップデート、オートパイロットなど、「新しい機能がたくさん付いている車」というイメージを持つ方も多いと思います。もちろん、それも魅力です。でも僕が実際に乗っていて面白いと感じるのは、むしろ逆の部分です。
新しいものが増えるのではなく、今まであったものが消えていく。
・鍵がない
・スタートボタンがない
・エンジンをかけるという動作がない
・サイドブレーキを操作するという意識もない
そして、以前の記事で書いたように、自宅充電が中心になれば「ガソリンスタンドへ行く」という行為まで生活から減っていきます。一つひとつは小さなことです。でも、その小さな「やらなくていいこと」が積み重なると、車との付き合い方そのものが変わってきます。
「車を操作する」から「ただ使う」へ
テスラに乗り始めてから、僕の中では「車に乗る」という行為がかなりシンプルになりました。
・スマートフォンを持って車へ行く。
・ドアを開ける。
・座る。
・走る。
・目的地に着いたら、停める。
・降りる。
・そのまま離れる。
それだけです。
車を動かすために何か特別な準備をしているという感覚が、少しずつなくなっていきます。 これはスマートフォンにも少し似ている気がします。毎回「これからスマートフォンを起動するぞ」と意識する人はほとんどいないと思います。必要なときに手に取り、そのまま使う。テスラも、それに近い存在になっているのかもしれません。
本当に便利なのは「何かができること」ではなく「何もしなくていいこと」
車の進化というと、「何ができるようになったのか」に注目しがちです。より速く走れる、より長い距離を走れる、大きな画面が付いた、新しい運転支援機能が追加された。もちろん、そうした進化も大切です。でも、実際に毎日使っていると、僕は別の価値を強く感じます。
それは「今までやっていたことを、やらなくてよくなること」です。
鍵を探さなくていい。
スタートボタンを押さなくていい。
車を降りたあと、毎回施錠操作をしなくていい。
一回一回では数秒の違いかもしれません。でも、その数秒が毎日の生活から消えていく。そして、一度その生活に慣れると、「なぜ今までこれを毎回やっていたんだろう?」と不思議に思うようになります。
テスラに乗って、僕は車の鍵を持ち歩かなくなりました。 でも振り返ってみると、変わったのはそれだけではありませんでした。車の鍵が不要になったことで、「ほかにも当たり前だと思い込んでいるだけのものがあるのではないか」と考えるようになり、実際に家の鍵まで持ち歩かない生活へ変わりました。
新しい技術の価値というのは、単に便利な機能を追加することだけではないのかもしれません。 今まで疑問にも思わなかった「当たり前」をなくして、もっとシンプルな生活の形を見せてくれること。僕にとって、テスラの面白さはそこにもあります。
車の鍵を持たなくなった。 たったそれだけの小さな変化から、僕の生活の「当たり前」は少しずつ変わり始めました。これからも、実際にEVに乗ってみて初めて気づいた、こうした生活の変化をお届けしていきたいと思います。次回の記事も、ぜひ楽しみにしていてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
Ken(YouTuber):
プリウスとランクルの2台にそれぞれ10年程乗った後に、2022年に日本でテスラモデルYが発売されたのを機に人生初めてのEV購入。以後、テスラの魅力に取り付かれ虜となり、毎日YouTubeでTesla情報を発信。現在はモデル3を購入し、テスラ2台持ちオーナー。
〈Kenのテスラ戦略ラボ〉
























